DAISOで買ったイニシャルマグカップRにドン・キホーテで買った珈琲、マンデリンを注いだ。
平和だね~と思っていたらまたしてもあの時、あの瞬間の記憶が甦る。
しかし忘れ難い。
あの日は朝から何故だか血が騒いでいた。
脈も早く自棄に息苦しかった。
深夜には体力、気力も底をつき、手足の自由も殆どなかった。
暫くすると目の前がいきなり明るくなり、
その次の瞬間には音が弾け、身体が浮く。
それから心臓が跳ね、ゴーと言う轟音を聞いた。
それから闇に包まれ、それからの記憶は魑魅魍魎としている。
今は、ごぼごぼ、ばふっと言う音があり、野性的で猛々しい香りが鼻につく。
女はいつの頃からか、それに小さな女の子を添えるようになった。
睨まれる事なく、脅える事もなく、
誤魔化される事なく、煙たがれる事もなく、
闇雲に振り回される事もなく、
汚さ、無反省、低劣さとは無縁になり、
暖かさにまで包まれて女は幸せそうである。
今日は3月1日火曜日。
私はまだ大丈夫らしい。私は珈琲女。
パシャリ。
新しい月が始まった。
3月は英語でマーチ。行進するとも言う。
だから何?と続くとそれ以上の言葉は続かず、てんてんてんになって仕舞う。
点に喜びも幸福も張り合いも何もない。私には解ると一息入れる。
とりあえず糞だったと呟くと、色々がスッキリした。
しかしどこか遠くの空を独りぼっちで眺めている珈琲女の気持ちだけは今日もひしひしと伝わり、続いている模様。
今日も珈琲女は自分勝手に行進する。
歩こう🎶歩こう🎶私は、元気~!
歩くの大好きよ、どんどん歩こう~と一人陽気に歌いながら、
一体何処に向かって行進しているのか解らないふりをするけれど、
それとは裏腹に私の肉体は今日も向かう事を拒み続けて仕舞う。
自分の意思とは関係のない奥深い場所で。
形式にとらわれず、自然な形で、不可抗力さえもなない場所で。
とりあえずフチ子が引っかった。
嫌、私が引っかけた。
危険々々。いよいよ私のお出ましである。
完
(珈琲女シリーズ)
(書く女シリーズ)
(フチ子シリーズ)