「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」 -17ページ目

「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」

潜在意識の働きで、あなたは「スーパーなあなた」になるのです。そのための素材・方法も実はあなたの手元にすでに多くあります。ここでは、あなたがそれを見出し、活用するお手伝いをいたします。胎児(あなた)は、胎児(あなた)の夢により進化します。

懐中温泉です、

 

歴史シミュレーションその26

 

 

光秀が、静かに言葉を添えた。

 

「すなわち、九頭竜川後の“織田政権の

再定義”とは

 

 一、畿内・東海を中心とする防衛的な

天下の芯を固めること。

 


 二、そのうえで、東国・北陸に対する

攻勢の時機を見極めること。

 


 三、その両方をやりながら、『信長公の夢』

と『織田家の務め』の間の釣り合いを

取り続けること。

 

 この三つをどう保ち続けるか、ということ

にございましょうか」

 

信長は、光秀の言葉に目を細めた。

 

「相変わらず、言葉を整えて言う男だ」

 

わずかに笑みを浮かべ、そしてすぐに

真顔に戻る。

 

「よい。


 九頭竜川で負けたことを、
 

織田の恥とだけ思うつもりはない。

 

 あそこで一度退いたからこそ、
 

『守るべき天下』と『攻めるべき天下』

の境が見えた。

 

 その境を忘れぬ者だけが、
 

次の戦で笑うことができる」

 

琵琶湖の水面に、薄い光が広がっていた。

 

九頭竜川の敗戦は、
織田信長にとって

「終わり」ではなく、
自らの政と夢を

二重に抱えたまま、
天下のかたちを描き直す

契機となっていた。

 

その描き直された地図の先に、


やがて上杉謙信との「第二の激突」が

待っていることを、この時の信長も、

光秀も、薄々感じ始めていたのである。

 

第十二話 北陸に「国」を立てる

 

九頭竜川の戦いが終わったあと、

越前の空にも、ようやく晴れ間が

見え始めていた。

 


ぬかるんでいた地面は少しずつ乾き、

倒れた槍や旗は片づけられ、代わりに

仮の柵や掘立小屋が並び始めている。

 

上杉謙信は、その一つの丘の上から、

越前北部の平野を見下ろしていた。

 

「ここを、ただの“勝ち残った戦場”で

終わらせるわけにはいかぬな」

 

呟きは、風に溶けるように小さかった。

 

九頭竜川で織田を押し返したのは

事実である。

 


だが、それはまだ「一度押した」に

過ぎぬ。

 


ここ越前を足場として固めねば、


上杉の北陸支配は砂の城のように

崩れ去ることになる。

 

一揆と「義」の線引き

 

丘のふもとには、一向一揆の旗が

いくつも翻っていた。

 


念仏旗の下に集う人々は、粗末な鎧と

槍を持ち、中には鉄砲を抱えた者も

いる。

 

謙信は、彼らの代表を陣に招いた。

 

「越前・加賀の一揆衆、努めて織田に

抗してきたこと、その志、理解しておる」

 

僧形の男が、慎重な目つきで謙信を見た。

 

「我らは、信長の焼き討ちと年貢の重さに

耐えかね、立ち上がったのみ。

 


 上杉殿が義を掲げて北陸へおいでに

なったゆえ、こうして刃を並べることと

相成った」

 

謙信は頷いた。

 

「では問う。
 そなたらの目的は、

『信長を討つこと』か、
 それとも、

『この地に仏法と暮らしを

保つこと』か」

 

僧は、わずかに眉を動かした。

 

「……信長を討てば、暮らしは良くなる。
 

そう信じて戦ってきたが」

 

「信長が退いたあとの地を、
 

誰がどう治めるかを考えておらぬなら、
 

それは半分の戦でしかない」

 

謙信の声は厳しくも、冷たくはなかった。

 

「我らは、足利将軍家のもと、
 

仏法・正法を中心とした秩序を立て

直さんとしておる。

 


 そのためには、
 ただ『織田を憎む』

だけでは足りぬ。

 

 村を焼けば、仏も住まず。


 田を荒らせば、施しを受ける民もおらぬ」

 

幾人かの一揆側の者が、互いに視線を

交わした。

 

「では、上杉殿は、我らに『刃を収めよ』と

申されるか」

 

「刃を収めよ、とは言わぬ。
 ただし、

『刃を向ける先』を選べと言う」

 

謙信は、越前の地図を広げた。

 

「ここに、織田と結んだままの城がある。


 ここには、農民を苛む土豪がいる。

 

 こうしたところには、一揆の刃を向けても

よい。


 しかし、すでに上杉に帰順した城、
 

年貢と役を改めようとしている村には、
 

刃を向けてはならぬ」

 

僧は、地図を覗き込んだ。

 

「上杉殿は、一揆を『兵』として使う

おつもりか」

 

「兵として使う。


 だが同時に、
 『この地の秩序を共に作る者』として

扱うつもりでもある」

 

 
ご精読ありがとうございました。
 
懐中温泉