6/18(土)の午後、私は北千住にいました。
そうです。「しょうがや」で「やわらか生姜焼き定食」を食うためです。
ウソです。
この日は、北千住の「家劇場」で「はらぺこてふてふ」という劇団の「ラムネの白、ビー玉の碧」という舞台があり、それに私が応援している舞台女優の中嶋岬さんが客演していたため、それを観に行くのが目的でした。
私が予約したのは14時開演のマチネ、第一回目の公演です。
私は、「家劇場」での芝居を観るのは二度目です。
一度目に北千住に来た時に「しょうがや」という店があるのを発見し、次回は絶対に食ってやる、と心に誓ったのです。
しょうがやのメニューは生姜焼き定食などの他に丼メニューもあり、生姜焼きの味を確認するためには、丼でも良さそうです。
でも、私は「生姜焼きを食べるなら定食」を信条としています。
生姜焼きをおかずにしてご飯が食べたいので「やわらか生姜焼き定食 690円」を注文します。
我ながら「丼でもいいんじゃね?」とは思うものの、丼の具として生姜焼きを食べるのと、ご飯のおかずとして生姜焼きを食べるのとでは、微妙な、でも明確な違いがあるように感じるのです。
もうひとつ。私は「生姜焼き」に対して、特別な思いを抱いています。
私は「味の好みは人それぞれ」というブログで、人によって好みの差が出やすいジャンルの食べ物を3種類上げています。
1位がスイーツ、2位がラーメン、3位が餃子です。
ある人はすごく美味いと言っても、また別の人は不味いと感じるケースが起こりやすいジャンルの食べ物、という意味です。
これに対して「生姜焼き」は「人によってイメージする理想形のバリエーションが大きく分かれる」タイプのメニューだと思っています。
言い換えると、「ここの生姜焼きは美味い」という評判を聞いて食べに行っても、自分の理想とするタイプの生姜焼きとは大きくかけ離れていて、落胆するケースが多い、ということです。
引き合いに出して申し訳無いのですが、「やよい軒」の「しょうが焼定食」を食べたことがあるでしょうか?
あれを食べて、「これは自分に取っての生姜焼きではない」と感じる人は比較的多いのではないかと思います。
他にも、周りに片栗粉がまぶされていることに違和感を感じたり、しょっぽい味と甘い味のバランスが期待と違って落胆した経験のある人も多いのではないでしょうか。
前置きが長くなりましたが、要は、「しょうがや」の「やわらか生姜焼き定食」は私のイメージにどう合っていて、どう違うのか、ということです。
そんなことを考えているうちに、「やわらか生姜焼き定食」が登場しました。
まず、見た目は私が理想とする生姜焼きとはだいぶ違います。
もう少し大きいカットのロースかバラを期待するのです。
でも、まあ見た目は二の次です。肝心なのは味です。
いざ、実食!!
ふん。ふんふん。悪くはないな。
もう少し甘味があって濃い味の方が好きだけど。
肉自体は、バラでもロースでもなく、切り落とし的な感じだな。
もう少しジューシーさが欲しいところだけど、味付け的にはご飯のおかずになるぞ。
結論的には、理想とする生姜焼きとは少々方向性が違うけど、嫌いじゃないタイプだ。
カレーメニューなんかもあるけど、この生姜焼きはカレーにも合いそうだな。
他のメニューも食べてみたくなる感じだな。北千住にはそうそう来ないけど。
まあ満足して「家劇場」に向かい、「ラムネの白、ビー玉の碧」を観劇します。
芝居を観た後、お客さんはアンケートに感想を書くのが常なのですが、私は時間を取って反芻してからでないと感想が書けないのです。自分の中で印象がまとまり切らないと言うか。
どこが良くて、どこが判らなかった。こういう工夫をしていたんだな。みたいなことを時間をかけて考えないとまとまらないのです。
なので、感想は後でお伝えすることにして、早々に劇場を後にします。
少し経って整理してからツイートしました。
限られたスペースと客席との近さを上手く使った、良い脚本と演出だったと思います
— user_sup (@user_sup) June 18, 2022
過去と現在のシーンが入れ替わりつつ、さらに過去の中では時系列も入れ替わるという、複雑な構成でしたが、衣装の色で判りやすく表現すること、2役を演じる役者を限定することで、上手く表現出来ていると感じました https://t.co/1z5PTt2cR2
芝居を観終わった後というのは、特にそれが良いものであると、しばらくその余韻で不思議な浮遊感のような感覚が残ります。
この余韻をすぐに醒ましてしまうのは勿体ないな。
どこかで一杯やって行こう。確か人気の居酒屋があったはず。
とスマホで調べて、駅の逆側の「千住の永見」にやって来ました。
シブい雰囲気の、下町チックな店です。
人気店だと見え、店内は結構いっぱいで、かろうじてカウンター席がひとつ空いていたので、そこに座ります。
あれ。メニューが無え。隣ととなりにはあるのに。
仕方なく空いているテーブル席に行ってメニューを広げ、直観を頼りに注文を決めます。
自家製ポテトサラダと千寿揚げをチョイスし、ハイボールをいただきます。
さすがに生姜焼き定食を食っていますので、そのくらいが限界です。
まずはポテサラから。
ああ。ふうん。いいな。手作り感のあるやつだ。
「おっさんならポテトサラダくらい食ったらどうだ」ってやつだ。
そして千寿揚げ。
ソフトな感じのさつま揚げですね。
甘味がある。玉ねぎかな。わさび醤油ってのもいい。
舞台の余韻を味わいつつ、下町の居酒屋の雰囲気も愉しむことが出来ました。
近くにあったら通いたいタイプの店ですね。
北千住での午後を満喫することが出来ました。
そして私は、とんかつよりも「豚ならしょうが焼き」です。
おしまい