「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」 -3ページ目

「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」

潜在意識の働きで、あなたは「スーパーなあなた」になるのです。そのための素材・方法も実はあなたの手元にすでに多くあります。ここでは、あなたがそれを見出し、活用するお手伝いをいたします。胎児(あなた)は、胎児(あなた)の夢により進化します。

懐中温泉です、

 

歴史シミュレーションその39

 

 

石山に届く「北陸」と「中国」の噂

 

本願寺光佐(こうさ)は、本堂の一角に

座していた。

 


前には灯火が並び、香の煙が静かに

立ち上る。

 

「九頭竜川にて、
 

上杉殿が信長を退かせたと聞く」

 

光佐の言葉に、側の僧が頷いた。

 

「はい。
 

 

越前にて一度押し返し、
 

北陸の地を上杉の旗のもとにまとめ

つつある由。

 

 また、中国では毛利殿が、
 

山陽・山陰・水軍の三道より京を

窺っておられます」

 

光佐は、灯火を見つめた。

 

「信長は、寺を焼き、仏を壊し、

 門徒を散らしながら、
 

なお『新しき秩序』を作らんとしておる。

 

 その秩序の下では、石山もまた、
 

いずれ『焼かれるべき古きもの』

と見なされる」

 

灯火が微かに揺れた。

 

「しかし今、天下の空には、
 

別の灯火が三つ見えておる」

 

光佐は、指を三つ立てた。

 

「一つは、北陸の上杉殿。
 

一つは、中国の毛利殿。
 

一つは、石山の本願寺。

 

 この三つの灯火が、
 

信長の大きな火とは別に、
 

静かに燃え続けている」

 

僧は、静かに息を呑んだ。

 

「殿(光佐)にとって、
 

上杉と毛利は、
いかなる灯火に見えまするか」

 

「上杉は、『義』の灯だ。

 

 仏法・正法を中心とする秩序を掲げ、
 

足利将軍家の名の下に、
 

国を整えようとしている。

 

 毛利は、 

『守り』の灯だ。

 

 中国・山陽・山陰にて、
 

古き寺社と民の暮らしを、
 

戦と和を交えながら守っている。

 

 石山は―― 『信』の灯だ」

 

光佐は、自らの胸を軽く押さえた。

 

「信長に焼かれようとも、
 

石山は『信』を失わぬ。

 

 その信がある限り、
 

上杉の義も、
毛利の守りも、
 

どこかで仏法と結びつく道を持ち続ける」

 

「天下二分」の座から見た信長

 

石山の回廊を、若い門徒が走ってきた。

 

「九頭竜川にて、
 

京にて噂が変わりつつある、との

知らせにございます!」

 

光佐は、その門徒を座に入れた。

 

「申してみよ」

 

「は。

 

 京の座敷にて、

 


 これまで『信長様の天下』とだけ言われて

いたものが、近頃は『北陸の上杉』

『中国の毛利』『摂津の本願寺』と、三つの

名を添えて語られるようになっております。

                                                            

 朝廷の公家の中にも、
 

『織田に任せれば乱は少ない』と申す者と、
 

『上杉・毛利・本願寺もまた乱を治め得る』

と申す者が、分かれ始めた由にございます」

 

光佐は、目を閉じた。

 

「天下が二つに割れる、という噂は、
 

京の座敷でも聞こえ始めておるか」

 

「はい。

 

 『東の上杉、西の織田』。


 あるいは、
『仏法の上杉と毛利、武の信長』。

 

 そうした言葉が、人々の口に上る

ようになっていると」

 

光佐は、灯火を見つめ直した。

 

「信長は、九頭竜川で一度退いた。

 

 それにより、天下は一度、『二つの灯』

を持つようになった。

 

 その上に、石山の灯がある」

 

光佐の声は、静かであった。

 

「石山は、天下を奪うための灯ではない。

 

 天下が誰のものとなろうとも、
 

人々が仏にすがる場所を残すため

の灯だ。

 

 しかし、今は一度、『天下二分』の場

から信長を問い続ける役も、
 

石山は担わねばならぬ」

 

僧は、深く頭を下げた。

 

「殿は、信長に対して、どのような形で

問い続けるおつもりにございますか」

 

「焼かれながら問う」

 

 

ご精読ありがとうございました。

 

懐中温泉