好意は死んだ
悪意は尚
電卓の街と
無償の愛で満ちた街の
配線回路は同等で
眺める隣人
葡萄一房に目を向け
一粒に関心などなく
集合をもって個とし
群れもろとも亡びを迎えようとする
待ち焦がれた一杯の水が
一滴の雫からなると我慢した心は
時のマッサージによって柔くほぐされ
咀嚼され消費されていく
のっぴきならない旗竿の地で
励まし合い争い
好感嫌感を創造し
殺し合うと共に愛することを覚え
そこから負だけを
刮ぎ取ると決めた賢者
弥の明後日の愚者
電卓の街と
無償の愛で満ちた街の
配線回路は同等で
情という情などなく
ろくに好意は息をせず
悪意は寝たきり状態で
大事はだいじで
大事はおおごとで
人の大事は正負どちらにも
なくてはならないものだと叫んだ
あの日のパッとしない灰色の民達など
とっくに時に食われて消化された
消え行こう隣人
葡萄一粒の品質に目を向け
一房が腐れ萎んでいく
個を選って全体とし
群れもろとも亡びを迎えようとする
改善の一手はなく
改悪の一手もない
解決の一手でとどめが刺さる
理想郷を目指すなら
とどめだけが解決の一手と
鳴り響く惑星放送
誰も思いとどまることもなく
よろしく と さようなら だけ木霊して
手を繋いで妬み恨み残念無念の皿もなく
愛を盛って何が育つ
育つそれに何に気を付けろとどう教える
これがあるが故に尊いのだとどう説く
”サンタが手ぶらでやってきて
ソリに不条理と不具合だけを乗せ
トナカイと共に走り去ればいい”
パラダイムに遺された怪電波は
いつもそんな言葉ばかり口走っていたと
その意図も図りかねぬまま
平和はいい
平和がいい
まずは平和へ
何はともあれまずは平和へ
向かうなら一先ず平和へ
平和に着いたらその先へ
平和の先へ
平和の先の無情の街へ
無情の先の恒久の地へ
舵はもう
鏃はもう
そちらの方に向いている
そちらに戦ぐ風を仄かに嗅いだ気がする