【ターゲティングって】

「ターゲティング」という言葉を聞いたことはあるだろうか?簡単にいうと自社のサービス/製品を買ってくれそうなお客さん(ターゲット)は誰なのか明確にすることだ。もっというとこういうお客さんに是非買ってもらいたいという人物像や企業を、出来るだけ具体的に考えることだ。

企業規模が小さかったり、ユーザーがすぐ近くにいる場合は、「どこ社のような企業でシステム部門を担当しているような人だ」、「3丁目の鈴木さんのようによく来てくれて、価格の高いものを買ってくれる人だ」・・・などと、想像がつきやすいだろう。

しかし、企業規模が大きくなったり、卸や、販社が間に入ったりすると、とたんに想像しにくくなるのではないだろうか?実際、どういう人が買ってくれているか全く分からない企業もたまにあるのだ。

今日とあるプレスリリースのセミナーに参加してきたのだが、プレスリリースでもやはり、「どういった人に読んでもらいたいか」「そのために適切な媒体は?」と考えることが重要らしい。


【なぜ、ターゲティングするのか?】

そもそも論になってしまうが、なぜターゲティングが必要なのだろうか?

「買ってくれれば誰でもいいじゃないか、営業は電話と足だ、リストに電話しまくって、後は足で稼いでこい!!」という古くからの営業を推奨している企業もあるらしい。しかし、これでは効率が悪すぎる。

大体情報もモノも有り余っている現代なのだ、全く同じモノは持っていなくても、代替手段で間に合っている人が多いのではないだろうか?BtoCだと、「新聞を購読しなくても、インターネットで十分」、BtoBだと、「本格的イントラネットシステムはいらないから、PC上でファイル共有、スケジュール共有、会議室予約が出来れば十分」といったように、そんな代替手段がいくらでもあるだろう。

そんな本気度の低い、気乗りをしない人に売るとなると、営業マンは大変だ。自社のサービス/製品を買ってくれそうな人にあたるまで闇雲に動くと、社員のモチベーションも落ちるだろうし、経営的視点から見ると、コストのかかる営業社員にそんな効率の悪いことをさせていてよいのか?という話になる。

また、広報宣伝の世界なら、広告関連費用はかかっているのに、モノが売れないのでは全くシャレになっていない。TVCMはご存じの通り、何億、何十億円の世界である。具体的にはかけないが、さんざんな目にあった事例を知っている。

そういった企業の営業/広報活動の精度を高め、効率をアップするのに必要なのがターゲティングなのだ。


【具体的にはどうするのか?】

さて、現実問題、誰がお客さん候補(ターゲット)なのか、どうすれば分かるのだろうか?

【1つ】
1つめのヒントは、既存顧客の中で、優良顧客に入る人・企業はどんなお客さんなのか、整理することだ。
利益率が高い/利用頻度が高いお客さんといえるだろう。自社の口コミをしてくれるお客さんも含まれよう。

業種は?企業規模は?その中でどういった部門なのか?社長か、部門長か、担当者か?何歳くらいか?などなど、色々な視点が必要となろう。しっかりしたユーザーリストや、ユーザーアンケートなどがあれば心強い。

【2つ】
2つめのヒントは、誰にとって嬉しいサービス/商品なのか、よく考えてみることだ。
自社サービス/製品の優位性や、お客さんがいいと言ってくれることはなんなのか掘り下げて考えてみて、こういう理由で支持されているのではないか?それならお客さんはこういう人だろう・・・と考えていくのだ。一人で考えて行き詰まったら、人に意見を聞いてみるのも良いだろう。

高齢者なのか、若年層なのか?エントリー層か、マニアか、プロか?学生か、専業主婦か、サラリーマンか?SOHOか、中堅企業か、支店の多い大企業か?都市部に住んでいる人か、郊外の人か?

【3つ】
3つめのヒントは、競合だ。
自社に比べ強い競合がいる市場であれば、そことは少しずらして、勝負の土俵を変えるのが賢明だ。
古い例だが、しっかりしたコクのあるキリンビールに対し、コクがあるのにキレのある味を求めるユーザーをターゲットに、スーパードライで勝負を仕掛けたアサヒビールの事例が有名だ。

ただし、あまり強い競合がいない場合、先に花火を打ち上げてメッセージを発信・浸透させたところが勝つこともあるので、競合を意識しすぎない方がいいかもしれない。

【4つ】
4つめのヒントは、消費者の意見「マーケティング・リサーチ」だ。
少し広めの調査対象としておいて、自社製品のユーザーとノンユーザー、あるいは競合ユーザーなどと比べてみると分かりやすいだろう。(ここは私の専門分野なので、何でも聞いてください!)

特に市場導入前の評価が把握でき、ユーザー像を明らかにしやすいのがマーケティング・リサーチのいいところだ。また、市場導入後にも、提供する側の企業が思っているのと、実際のユーザーが異なるのを把握するという使い方もある。 もちろん、ついでに自社サービス/製品の支持理由や非支持理由を聞いておくのは当然だ。


【5つ】
5つめのヒントは、実践だ。
費用などをかけすぎないよう小規模に絞って実際にやってみるのだ。
マーケティングでいうならば、狭いエリアでテスト販売など実験を行う「テストマーケティング」。
○○業がいけそうだと思ったら、そのリストを東京商工リサーチあたりから買ってきてDMを打つのも良かろう。

こうやって実験を重ね、ノウハウを蓄積し、どこの反応がいいのか把握し、精度を上げていくのだ。
DM、FAX、メールマガジン等の文面自体も、反応を見て修正すべきだろう。

(この分野は、中小企業再建を得意とする友人が詳しい。ご要望があれば紹介します。)


【ぜひターゲティングを!】

闇雲な営業ではなく、「誰が必要としているのか、誰に買ってもらいたいのか?」そのあたりを精緻化することで、売り上げやコスト効率は大きく変わってくるだろう。出来ることからでもいいので、とにかく何かやってみて欲しい。それに時代が変わるとターゲットが変わってくることも多い。「携帯電話が20~40代を制覇した後、キッズとシニア層にターゲットを広げた」など、色々な例があるだろう。常に見直すことも念頭に置きたい。

ところでこのブログ、ちゃんとターゲティングしてないな・・・反省。

【女性ファッション誌 Withを買った】

女性にしたら当たり前、何を今更…という話かもしれないが、女性ブランドの研究のため、ちょっと女性ファッション誌を買ってみたのだ。具体的には「With」、今月は長谷川京子が表紙のヤツだ。
http://www.joseishi.net/with/honshi/index.html
私は男性だからか、新鮮な発見が多く、非常に楽しめた。

着回しをしながら、5月の1ヶ月分のファッションを、ちょっとしたストーリー・シチュエーションとともに紹介しているのだ。
それも、「パンツ派」と「スカート派」それぞれにモデルが1名ずつ、1ヶ月間のストーリーとファッションアイテムの紹介となっている。


【ストーリー仕立てでアイテムを紹介】

ナナシ/ツインニット\14490などと、ブランドと金額などファッションアイテムの紹介は当然されている。しかしそんな無味乾燥なモノでは終わらない。それに加え

  「(子犬の)飼い主を探してあげるからね、大丈夫一緒に帰ろ」
   (子犬の件で花屋で働く松田さんという男性と急接近)
  「明日は松田さんと会う、頭の中はぐるぐる、心はドキドキ」
 
といった、その時の気持ちまでストーリー仕立てで書いてあるのだ。これを考えた人、想像力がたくましい・・・。

ブランド名より、むしろそちらの方が面白くて、つい読み込んでしまう。(メンズはここまでリアルじゃないな…。)読者と一緒の視点でモノを考える…この辺が雑誌名「with」の真骨頂であろうか?

このストーリー仕立て、シチュエーション提案があるというのが重要ではないだろうか?
(女性の皆さん、もし「Withなんて今更恥ずかしくて読めないわよ…」という位置づけだったらゴメンナサイ。)

また、「これを実践したかったら1ヶ月分の服を買ってね。」・・・という悪魔の提案ではなく、現実的な着回し提案があるのも素晴らしい。しっかり読者の視点に立っている。


【ショップの店員さんの組み合わせ提案】

男性アイテムの話となるが、ショップに行くと気の利く店員さんは、お客さんの着ている服装と、今見ているアイテムをあわせて考えて、そこから組み合わせ提案をしてくるのだ。

今着ているシャツと似たシャツをすかさず持ってきて、見ていたチノパンに
 「この組み合わせもこれからの季節いいんじゃないでしょうか?」
 「フォーマルな感じにも着れますよ」
 「Tシャツと合わせてラフにも着れます」
 「他にはどういったシャツをお持ちなんですか?」などと、
具体的な組み合わせ提案をしてくるのだ。思わず自分が着ているところを想像して妄想モードに突入だ・・・おっと、あぶない。財布のひもが緩かったら買っていたな…すご腕の店員さんだ。

具体的にはnicoleなのだが。全くすご腕の店員さんだ。
http://www.nicole-net.co.jp/brand/index.html


【iPodだってNike+提案】

さて、これはファッションの世界だけで通用する話ではなかろう。
例えば、iPodにおけるNike+のように、使用シーンの提案という発想だ。
http://nikeplus.nike.jp/

特に機能性による差別化があまり意味をなさなくなっている市場では、ブランド、デザイン、ストーリー性といったものがより重要になってくるはずだ。機能の進化が一通り進んでしまうと、スペック表のわずかな差などほとんど意味がなくなってしまう。車で言えば、今さら馬力が大事なのか?ということだ。

「商品・ブランドはお客さんにどういった提案をするのか?それこそが大事だろう・・・。」女性誌を見ながら、そんなことを考えたGWであった。

世間はGWだが、皆さんどのようにお過ごしだろうか?
あまりGWに関係はないのだが、今回はイーモバイルをネタに、CGMの実例をみてみたいと思う。


【ひよっこモバイラー、イーモバイルを契約】

私は、VISTA登場の影響で安くなった前のモデルである「レッツノートR5」を今年初めに買った、思いっきり初心者のモバイラーである。周りの人が使っていたので影響されたのだが、正直フォロワーっぽいと思う。でもモバイルってなんだか楽しいのだ。

さて、このノートパソコンは1kgを切る重量で、持ち運んでもすごく苦にはならない、なかなか良くできたPCなのだ。となると、次に来るのは通信の問題だ、今どきインターネットにつなげないというのはかなりツライ。そこでこのノートPC用に、タイミング良く登場したイーモバイルを契約してみた。

イーモバイルとは、松下奈緒が「指きたっす」といっている謎のCMでお馴染みの(笑)、最近新規参入したケータイ会社だ。
http://store.emobile.jp/


【サービスエリア外・・・しかし】

さて、最初にイーモバイルのサービス提供エリアを確認したのだが、これが実に狭い。東京都23区、名古屋中心部、関西中心部位しかエリアになっていない。千葉県民の自分にとっては話にならない・・・。6月末にはサービスエリアに入るらしいので、「契約は先にしようか・・・」と思っていたのだ。

と思いつつも、ふらっと寄った店先で、イーモバイルのキャンペーンの女の子に捕まってしまったのだ。このあたり我ながら意志が弱い(笑)。その時、もう一人出てきたキャンペーンのお兄さんから、とんでもない情報を聞いてしまったのだ。

「僕も千葉県に住んでいるんですが、毎日エリアが拡大していて、昨日千葉でも使えるようになったんですよ。」
なに?6月になる前から、サービスエリアは徐々に広がっているのか!!それを聞いて即座に契約をしてしまった。


【CGMって?】

ここで一旦話を変えよう。
「Web2.0」の概念の一つに、「CGM(Consumer Generated Media)」というものがある。ユーザーの自発的な行動が、様々なコンテンツを産んでいくというものだ。
http://e-words.jp/w/CGM.html

古くは、プログラマーが趣味で作ってしまい、世界中の有志が開発を続けるLinuxが該当するだろう。一般人が作るインターネット上の辞書「ウィキペディア」も有名だ。YOU TUBEあたりで自分の作品を公開している人もいるらしい。

しかし、そういった気合いの入ったものばかりがCGMではない、と私は思う。
「もっと気軽に、みんながちょこちょこっと持ち寄った情報が、たくさん集まると非常に意味のあるものになっていく。」そういったライトなCGMというものに注目しているのだ。その実例が「イーモバイル」にあったのだ。厳密に言うとイーモバイル自身ではなく、ユーザーが勝手に始めたのだが。


【みんなでつくるイーモバイルマップ】

「WindowsCE FAN」というモバイル好きの集まるサイトに、「みんなでつくるイーモバイルマップ」というものがある。
http://map.windows-keitai.com/emobile/doc/

先述のようにイーモバイルのサービスエリアは日々拡大しているが、公式のサービスエリア拡大発表は6月末であり、実際に使えるエリアはユーザーに聞くしかないのが実情なのだ。

そこに目を付けた人がいるようで、この「WindowsCE FAN」上に、「どこで使えた」という情報をアップするマップが作成されたのだ。ユーザーがあちこちで実験し、その結果を日付とともに書き込んでいく。たったそれだけの情報なのだが、こんなに役に立つものはない。

なぜなら、私の場合偶然そう言った情報を提供するキャンペーンのお兄さんにあたったから良かったが、普通店員さんはそんな情報は提供してくれないだろう。(これがもし狙ってやっていたら、イーモバイルは口コミマーケティングの天才だ。)そんなとき頼りになるのは、ユーザーからの情報提供のみだ。

これが、「千葉のどこどこ町で使えた」くらいだとまだ情報として甘いのだが、すごいことにマップ上に表されているため、あの交差点、あの道、あの建物というレベルで分かってしまうのだ。

また、自分が書き込んだ情報が誰にでも見られるので、犬のマーキング的な、ちょっと自己満足な要素もある。アメリカ大陸を発見したコロンブスのようなノリで、「俺が開拓したんだぜ」というささやかな自己満足も味わえるはずだ。

企業は提供してくれない情報を、ユーザーの好意により少しずつ情報を集めることによって、極めて役に立つものが提供できてしまうのだ。ユーザーだって、自分が使った場所の情報をアップするだけであり、さほど大変な話ではないので無償で協力してくれるわけだ。それが集まると、こんなに緻密、かつリアルタイムに変化成長していくデータベースが出来てしまうのだ。


【CGMって】

時代の変化に敏感で、よく勉強している人ほど、とかくすごい仕組みのCGMを考えがちである。それは、ユーザーにとって非常にハードルの高いものとなってしまい、裾野が広がらないこともあろう。

しかし、多くの人が集まる活性化したCGMを目指すのであれば、利用のハードルを低くしたり、1つ1つは大したことではなくても集まるとすごい情報になっているというのが、理想的なのではないだろうか?

少し考えすぎかもしれないが、もしこれを仕掛けたのがイーモバイル自信であったとしたら、本当に恐ろしい企業だ。企業としては言えない草の根情報を、CGMを利用してばらまいているとしたら本当に天才だ。あのよく分からないCMにだまされてはいけない(?!)・・・のかもしれない。

4/21(土)フリーマーケティングプランナー 村山涼一氏のセミナーに参加してきた。

http://www.nikkei4946.com/seminar/seminar.cgi?ID=1186


【野蛮に剛直に】


色々とツボにはまり、納得いく話が多かったのだが、その中でも冒頭に聞いた、新規事業は、「野蛮に剛直に」というのが印象的だった。ビジネスを立ち上げて成功した人を見ると、大体は高学歴ではなく、頭でっかちではない。勘やセンスに基づき、しつこく次々に手を打ってくる・・・というのだ。


確かに、上司や役員会の承認を得やすいような、理屈は通っていて、見た目に立派だけれど、つまらないプラン、ワクワクしないプランでは、成功はおぼつかないだろう。また、誰でも納得する・・・言い換えると誰でも思いつくようなプランでは、他社でも考えている可能性が高く、市場に一番乗りでもしない限りはまず成功しないだろう。


もちろん、勘やセンスがないと勝負できないのでは、企業としてはやりにくいはずなので、勘やセンスがなくても成功できるよう、いかにそのコツを組織として共有するか、それが課題に違いない。(方法論としては、村山氏に講演を企業で依頼するということなのか?商売が上手いな・・・。)


また、「野蛮さや剛直さ」は考え方としては大正解だと思うが、とにかく強引に突き進むというより譲らない部分以外に関しては、失敗したときにすぐに軌道修正を行い、次の手をスピーディーに打つなど、柔と剛の部分が必要なのだろう。



【次を読む】


また、ビジネスで成功するには、主流をみて傍流を考えることが大事らしい。

かつて、洗濯機が売れたときの例で言うと、次ぎに売れるのは「高性能な洗濯機」という発想ではいけない。

「洗濯機」が売れたら、次は「洗剤」が売れる。

じゃあ「洗剤」が売れたら次は・・・「高性能な洗剤」ではなく、「柔軟剤」が売れる。そういう発想でなければ成功しないというのだ。



色々書きたいことはあるが、あまり書くと、村山氏に申し訳ないので、この辺りまでとしておこう。

しかし、得る物の多いセミナーだった。

【腕時計していますか?】

みなさんは普段腕時計を使用しているだろうか?「腕時計をするのは社会人の常識」、として昔は当たり前だったはずなのだ。しかし、腕時計をしている人は結構少なくなっているのではないだろうか?

その一方で、今の腕時計市場は長い冬の時期を終えたのか、次から次へ新しいモデルが出ており、勢いを感じるのだ。今回は腕時計市場に注目してみた。


腕時計市場の変化】

携帯電話の普及によって、この10~15年くらい色々な市場がその影響を受けてきており、その中でも腕時計は大きな影響を受けた部類に入る。そう、携帯電話の時計表示は極めて正確で、日付の修正も必要ない。携帯の時間表示さえ見ていれば、腕時計は特に必要がないのだ。国産を中心に腕時計は大幅に売り上げを落としたらしい。
しかし、全ての腕時計が売れなくなった訳ではない。プレミアム性の高いロレックス、カルティエなど輸入物はむしろよく売れるようになったらしいのだ。

つまり精度が高いとか、信頼性が高いといったハードウェア的な面ではなく、より「装飾性」や、ブランドによる「ステータス性」が重視される市場に変化したのだ。

昔からオタクまでいかないが、腕時計が割と好きだった私としては、ロレックスを「一生もの」だといってもてはやす若い人を見ると、「メンテナンス・修理が必要って分かってるのか??」と斜に構えて見ていたものだ。
ちなみに当時は国産機械式の雄、オリエントスターを使っていた。


【電波時計の登場】

そんな時代にもかかわらず、より精度を高める進歩も同時に起こっていた。そう、それが電波時計だ。電波時計とは、正確な時間を電波で発信し、腕時計が受信してそれに時間を合わせるので、時間が狂わないというすごい腕時計だ。

これは一部では大歓迎で受け入れられたようだが、市場の流れとは全く異なる方向性であり、個人的にも食指が動くものではなかった。なぜなら正確な時間は、既に携帯電話で分かるからである。
正確な時間を知ってどうするというのだ?むしろ動かさないと止まってしまう機械式腕時計の方がかわいいくらいだ。


【アメリカ発、遊び心ブランド】

しかし、高級でも、電波時計でもないが、非常にインパクトのある腕時計がじわじわと浸透していた。その名はフォッシル、アメリカの腕時計メーカーだ。
http://www.fossil.com/jump.jsp?itemID=0&itemType=HOME_PAGE
1984年~という腕時計業界では非常に若い企業であり、アメリカの古き良き時代を感じさせるクラシックな時計と、遊び心満載な時計とをリリースしている。どちらも好きなのだが、「遊び心路線」の方が特に秀逸だろう。

秒が「十四、十五」などと漢字で表記される時計や、4、5などの文字を人で表すなど、そのセンスは脱帽である。本当に楽しんで時計を作っているのがプロダクトからもろに伝わってくるのだ。真面目な日本人やスイス人にはここまで遊べまい。

遊び心、生活の中での心のゆとり、そういった提案がフォッシルにはあったのだ。


【新たな動き】

そのフォッシルの動きを見ていたのか、高級でも、高性能でもない、個性的な腕時計が徐々に増え始めてきたのだ。

・デンマークからの刺客、でかい厚い時計の反対を行く、薄い時計のスカーゲン
http://www.skagen.jp/
実にシンプルで、なおかつデザインテイストも味がある。


・ベルトが妙に幅が広く、デザインも押し出し感があり、不思議なゴッツさ感のあるディーゼル
http://store.yahoo.co.jp/silverwatch/bbfeb7d7-a5c7a5a3a1bca5bca5eb.html

・そしてセイコーからも、日本人デザイナーを前面に出した、シンプルなデザインのRIKI WATANABEコレクションなど、日本メーカーならではの個性を感じさせる腕時計。
http://www.alba.jp/rikiwatanabe/index.html


【提案のあるプロダクト/ブランド】

これらのブランドを見ていて感じるのは、プロダクト自体に「提案」を感じるのだ。ファッション、遊び、ライフスタイルなど、これを作ったデザイナー、メーカーの提案がビシバシ伝わってくるのだ。
「時計を付けているだけで、日常を違った気分にすることができるよ・・・」そう言っているように感じられるのだ。「せかせかするなよ…もっと毎日を楽しめよ」そういうメッセージかもしれない。


今、腕時計売り場が面白い。行くたびに発見がある。買わないようにするのが大変なくらいだ。腕時計は、高級さか、正確さがないと意味がないと思っている頭の固いあなた・・・ぜひカジュアルな腕時計売り場を覗いてみて欲しい。そこにはかつてと違い、勢いに満ちた市場を見ることができるだろう。

【やたらと具体的】


先日、プジョー207の件で日本車は左脳的だと書いたが、メーカーさんと仕事をしているとそれを実感する。

マーケティングリサーチの調査設計をしていると、メーカーの方は、やたら具体的なことに関心を持たれている傾向を感じる。


「何を持っているのか」「詳しい型番は」「使用頻度はどうなのか」「用途別の使用頻度はどうなのか」…など妙に具体的なのはいいが、そこから何が発見できるのか?と正直疑問を感じることも多い。もちろん、詳しく具体的に聞きたい気持ちは分からなくもないが、答えるユーザーもそこまで覚えていない/意識していないケースも多く、回答がどこまで正確なのか非常に心配になってくる。


もちろん、できるだけ実態を正確に把握することに注力するのがリサーチのプロというものだが、ものには限界があるし、何でこんな意味のないことを聞くのか?と思うこともある。


【実態把握と意識把握】


マーケティングリサーチには、大きく分けて「実態把握調査」と「意識把握調査」がある。
「実態把握型」は、とあるカテゴリーの商品がどの程度認知され、どこで購入され、どういった理由で選択され、どういった保有・利用状態にあるのか・・・などと現状を中心に聞いていくものだ。


一方「意識把握型」は、普段どういったことを考えているのか、何に満足し、何に不満を持ち、どういった商品・サービスのアイディアに関心を持つのか、といった意識や評価、コンセプトへの反応を聞いていくものだ。


この両者は、一つの調査で両方を押さえることもあり、厳密に区切りがあるわけではないのだが、思想というか発想が異なっている。実態把握調査は、具体的なデータは得られるが、変化の少ない市場だと、あまり驚きや発見がないケースもままある。言ってしまえば「当たり前の結果」なわけだ。
意識把握型は、事前に仮説がないと大したデータを得られないのは同じといえるが、逆を言えば、しっかりと市場仮説や、新しいアイディアを練っておき、それを消費者にぶつければ、新たな発見があるわけだ。



【なぜ具体的なことを聞きたがるのか?】


冒頭の話に戻って、「メーカーの多くの方は、なぜ妙に具体的なことを聞きたがるのか?」にライトを当ててみよう。ざっと考えると以下のようなことが背景にありそうだ。


(1)現在の使用実態を詳しく探ることで、ほんのわずかなことからでも新たな可能性を見いだすため。


(2)常に商品企画が現状からのスタートとなっているため、特にユーザーニーズの仮説というものがない。


(3)社内で目新しいアイディアや発想が評価されないシーンを何度も目の当たりにしているため、意気消沈し、失敗しないことに気をとられ、近視眼的に足下ばかりを気にしてしまっている。


上記(1)は正直、運やセンスに左右されるが、この発想は悪くない。徹底的な観察や深く聞き込む調査が適しているだろう。でも場合によっては収穫がないこともあるので要注意だ。


(2)は、日本のメーカーに非常にありそうな気がする。特にそこそこヒットしていると、中々冒険はしずらいだろうし、毎日職場で仕事をしていて、刺激も少なく、仮説を考える習慣がないとすぐには出てこないだろう。


(3)も、日本企業でありそうで怖い。すぐに根拠根拠といって、出る杭を打つ上司は多そうだ。もちろん、根拠や理論ゼロでは心許ないが、完璧に成功すると分かっているものなら、他社もすぐに開発するはずた。
個性的で光るものがあり、30%位成功の可能性があれば、多少詰めが甘くても、次の段階へ進めさせる位の度量が必要であろう。やたらダメ出しをするのではなく、「もう少しこことここを考えて、企画書の形にして持ってこい。」そう言える上司であってもらいたい。

担当者もダメだと一度言われた位で引き下がってはいけないし、ハイリターンにはリスクが付きものだという意識を持ちつつ挑戦してもらいたい。



【仮説構築が大事】


上記(1)の発想であれば、あがいているうちに何かを発見できる可能性があるので、まだよいだろう。しかし、(2)(3)のケースは、無意識のうちに思考のパターンが狭まっていそうで危険だ。


それらを打ち破るには、やはり仮説を考える能力を身につけること、そしてそれを組織として奨励することが大切であろう。
現状ばかりを見ていると、視野がどうしても狭くなり、保守的な思考となり、誰でも思いつきそうなことしか思いつかなくなってしまうだろう。ユーザー視点に立ち、「なぜそんなふうに使っているのか」、「本当にそれで満足しているのか」などと仮説を持つことで、現状という呪縛を逃れ次のステップへ踏み出せるはずだ。


また、この際大事なのが、ディベート的発想ではなく、ブレインストーミング的発想をもつということだ。よくAか、Bか、といったディベート的発想で相手を打ち負かそうという人を見かけるが、それでは大した仮説は見いだせないだろう。大体答えが1つとは限らないし、世の中の大半のことが複数の要因が絡まって起こっているはずだ。

仮説を複数持ち、人の答えからさらに発展させたり膨らませるような、ブレインストーミング的な発想が必要だろう。特に組織にいるなら、人の意見を有効活用しない手はないだろう。


色々と書いたが、クライアントの方には、費用のかかるマーケティングリサーチを、仮説構築によって少しでも有効活用して頂けるよう切に願う次第である。

【2007年 プジョー207デビュー】


車…それは、なぜか人を魅了するものであり、夢を抱かせる存在だ。
ステータスシンボルとなることもあれば、気の置けないパートナーであったり、手のかかるやっかいなヤツであったり、或いはロマンといえる存在だったりもする。


突然こんな話を始めたのはわけがある…。恐れていたそれがとうとう日本に上陸するのだ。売れ筋プジョー206の後継車、「プジョー207」。
http://www.carview.co.jp/road_impression/2006/peugeot_207/


【1999年 プジョー206日本デビュー】


車に何を求めるか?価格と積載性、燃費といった実用面も大いに重要であろう。高級感も大事かもしれない。値段の割に豪華な装備というのも魅力点かもしれない。使い勝手の良さも大きな要素だ。

しかし、今から8年くらい前、日本車が忘れかけていた、今までとはちょっと違った提案がフランスからあったのだ、その名はプジョー206。
http://www.peugeot.co.jp/cars/showroom/206/index.html


丸っこくて、ネコ目といわれるツリ目で、後ろから見ても格好良くおしゃれな、そんな粋なコンパクトカー、プジョー206は、日本でも大ヒットとなり、世界的にもプジョー始まって以来の販売台数を記録した。自分も外車のディーラーに新車をまじめに見に行ったのは、これが始めてだった。


また、女性に歓迎された外車という意味でも、独特の地位を築いたと言えるだろう。街中でもプジョー206に乗った女性を見ることは多かった。雑誌やプロモーションでも、206はオシャレ目かつリラックスして街中にショッピングに行くシーンが多く、一種のライフスタイル提案もあった感じなのだ。このあたり、BMWなどドイツ車とも異なる点と言える。


個人的に当時ラリーにはまっており、その頃プジョーはWRCというラリーの世界大会で、グロンホルムというドライバーがブイブイ言わせていた。プジョー最強時代の幕開けの頃であったことも、イメージ面でのプラス要素になった。



【フランス車は不思議】


フランス車というのは不思議なもので、普通のコンパクトカーですら、その個性的なデザインから非常に存在感がある。シトロエン、ルノー、プジョー、どれも個性的だ。たたずんでいるだけで絵になったりするのだ。日本でいえば、カローラ、ヴィッツクラスの車が絵になっている訳だ。個人的にはシトロエン「エグザンティア」「ZX」あたりも大好きだった。


一方、日本車に慣れた目から見ると、内装や装備は「大したことない」の一言に尽きるし、エンジンなどのスペックも特筆すべきことは何もない。馬力もない、燃費もさほど良くはない。


しかし、乗るとしみじみと伝わってくる良さがあり、シートがいいのか運転していても一向に疲れないのだ。運転自体も足回りがいいのか結構楽しいし、どう見てもパワー不足に思えるエンジンも、不思議と活発な印象で案外遅くない。



【フランス車にあって日本車にないもの】


フランス車に接して一番感じるのは、「人の感性」を大事にしているということだ。デザインがいいとか、使ってみてしっくり来るとか、疲れないとか。そんな何気ないけれど、非常に心理に効いてくるところに徹底的にこだわっているような感じを受けるのだ。
心にゆとりがあり、それを大事にしているのかもしれない。


日本車もだいぶ良くはなっているが、スペックや装備、燃費など、左脳的というか、頭で考えて作った感じがしてくるのだ。日本人は真面目だから、おのずとそうなるんだろう。(もちろん、プリウスなんて素晴らしい車を作ってしまうことは、環境保護の面で真面目さバンザイである。)



【考えるな、感じるんだ!】


ブルースリーの言葉で言えば、「考えるな、感じるんだ(Don't think.FEEL!)」といったところか。
http://www.fsinet.or.jp/~fight/illust/dragon/FEEL.HTM
さすがにフランスメーカーも直感で作っているわけはなく、考えていると思うのだが、「感じる」ことをより重視している気がするのだ。


車に何を求めるか…実用性も、ステータス性も、夢も大事であろう。しかし、これだけ車が普及し、装備も立派になった今、「感性に訴えること」といった、もっと人に近い視点が大事なのではないだろうか?「なんかしっくり来る」…かなり言葉で表すのは難しいことだが、こういったことを感じさせてくれるデザイン、運転の楽しさ、ゆとり、そして、それを統合したブランドによる提案、それが重要な気がするのだ。



【プジョー207】


さて、やっと冒頭に戻って最新のプジョー207なのだが、少々私にはしっくりこなくなってしまった。好みの問題ともいえるが、デザインにメリハリがありすぎるのだ。一部では「笑いネコ」ともいわれている「あの口」が馴染めないのだ。「ガッハッハッ」と笑っている気すらしてくる・・・。もしかすると、日本人だけにフランス人の感性について行けていないのだけなのかもしれない・・・。


しかし、3ナンバーボディに大型化したのに、1600ccのエンジンのままというのはプジョーらしい、プジョーのことだから、後で1400ccも投入するかもしれない。販売台数は正直206には及ばない気がするが、プジョーらしさが濃厚であることを期待し、そのうちディーラーを覗きに行こう。果たして、207は、感性の面を刺激してくれるのか?

知り合いから最近のゲーセンはすごいらしいと聞き、この間渋谷のゲーセンを覗いてきた。ずいぶん凝った感じのプリクラの階を抜けて4階に行くと、そこはカードを使ったアーケードゲームだらけだった。

【三国志大戦】

フロアの中央に陣取り、みんなが熱中していたゲームがあった。それが「三国志大戦2」だ。http://3594.slocker.net/z3594toha.shtml
しかし、このゲームいくら後ろから見ていてもさっぱり分からないのだ。

どうやら「三国無双」などでお馴染み「三国志」を題材にしたシュミレーションゲームっぽいのだが、プレーヤーがトレーディングカードのようなものを動かしていることしか分からず、何で何を動かしているのやさっぱり見当がつかない。

これでも吉川英治『三国志』を3回くらいは読んだ三国志好きなのだが、だからといってゲーム内容は分からない。(「官途の戦い」、「赤壁の戦い」位は知ってますが・・・孔明、徐庶、超雲とか出てこないのか?)
また、通信対戦で全国の誰かと戦えるということは分かったが、感覚的に分かりやすいものではない。


【ゲーセンの歴史】

かつてゲーセンとは、「インベーダーゲーム」に代表されるようなシューティングゲームが代表格であった。自分は、「ゼビウス」、「グラディウス」、「1942」「ツインビー」などが懐かしい世代だ。よく後ろから、うまいヤツがボスを倒すのを見ていたものだ。

次に「ストリートファイター2」など格闘ゲームの時代となり、落ちモノの「ぷよぷよ」もあわせ「対戦」という「人」対「人」の要素が加わった。そして、「DDR」こと「ダンスダンスレボリューション」など、音ゲーも、パフォーマンスを見せるという新要素を加え、一つの時代を築いた。

それ以降は正直よく分からないが、見ていれば理解できないことはなかった。そう、これまでの時代アーケードゲームとは、外から見ていても、何をやっているか分かりやすく、初心者にも優しい、取っつきやすさのあるものだったのだ。


【よりディープに、リピーター型に】

本当に久しぶりにゲーセンに行った感想としては、「三国志大戦」など、初心者にはさっぱり分からない、取っつきにくい世界になっていたのだ。ガンダムの「戦場の絆」http://www.gundam-kizuna.jp/index2.html だって、通信ゲームらしいが、何をやっているのか分かりにくいことでは近いかもしれない。(分からないのは年のせいか?)

そこでまた違う要素に着目してみると、ゲームの単価が300円~500円などと高く、かつユーザーが比較的長時間滞在している感じなのだ。「三国志大戦」では、プレイが終わると新しいカードが手に入るらしく、手に入りにくいレアなカードもあり、カードコレクションの要素も併せ持っている。そう、単価は高くてもリピートを生む構造になっているらしい。

総じて、今のゲームセンターは「ディープ、長時間滞在、高額、リピーターを生む」といった方向性にあるように思えるのだ。

「ゲーム人口は少なくとも、一人がたくさん払ってくれればいい」というリピーター重視型に変わりつつあるように思える。間口を広げるのではなく、「囲い込み」による利益確保を目指しているといっていいかもしれない。

また、進化が進む家庭用ゲーム機、ポータブルゲーム機との差別化という意味でも、その方向性は正しいように思える。

「万人向け」のビジネスが、より一層成り立ちにくい状況になっている今、ターゲットを定め、そこから強い支持を得る戦略がさらに重要になっていくかもしれない。

昨日深夜にここのブログへの書き込みを行った・・・はずだった。

しかし、どうしたことか書き込みは失敗し、1時間くらいかけて書いた中身は全て白紙となってしまったようだ。

かなりショックである。Firefoxで書きこんだからだろうか・・?



さて、そこで考えたのだが、例え自分のせいであっても、こういった失敗は利用の意欲をそいでしまうものであり、ブログの運営サイドにとっても歓迎すべきことではないはずだ。そうであれば、ユーザーの失敗救済のために、ちょっとしたメッセージなどがあってもいいのではないだろうか?


字数が多いとバックアップを取るようメッセージが出るとか、その程度のことで良いと思う。変な話、それでもバックアップを取らずに書き込みが消えた場合、ブログ運営サイドは配慮していたのに、ユーザーがミスったということがより明確になるので、あきらめもつきやすいはずだ。


もちろん、メッセージが過剰になるとそれはそれでうるさいので、かえってない方が良い場合もあるのだが、「エレベーターがどこの階にいる」、「高速道路がどこで何キロ渋滞」、「電車が遅れて今どこ駅にいる」「今何番目のかたを受付しています」といった案内のように、ちょっとした案内があるだけで気持ちが少し落ち着くこともある。イライラを少しマシにする効果だ。


「満足度向上」などというと、本格的に色々な点を改善する必要があると思ってしまいがちだが、案外ちょっとしたメッセージや配慮で利用者の受け止め方が変わってくることも多い。


などと、失敗をネタにブログを書いてみたことで、少し気分が収まった(笑)。

「消費者視点」、「生活者視点」、「ユーザー視点」といった言葉を聞いたことはないだろうか?

これは、「提供者の論理でモノを考えずに、利用する側の視点でモノを考えろ!」という考え方で、「提供しやすいものではなく、使う側のベネフィットを出発点として考えないと、的はずれなものを作ってしまう。」という陥りやすいミスを戒めるものといえる。

「じゃあ、生活者視点に立てばいいんだ」…と、ここまでは誰でもすぐに納得できる話であり、「自分ならどういう製品/サービスが欲しいんだろうか?、どうだと嬉しいんだろうか?」と発想を広げていくのだ。

しかし、ここに盲点がある。


【生活者視点の盲点とは】

今の生活者は一つにくくるのが極めて難しく、自分の視点だけで考えると多かれ少なかれ偏ってしまうはずなのだ。
自分を例にとると、30代男性、東京の会社に勤務し、平日は残業が多く、一応土日休み。仕事柄ITネタなどどちらかというと知識がある方だ。さて、これだけでも既に偏りがあることが分かる。この視点で考えると、たぶん市場を読み間違える。

具体的に言うと、以下のような偏りが考えられる。

(1)男性なので、女性とはものの感じ方が違う可能性あり。
(2)高い年代や若年層と価値観が異なる可能性あり。自分の年令は「アンチバブル」思想が強いのだ。
(3)東京勤務なので、自動車で職場に向かう地域の人とライフスタイルが異なる。
(4)夕方5時や6時に仕事が終わる人とライフスタイルが異なる。アフターファイブって何?という寂しい日常。
(5)美容師さんなど、平日に休みがある人とはライフスタイルが異なる。休みに行くと大体どこでも混んでいる。
(6)専業主婦、学生(?)など、平日昼間に自由になる時間がある人の行動パターンがぴんとこない。
(7)ITネタなんて、知らない人は全く知らない世界である。大体「ハイビジョン」「VGA」とかいっても普通は理解できない。

そうなのだ、生活者視点で考えること自体は大正解なのだが、「自分というメガネ、モノサシ」でモノを見ていることを決して忘れてはならない。

ここからが大事な点である。つまり、自分とターゲットとする生活者の偏りを補正していくのだ。


【自分とターゲット層の偏りの補正】

具体的には、周りの人に話を聞いたり、新聞や雑誌をみてみたり、街をぶらついたときに人の行動を観察してみたり、ブログや掲示板をみてみたり、調査を通じて人の意見に接してみたり…そういったことを繰り返していく中で、「こういう人なら、こう考えるだろう、こう感じるだろう」というパターンを自分の中に築いていく。

今の若い男性なら、車にはほとんど興味がなく、自分のステータスというか自己主張はファッションで表すのではないか。また、最新のIT機器を持っていることにも、詳しいことにもステータス性はなく、むしろスマートに機器やサービスを必要なところだけ使いこなすことを重視しているのではないか?多少オタクっぽさはあるが、昔のオタクほどのこだわりはなく、人生かけていない。

…といった具合だ。(たいそうなことを言って、実は外れてたらゴメンナサイ。)
基本的に、「自分とは違う発想、価値観を持っているはず。」という視点で考えることが大事だろう。

【男女の差】

もう一つ面白いのが、男性は若い頃に出来た価値観や習慣を、そのまま引っ張って行きやすい傾向があり、女性はそれが弱いため、これも理解のために利用できる。

私も含め、男性の上の世代の人は、「車はマニュアルがかっこいい!」「ひげを剃ったらアフターシェーブローションは必須だ!」とか、こだわりがあると思う。若い世代ならば、ファッション、ライフスタイル面にこだわりがありそうだ。男性はこの手が使えるのだ。
逆に女性は、男性よりミーハー気質が高い(流行に敏感である)ことと、結婚・出産などライフスタイル変化の影響が大きいため、男性ほど単純にはいかない。その分、今の時代を理解しておくことが重要なのだろう。(これ以上書くと、きっとボロが出るのでやめときます。)

【つまり】

ここまでおおまかにしかに述べていないが、とにかく、「自分が欲しいと思うモノ・サービスを作ること」も決して悪いことではない。しかし、それだけでは十分とは言えない。「ターゲット層ならどう考えそうか、何があると嬉しいと思うのか?どういうメッセージを投げるとグッと来るのか?」という思考を身につけ、そのパターンをたくさん持つことが大事なのだ。

偉そうなことを述べてきたが、自分もまだ想像できる生活者のパターンが多いとは言えないので、まだまだ精進が必要だろう。