5月3日月曜日。
から騒ぎした後の静けさと言ったら筆舌尽くし難い苦さと藁にも縋るような夢見心地の2つがある。
前者は、
逃がさん!絶対逃がさん!
地を這って、血を吐き、万難を排してでも、
お前だけは絶対に逃がさん。
恐怖に脅え苦渋に満ちたお前の顔を見るまで、
私は死んでも死にましぇ~ん!あなたがの事が好きだから!
とりあえず捕まえた後は地を引き摺りまわし、
これまで味わった苦しみの、その何十倍の苦しみを、
お前にも絶対味合わせてやるからな!と言わんばかりのものだ。
私は手も足も顔も出せない。
布団を頭からかぶり1人暗闇の中で朴念仁に精を出す。
ごめんなさいごめんなさい。
こんな私が悪うござんした。
あなたがそこまで嫌な想いをし、我慢させていたなんてつゆほども思ってませんでした。
後先考えない私の軽はずみな言動が全ての始まり。
本当にごめんなさい。私は頭に乗っておりました。あなたの事もどうやら見下していたようです。
どうかお許しを!!
でも好きだった事に嘘はないんです!
それだけは解ってください。
信じてください。
私は、阿呆なカラスも鳴かない位アホ。
もうそれは産まれもった才能としか言えないんです!
その才能を開花させないで何処に私の存在価値があり、生き甲斐を見いだせるのでしょうか?!
嗚呼、本当にごめんなさい。
このご恩は一生忘れません。
私の胸に深く刻み、これからは気持ち改め前進して参る所存です。
歩みは亀ように鈍く、煽り運転する人たちみたいな人たちに小突かれ、舌打ちされることも、
なきしにもあらず、なのかもしれませんが、
それは私の不徳の至りとして重く受けいれ、
飽きることなく同じことをカップのフチのように延々と繰り返し続けます。
だから今回だけはどうかお許しを!
そして後者は、、余韻である。
幸せだ、暖かいと言う確かな感触。
どちらにしても朝っぱらから聞こえた声だった。
いつもの幻聴かとは気にはしないが、
声の主は不明である。
今私の目の前にいるフチ子の声なのか、
それとも私の背後にいる珈琲女の声なのか。
どちらにしても後者の気持ちの方が強い私には、
声の主が誰だろうと、幻聴であろうとどうでも良かった。
今は1人押し黙る事しかできない夢見心地な気分に、極上の至福を感じる。
無駄に流れる穏やかな時間。
脈絡と流れる血潮。静かに音を立てる胸の鼓動。
お花畑。彩り、艶やかさ。
切り傷から鮮やかな真っ赤な血が流れてても痛くも痒くもないあの感じ。
誰の声も聞こえない。私の声も届かない。
至極当然の至りかもしれなかった。
それでもよい。きっとそれが自然だから。
から騒ぎした夜が明けても私の朝はいつも独りぼっち。
このまま孤独の海に沈む位なら誰かの手を握りたくなるとまで思って仕舞う。
握ったものが例えコップのフチでも、
例えウコンの力だったとしても。
温もりが欲しい。ただそれだけだ。