視肉考

懐中温泉です。

本ブログをご訪問いただき、
心より感謝いたします。

20年後、理想的な社会の具体像を

描いていますが、とくに食物について

どのように具体化させるかで

思案しています。

資源は無限である。

これが、20年後の理想的な社会の

基本原理であり、人々もその認識を

共有しています。

資源は無限ですので、

当然無限です。

食べても食べても

なくならない羊羹。

故杉浦茂氏の『ドロンちび丸』

という漫画に出ていました。

箱に入った羊羹を取り出し、

食べたい分だけ切って、

残りを再び箱に戻す。

箱の蓋をして、また開けてみると

お見事、羊羹は元に戻っています。

これがあれば、いくらでも

羊羹は食べ放題です。

無限食料ですね。

しかし、どうですか、

羊羹だけでは飽きてしまいますね。

この食料復元装置を使って

他のものでもできないでしょうか。

実際に、このような

無限食物があれば、

食料問題が解決されることになります。

現在でも培養する環境と太陽光とがあれば

いくらでもつくれるミドリムシ・

クロレラなどは、ほとんど

それに近いです。

もちろん、製造・加工コストが

かかりますし、それを輸送する、

というところの方が大きいでしょうか。

製造・販売を続けていこうとすれば

その分だけ利益が必要です。

したがって、原理としては

無限であっても、実際の

普及にはそれなりの費用がかかるので

その分有限となります。

また、味やイメージの

問題もありますね。

たとえば、クロレラ・ラーメン

という食品がありますが、

普通の乾式インスタント・ラーメンの

麺にクロレラを混ぜ込んだものです。

クロレラ・ミドリムシなど

微生物レベルのもので

満腹にするのはむずかしいからですね。

では、これらの無限食物で

満腹になり、しかも

飽きないものというのが、

ポイントになりそうです。

なるべくシンプルな。

そういうものはどこにあるのか。

中国の文献で

『山海経』

という本があります。

名前からすると、山や海の

動植物について書かれたものかな、と

いう感じですが、

どちらかというと妖怪図鑑、です。

それでも参考になるものが

その１つに

視肉があります。

視肉。

しにく、とよみますが、

肉芝（にくし）

という表現もあります。

どういうものかというと、

見たところは、

白っぽい一塊の肉のようです。

形は牛の肝臓のような、と

いいますが、自重で

ひしゃげていて、

スライム状と言っても良いと思います。

特徴として、

二つの小さな目があるのです。

しかし、単体として

ではなく群生しているので

その群をみると、目がたくさんついている

ように見えるわけです。

気持ち悪いですね。

しかし、目の形の模様だと気にせず

一部をちぎっても、反応はなく、

食べてみれば食べられる、という

代物です。

考えてみれば、今の私たちも

ずいぶんいろいろな味のするものを

食べているわけですね。

こんにゃく、なんてどうでしょうか。

ゆでたり、煮たりもしますが

刺身コンニャクなどは生ですしね。

慣れればいいし、それまでに

適当に薬味をつけたりすれば

いいだけのことです。

この視肉もしくは肉芝は、

生物と菌類の中間物で原質体生物に属し、

これまた、人類と一切の生物の祖先とされる

とのことです。

ミドリムシのときもそうでした。

となると、私たちの

先祖とは、ミドリムシでもあり、

この視肉・肉視でもあるのです。

ご先祖を食べる、

ということになりますね。

まあ、それはやむをえないでしょう。


ご精読ありがとうございます。

懐中温泉