懐中温泉です、
ご質問をいただきました。
「プロジェクト申請をしようと思いますが、お話
によれば今は近未来社会なので、申請書の審査
方法も変わっているのではないかと思います。
どのような対策がありますか。」
確かに、わたしたちはすでに近未来社会に来て
います。
近いけれども未だに来ないはずだった。
ある日
いつか
そのうちまた機会があったら
のその機会があるようになりそのいつか、その
ある日がすでに来てしまっています。
また、この近未来社会ではテクノロジー・科学
技術の進展が著しく、日進月歩で進んでいる。
とりわけAI（人工知能）の発達は顕著です。
今後はそうした申請書の審査なども、かなりAIが
関与するようにはなると思いますが、それはこれ
まで人間がおこなっていたものを代行する
だいたい同じようなものになってくれば、大量処理
という必要がでてきて、その処理に用いられる
そうした可能性は否定できませんし、これもすでに
相当程度進んでいることでしょう。
しかし、だからこそ、審査の本質は変わらない。
そう考えた方がよい。
そのため、以下はいまだに通用すると思います。
プロジェクトの申請書とは、言うなれば、審査委員
というお客さまにお送りするセールス・レター。
セールスという言葉があまりよくないとすれば、
ずばりラブレター。
ただ、この場合、とくに相手があなたとまったく
面識がない、という特殊な事態です。
しかし、こちらの言わんとすることを理解してもらい、
とくに情熱をもって意を達するようにする。
ワクワクしてもらう。
これはもう手紙の文章がすべてになってきます。
届く、達意のレターでなくてはなりません。
届くというのは、相手の手元に届くだけでなく、
その気持ちにまでです。
読んで納得してもらう必要がある。
人は一般に、理解し、納得するポイントによって4つの
タイプがあるとされます。
これは近未来にあっても同じでしょう。
なぜ
何
どうやって
今すぐ
日本人の場合または世界的にも同じでしょうが、
なぜタイプが4割、何タイプが3割、どうやってが
2割、今すぐが1割とされます。
もちろん、あくまでもその比率は目安であり、また
実際にはこれらのタイプで截然と分かれるよりも、
いくつか組み合わせで出てくることも多いでしょう。
とはいえ、いずれにせよレターをお送りする相手が
これらのうちどの傾向が強いかをあらかじめ
わきまえておけば、また対処しようがある。
そして、この4つのタイプは、セールス・レターの
基本要素である
問題点
約束
証拠
オファー
であり、より詳しく言うと
緊急性のある問題点
興味深い約束
絶対的な証拠
シンプルなオファー
と、だいたいうまい具合に重なってきます。
なぜなのか、というと緊急性のある問題点だから
であり、
何か、というと興味深い約束であり、
どうやってで、絶対的な証拠を示し、
今すぐ、行動を、というのでオファーをシンプルにする。
とくに、企画書であり、申請書であっても、
たくさん書面がくる書面審査の場合、全部読む
のは審査委員にとっても大変。
だから、通常は、冒頭にその要約をつけさせる。
だいたい300字から400字くらい。
審査委員は、まずその要約を読んで、本文をきちんと
読むかどうかを決めます。
したがって、この400字で採択が決まるかどうかと
言っても過言ではありません。
そのため、ここの要約の部分は、起承転結を
つけて筋道を立てて、わかりやすくするのが
良いとされています。
幸い、この起承転結は、先の、人が納得する
ポイントおよびセールス・レターの4つの要素
と重なります。
すなわち
起ーなぜー緊急性のある問題点
承ー何ー興味深い約束
転ーどうやってー絶対的な証拠
結ー今すぐーシンプルなオファー
もちろん、強弱をつけたり、要素によっては
省いたりもありえますが、審査委員がどういう
タイプかはわからないわけですので、
どれも入れておきたい。
これは近未来社会でもまず変わらないと思います。
以上を念頭に申請書を書いてください。
