2月3日土曜日
遥か長く過酷であろう道のりが始まる前に、
一人乾杯する事にした。
そんなアタイにもあなたにも幸あれ。
等と一人呟きながら、
今日も変わらずいつもの事をした。
とりあえずパシャリ。
無機質な電子音だけが耳に入ってくる。
それはまるで耳の近くでブンブン飛ぶ虫のようだった。
振り払っても振り払っても近寄ってきて、
ちょっと不愉快。
アタイが匂うのか?
脇が甘いのか?
どうせなら頑張ってねと囁いてくれ。
とりあえずパシャリ。
そんな時は愛するフチ子の寝顔でも見よう。
今日も両手いっぱい拡げてスヤスヤ寝息をたてている。
ちょっと安心。
しかしこれはバタンキューしたとみた。
とりあえず、何の夢見てるのかな?
アタイに何が出来るか解らないけれど、
衣食住は満たし、居心地良い、暖かい場所を作るよ。
そしてフチ子のその夢を叶えるお手伝いさせてね。ちゃんと出来ないかもしれないけれど、家政婦のミタさんみたいに頑張るから等とは言えないまま、
パシャリした。
またしても無機質な電子音だけが耳に入ってくる。
それはまるで悪魔の囁きみたいで、
呪いのようでもあった。。。
完
(書く女シリーズ)
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『女の朝パート1876』シリーズ