最近、少しだけ嬉しい出来事がありました。
85歳の母のことです。
母は長年、高血圧に悩んできました。
お薬を飲んでいても、血圧計には140や150という数字が並ぶことが多くて。
娘としては、どこかいつも心配がついて回ります。
年齢を重ねるということは、安心よりも「気にかける」が増えていくことなのかも。
そんな母の血圧を、ある日ふと見たら――108。
思わず、見間違いかと思うくらいの数値。
「最近、調子よさそうだね」と声をかけると、
母は少し照れたように、
「あなたのごはん食べてるからじゃない?」
と笑いました。
その言葉が、なんだか胸に残りました。
特別な料理を作っているわけではありません。
旬の野菜を使って、
彩りをほんの少し意識する。
毎日の食卓は、派手ではないけれど、小さな積み重ねです。
もちろん、長年支えてくださっているお医者さまや、お薬の力があってこそ。
それでも、食べることは、生きることに近い。
年齢を重ねるほど、その意味を静かに感じるようになりました。
今日の一口が、明日の元気につながっていく。
そんなことを信じたくなる日があります。
母の「美味しい」が聞けるうちは、
私はこれからも、料理を運び続けるのだと思います。
派手な親孝行ではないけれど、
こういう時間こそ、人生の大事な場面なのかも。
