コロッケ5円の助の偉業

懐中温泉です。

本ブログをご訪問いただき
心より感謝いたします。

誰もが知る通り、永遠のキャラクター

コロッケ5円の助は往年の漫画家

杉浦茂氏の漫画作品『猿飛佐助』に登場する、

忍者です。

なお、杉浦茂は、ギャグ漫画家の神様と
言われた赤塚不二夫氏に多大な影響を
与えたことで知られています。

さて、コロッケ5円の助は、豪傑を
自称し、

風体は侍の格好をしています。

顔はまさに名の通り、

コロッケ顔です。

コロッケ型の輪郭

で、日焼けをしています。

コロッケの値段が１つ

10円くらいであった

時代の作品での登場人物です。

5円としたのは、破格の

値段ということで言えば

現在の100円バーガーに

匹敵するでしょうか。

5円ではおいしくないだろう、
と猿飛佐助に言われるほどです。

彼の同僚に

うどん粉プップの助が

おり、口に忍法の巻物を

くわえている術者です。

彼は姿を消す術を持っています。

どうやって姿を消すのか。

巻物は実は空洞になっていて、
そこうどん粉をつめ、中央の
穴から空気を入れるとその圧力で
巻物の両端から勢いよくうどん粉が左右に飛び散る。

うどん粉をプップと噴出し、
あたりが白くなるので
自分の姿が隠れるというのがポイントです。

うどん粉プップの助の術は

鮮やかなのですが、コロッケ

5円の助の持ち技がなんであったのか、

ちょっと思い出せません。

豪傑なので、
なにかはできるはずですが、
実はそれは問題ではないのです。

なぜなら、彼の存在そのものが

その読者である少年達の意識に

深く潜在する威力があったからです。

ふつうなら10円のコロッケが

5円である。

すなわち、ふつうなら1つしか

買えない値段で、2つ買える。

すると、当時としては最高の

ぜいたくである、

コロッケの2枚重ね食い

が実現するのです。

なにしろ、ご飯と味噌汁

漬け物、の主食としてコロッケが

１つというのが定番であります。

１つを、ソースをかけたり

醤油をかけたり、なんとか

工夫しながら、ご飯を食べ終える

必要があります。

朝食は、コロッケの代わりに

納豆です。

以前書きましたように、

納豆原理主義というのがあり、

納豆の食べ方は無宗教である

日本人のアイデンティティをなす

したがって、きわめて個人的な

信条をなし、親子でも食い違いがあり、

その侮蔑は、そのまま人格否定となる。

だから、納豆の食べ方を巡り

ときにその有名産地である

茨城県では親子の確執・断絶

兄弟間の刃傷沙汰（にんじょうざた）に及んだりします。

気の荒い土地ということもある

でしょうが。

納豆だけならまだしも、

コロッケも同様の原理主義があり、

ソースをかける、

醤油をかける

カラシはどうする

あたためる

冷えたままでいい

手づかみがいい

はしで

ナイフとフォークで

どれをとっても、自分がいい、

自分の家ではこうする、

と信念となっている

食べ方があり、譲れません。

これも、一発触発であり、

やはり軽々に話題にするのは

禁物です。

力関係で、力の強い者が

自分の食べ方を弱い者に

押しつけたりすると、それこそ

一生恨まれたりします。

いわゆる食べ物の恨みは

恐ろしい、

からです。

そのような、飢えることはないが、

最低限の食生活においてコロッケの

2枚重ね食いというのは、圧倒的です。

食べ方としては、

もちろん箸で2枚を重ねてはさみ、

食べるのです。

2枚重ね、という人生の贅沢

に力点があり、ソースをつけるのか

しょうゆはどうか、などという諍いは

なしです。

コロッケ5円の助は、

当時の少年100万人以上の

潜在意識の奥底に永遠のコロッケの、

2枚重ねの刻印を押したのです。

だからでしょう、

ふだんあれほどカロリーや

栄養の三要素、炭水化物、

タンパク質、脂肪

体脂肪率・メタボリズム

そういったことに制約を受けており、

かつそれをこなしている、もしくは

こなそうと日々精進している人間

私のことですが（笑）、

それでもコロッケを買ったり

してしまうのです。

コロッケの威力を確認するために

ステップ１

スーパーなどで堅めの
コロッケを2枚購入する

ステップ２

家に持って帰り、
パックから取り出し、
皿にうつす。

急ぎたいなら、そのまま
食べる

ステップ３

箸とご飯を
もってくる。

余裕があれば味噌汁も用意する

ステップ４

コロッケを2枚重ねて
箸ではさみ、ご飯を食べる

これであなたも
コロッケの豪傑です。

5円の助なのです。

ご精読ありがとうございます。

懐中温泉