背が伸びる
体重が増える
足が大きくなる
また
背中が曲がる
体重が減る
皴だらけになる
それを”栄枯”と
それは”盛衰”と
人の皮を被った妖怪が言う
絶賛育ち盛りはそんな程遠い先のことなど
ほんのちょっぴりも気にすることなく
今を満喫したらいい
自認老い盛りもそんな妖怪の言うことになぞ
耳傾けてまんまと真に受けることはなく
いまだ成長続けたらいい
背が伸びる
体重が増える
足が大きくなる
また
背中が曲がる
体重が減る
皴だらけになる
それを”栄枯”と
それは”盛衰”と
人の皮を被った妖怪が言う
妖怪め
背が伸びるのが成長で
背が曲がるのが老衰だって?
それは違う
人の背が伸びるのは他でもない
人の背中には背を伸ばす生物が住んでいるからさ
そいつが成長したから人の背は伸びるのさ
人の背が曲がるのも他でもない
人の背中には背を曲げる生物も住んでいるからさ
そいつが成長したから人の背は曲がるのさ
体重の増減も
筋肉の増減も
足の大きさの変化も
皴の数の変化も
全てまるまる
それぞれの生物がそこに住んでいて
そいつが成長して変化が起きてるだけなのさ
皴が増えるその日に
妖怪の言葉でも過ぎったかね
皴の増えるいつぞやに
妖怪の言葉でも過ぎらせるつもりかね
成長が終わり老衰がはじまったという
そんな感覚でも芽生えさせるつもりかね
よくも妖怪
人々をだまくらかして
気持ち想いその熱情を手荒く削いだな
なにも
妖怪に持っていかれることはなく
過ぎらせ方なら他にもある
「皴が増えたかな
そうかそうか
ふむふむ今度は
皴を増やす生物が
体内で成長しているらしいわ」
何処まで行けども
枯衰などなく
成長一途の一存よ
人の皮を被った妖怪め
お前の言葉のまやかしに
騙されさえしなければ
こちとら成長一途の一族よ
立ち去れ立ち去れ
しっししっし
背が伸びる
体重が増える
足が大きくなる
また
背中が曲がる
体重が減る
皴だらけになる
ふふふふふ
成長する生物が
身体の中でまた
なんか成長しはじめた