舌打ちとは、舌を上あごに当て、ちっと鳴らすこと

懐中温泉です。

本ブログをご訪問いただき
心より感謝いたします。

木の葉は森の中に隠す

ある意図をさまざまな物事で

目立たないようにして隠す

「チェスタトン」作戦は

順調に始動しました。

男女5名ずつの限定というのも

よかったと考えます。

翌年、またやろうぜ、と

仮称久保君あたりから
提案がありました。

その頃には、心理的に

仮称藤井さんとは

距離を置かねばならない状況に

あったのです。

クラスも違うし、彼女をも自然に誘う

催しとなると、1年の時のクラス会を

する、くらいしか思いつきません。

なによりも、私はそもそも

男女混合のパーティを催す意義を

見出せませんでした。

差しあたり、周囲の男子と

話しているうちに、

参加者が15名ほどになりました。

男子だけですので、

高校生レベルとは言え

野放図な状況です。

喫煙者は招待していなかったので

（修学旅行で、誰が喫煙者かは

わかっていました）、

飲酒にとどまりました。

例によって、仮称久保君は

お祖母さんの店からか18禁の

雑誌を数冊土産に
持参していました。

時代物作品の得意な

ケン月影氏の作品集などです。

ちなみにケン月影氏は、現代物でも

「色欲妻と義父の秘事」

など、男女の色情の陰翳を描くのに

巧みです。

しかし、やはり彼の真骨頂は

今でもコンビニエンスストアなど

で売られているように、
時代物と言えるでしょう。

もっとも、
われわれにピンとくるのは、

明るいタッチの福原秀美氏の作品

でした。

『スキスキ天使』など

エッチな女子高生

モモエちゃんシリーズが

受け入れやすかったのです。

「そろそろ危険が
あぶない雰囲気ね...」

「あ～、やっぱり～.♨」

といったお決まりの展開が
わかりやすかったのです。

他方、それらの作品に

接すれば接するほど、

現実の同級生女子とのギャップが

大きくなるのでした。

全く別世界でした。

夜明かしし、

始発電車で帰る友人達を

駅まで歩いて送っていった後、

午前5時過ぎだったでしょうか。

生まれて初めての徹夜です。

徹夜で麻雀、などと

誇らしげに言う人がいるが

それこそ時間の浪費でしかないな

そんな風に感じながら

残されてあったケン月影特集号を

いささか空しい気持ちで

ぱらぱらめくっていました。

江戸時代の遊女屋を舞台に

女郎2人が

愛し合う話です。

その催しものは

前年度にくらべて、

創造的ではありませんでした。

野球にたとえれば

消化試合でしか

なかったからです。

前年度のクリスマス・パーティ

の記憶を人々の間で

曖昧にするためだったからです。

すなわち、

「チェスタトン」作戦は

まだ続いていたのです。

周囲の環境と人々を

森林と化させ、

木の葉としての

ある意図を隠す

母親には雑煮を含め

10人分のクリスマス関係の

食事を用意させ、父親の同僚の娘をも

巻き込む

必ずしも私が望んだことでも

なかったのですが、この作戦は

舞台設定が勝負ですので、そこに

あらゆるエネルギーが注がれました。

「ごく目立たないように」

隠密とは言わないまでも

これを合い言葉に

10人はパーティ案を練りました。

わざわざ学校の図書館内にある

会議室を借りて打ち合わせ会を

開いたほどです。

その会合の連絡も、小紙片で

回覧させました。

雰囲気は、次第に秘密のパーティ

の感じになっていきました。

もちろん、完全な秘密でも

ないのですが、参加者である

近所に住む友人が不用意に「乱交パーティだ」

などと冗談を言うくらいでした。

彼とは中学校も異なりました。

彼の中学校のそばには、18禁の

雑誌の供給源である林で、あまり

良質のところがなかったようです。

松竹梅でいえば、
せいぜいが竹林で、

程度の低い雑誌を入手していたに

違いないのです。

当時の上物は海岸沿いの
松林で見つかる、というのが
あたりの中学生男子の
常識でした。

『どうも丘中の人間は下品で困る』

私は、彼の、そうした程度の低い

雑誌から仕入れたとしか思えない

不用意な発言に、

心中舌打ちをしました。

舌打ち、とは、
舌を上あごに当てて、
ちっと鳴らすこと
です。

もちろん、

舌を自分の手で打ったり

することではなく、

「ちっ」と言うことです。

世の中にはこの舌打ちができる

人とそうでない人がいます。

ウィンクができる人と

そうでない人がいるのと
同じように。

だいたい、この男は
「帆船」を
だしぬけに「ほぶね」と
読むなどするのです。

言葉への認識で
欠けるところがあると
言わざるをえません。

私は、その会合で、この催しは
「クリスマスの集い」である
と参加者全員に
言い聞かせたのでした。

思い出しましたが、
私は、最初の電撃作戦のあと、
何かの口実を作っては
彼女の自宅に電話をしていたのです。

そして、学校で、
「あんまり家に電話しないで」
と彼女に言われていたのでした。

そういう対応もあったので、
グループ交際の王道として
集い（パーティ）の開催と
なったのです。

せっかく、穏やかに
この無限に有限な条件を
クリアしようとしているのに。

そういう不穏当で、
不当な発言は困る。

今一度、

パーティではない、
集いだと、その会合でも
繰り返すのでした。

あなたはもちろん、
ご存じだったでしょうが、
舌打ちについて、よく知らない人に
教えてあげましょう。

舌打ちをするために

ステップ１

いらだちやいまいましさの
感情を抱く

ステップ２

舌を上あごに当てて、
「ちっ」
と鳴らす

確かに、いまいましさを
表現するのにこれほど的確な
動作もありません。

さあ、あなたも舌打ちを
しましょう！

存分に

心ゆくまで

ご精読ありがとうございます。

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