少しだけ贅沢を | 「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」

「中年の危機」に陥った、ごく普通の50代男性が、3日・2週間・1ヶ月の3段階で人生をやり直す、潜在意識活用システム 真「幸せの時間」

潜在意識の働きで、あなたは「スーパーなあなた」になるのです。そのための素材・方法も実はあなたの手元にすでに多くあります。ここでは、あなたがそれを見出し、活用するお手伝いをいたします。胎児(あなた)は、胎児(あなた)の夢により進化します。

懐中温泉です、

 

道後湯治第四日目中盤

 

 

「有馬は“山で身体を作り変える場所”で、

道後は“町で身体の調整を続ける場所”

って感じなのかな。」

 

佐和の言葉に、結はうなずきました。

 

「どちらも湯治だけれど、求めているものが

少し違うのかもしれない。」

 

昼:軽く湯に触れてからの食事

 

午前中は湯なしで過ごしたものの、昼前には

、二人とも「少しだけ湯に触れておきたい」

という気持ちになりました。

 

「じゃあ、お昼の前に椿の湯に寄ろうか。」

 

「うん。短く入って、“湯のリセット”をしてから

食べよう。」

 

椿の湯は、前日と同じように、淡々とした

日常の空気に満ちていました。

 

身体を洗ってから肩まで浸かると、四日目にも

なると、湯の温度や肌触りが「自分の身体

のほうに合わせてくれている」ようにさえ

感じられます。

 

「朝湯なしで来ると、湯の違いがよくわかるね。」

 

結はそう言いながら、湯の中の自分の腕を

撫でました。

 

「どう違う?」

 

「今日の湯は、“身体を起こす”というより、

“午前中に使った身体をならす”感じかな。」

 

「なるほど。起床ボタンじゃなくて、リセット

ボタン。」

 

佐和の言葉に、結は小さく笑いました。

 

湯から上がると、二人は近くの食堂で簡単な

定食を一つ取り分けました。

 

この日は、焼き魚と小鉢が中心の膳にして

もらい、ご飯はやはり少なめでお願いしました。

 

「湯治三日目までは、“湯に慣れる期間”。

 

四日目からは、“湯と歩きと食のバランス”を

見直す期間、という感じがする。」

 

結がそう言うと、佐和は、「それをノートに

書いておくと、次回来たときの役に立ちそうね」

とうなずきました。

 

午後:鏡の前の「細部」に目を向ける

 

午後は宿に戻り、結は少し長めに鏡の前に

立つことにしました。

 

洗面台の明かりの下で、自分の顔をじっと

観察します。

 

頬の赤みは、三日目と大きくは変わって

いませんが、鼻筋から頬にかけての色の

つながりが滑らかになっています。

 

目の下のくまは、もはや「一つの塊」ではなく、

うっすらと色が濃い帯のような存在になって

いました。

 

何より違うのは、「表情をつくるときの筋肉の

動き」です。

 

眉を少し上げたり、口角を上げたりしたとき、

額や口元に無理な力が入らず、「動かしたい

ところだけ」が動いてくれる感覚がありました。

 

「顔の筋肉が、“省エネモード”から“適正モード”

に戻ってきた感じがする。」

 

結はそんな言葉をノートに書きながら、自分

でも少し笑いました。

 

肌の手触りも変わっています。

 

手の甲で頬を撫でると、三日前の「ざらざらと

した引っかかり」がほとんどなく、指がすっと

滑ります。

 

すねのあたりも粉を吹く気配はなく、保湿を

軽くするだけで落ち着いていました。

 

佐和も隣で鏡を覗き込み、「私は目尻の乾きが

だいぶマシになってる」と言いました。

 

「笑いじわはそのままだけど、そこが“割れ目”

じゃなくて、“線”に戻った感じ。」

 

「いいね、その表現。」

 

二人は鏡越しに笑い合いました。

 

夕:四日目にして「少し贅沢」をするかどうか

 

夕方、湯にどう入るかを相談する時間になり

ました。

 

「四日目だし、少しだけ贅沢をしてもいいけどね。」

 

佐和が言いました。

 

「例えば?」

 

「本館に行って、上の階の休憩室でお茶でも

飲みながら湯上がりを過ごすとか。」

 

結は少し考えました。

 

「有馬の十六日目みたいに、“一度だけの贅沢”

を七日間のどこかに入れるとしたら、きょうか

五日目かもしれないね。」

 

「きょうの身体の感じだと、行けそう?」

 

「うん。朝は湯なしで、昼は軽く。

脚も頭も今は落ち着いているから、夕方に

一度だけ“贅沢な湯”を挟むのはありだと思う。」

 

二人はそう決め、本館へ向かいました。

 

 
ご精読ありがとうございました。
 
懐中温泉