母公堂から
来た道を少し戻ったら場所に
山入りの場所がありました。
洞川の赤井五大松という方が
ノミとツルハシで
一人で切り拓いたという
五大松新道への登山口(889m)
いよいよです。
山先達を先頭に15名が続きます。
真ん中に山先達が入り、しんがりに
連合会の先達がついて下さいます。
完璧な隊列です。
足に自信のない人ほど前に行く方が
楽に上がれます。
前に、前にとおすすめされても
『先頭は早くて自分のペースで上がれない』
とおっしゃっる方もいて
先達も最初のペース掴みが難しかったようでした。
先頭の山先達も、ペースが早くて
真ん中の山先達がなん度も早すぎると
言いに行くのですが、
先頭の山先達はなかなかペースが落ちません。
今回は1時間早めの出立なので
『時間は十分だからゆっくり目でお願いします。
と、前もって伝えといたのに、』と。
けど、これはこれで
いい修行をさせていただけますから
ウェルカム
山に入って最初の2時間くらいが
とにかく足場が悪くて、急勾配が続くエリアです。
休憩もしっかり取ってくれるのですが、
そろそろいきますか!
大丈夫ですか?
のタイミングが若干ずつ早め
みんな、『はい!大丈夫です!』
と、くらいついていきます。
私も、必死です。文字通り。🤣
昨年末の二ヶ月にわたる喘息で
肺が縮んでしまい、
とにかく息が十分に吸い込めず
顎が上がります。
吐き切ることを意識して呼吸します。
自分の呼吸の音が山に響いているように感じます。
まだ継続治療中なんで…
そこから、いよいよ掛け念仏が始まりました。
…ひぃー
山先達の『慚〜愧懺悔〜』に
『六根清浄〜』と返すのですが、
みんな声が出ません。
まだ息が整ってない方が多いのと
知らない方も多かったのではないかと思います。
そんな中、
ついていくのが厳しい方が出始めます。
私もその一人ですが
リタイヤはまだ全く考えておらず
この急場を凌いで、とにかく一歩ずつ
前へ足を送れば、必ず大丈夫。と念じていました。
これまでなん度も登拝してきましたが
今回が一番厳しい登拝になる予感がします。
六根清浄の掛け念仏が言えなかったことが
これまで無いのです。
六根清浄を始めてから
リタイヤを決断した方がいらっしゃいました。
何回か登っていると
この辛い急勾配はあと少しとわかっているので
引き止めたい私たちに
山先達は
『同調圧力になりかねないので、無しです。』
『ご自身の判断が最善です。』
と、きっぱりおっしゃっいました。
『この先は自信がない。戻る決断をするなら
まだ迷惑をかけるのが少しで済む、
今しかないから。』
と、おっしゃっていました。
立派な決断だと思います。
尊重するしかありません。
しんがりの連合会の先達が同行して
下山されました。
先達は下まで送ったら
そのまま、また上がってこられました。
六根清浄。
実は思ってきた以上の
物凄い祓いや自浄の力を持つのではないかと
改めて強く感じました。
生きていく上で嫌が負うなしに
溜まってこびりついていく悪業。
それらが、重くのしかかってくる。
祓われたくないとしがみつく。
山に入り、胎内に戻り
生まれ変わるための痛み。
そんなことを初めて感じました。
だから、六根清浄が始まるとリタイアする方が
でてくるのか。
それとも、1回目の疲れのピークがくる
タイミングだから
六根清浄で踏み締める力を意識させるのか。
そんなことを考えながら
一歩一歩ずつ進みます。
足元はぐらつく浮石ばかり
木の根が張り巡らされ
とにかく、足運びに気をつけながら
ヘッドライトを頼りに進みます。
ようやく平坦な道も混じり始めた頃、
法力峠が近づいてきました。
法力峠に到着です。
短い休憩を繰り返してきましたが
ようやくここで、少し長めの休憩になります。
リュックを下ろして、座ったり
思い思いに体力回復に努めます。
残ることを決断された方から
預かって来られたラムネをみんなでいただきました。
懐かしいラムネは沁みました。
立派な布施行ですね。
ありがとうございます。
昨年は法力峠ではもう日の出を迎えていましたが
1時間早いので
まだ真っ暗闇のなかです。
トイレは無いため
『お花摘み行きたい方は言ってくださいね♪
いい場所までお連れします』
という山先達。
…そりゃ誰も行かない。
こんな真っ暗闇の中、怖すぎます。
法力峠でようやく半分と言われるのですが。
…ほんと?🤣
山頂までは修行中のため
基本的には私語禁止。
写真も撮れないので、
いただいた写真を使わせていただいています。