機関小屋の外にて | 「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」

「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」

潜在意識の働きで、あなたは「スーパーなあなた」になるのです。そのための素材・方法も実はあなたの手元にすでに多くあります。ここでは、あなたがそれを見出し、活用するお手伝いをいたします。胎児(あなた)は、胎児(あなた)の夢により進化します。

懐中温泉です、

 

蒸気機関物語―それぞれの幸福―42

 

 

機関小屋の外に、人が集まっている。

 

全員が発明を見に来たわけではない。

 

ある者は仕事を待っている。

ある者は、炭鉱主に呼ばれた。

ある者は、火の扱いを任された。

 

ある者は、ただ新しい機械が壊れたとき、

すぐに修理できるよう近くにいる。

 

大きな梁が、頭の上にある。

 

木と鉄でできた、巨大な腕のような梁

です。

 

一方は機関へ。

もう一方は、坑道の奥へ。

 

梁が止まっているあいだ、坑道の水も、

どこかでじっと待っているように見える。

 

火夫が炉を見た。

蒸気が上がる。

 

弁が開かれる。

機関のなかへ蒸気が入る。

 

少しの間がある。

 

次に、冷たい水が入る。

しゅっ、と音がする。

 

そして。

梁が下がる。

 

それは、劇場の幕が上がるような動きでは

ありません。

 

大きな音とともに、重いものが、ようやく

自分の重さを思い出したように動く。

 

ぎい。

 

どん。

 

梁の反対側が上がる。

 

坑道へ続くポンプ棒が引かれる。

 

地面の下で、水が押される。

 

「もう一度」

誰かが言う。

 

機関は次の一往復を始める。

 

蒸気が入る。

蒸気が冷やされる。

空気がピストンを押す。

梁が動く。

 

地下の水が上がる。

 

もう一度。

さらに、もう一度。

 

最初の数回では、誰も安心しない。

 

機械は動き始めたばかりです。

 

火が安定するか。

弁はもつか。

管は漏れないか。

木の梁は耐えるか。

 

水は本当に下がるか。

 

そして、いちばん大切なことは、夕方まで動くか。

 

明日も動くか。

 

 

ご精読ありがとうございました。

 

懐中温泉