おはよーメールが嬉しいよ。
おはよー。私の愛しい女よ。
私の為に珈琲をいれてちょうだいよ。
おはよー。私の愛しい女よ。
溢れる家事も諸々終えて、
私の為に珈琲をいれてちょうだいよ。
おはよー。私の愛しい女よ。
今日も私の、私だけの、愛しい女。
6月6日土曜日。
私が食後の珈琲を飲もうと、
その準備を一人気ぜわしくしている時だった。
何処からともなく女の声が聴こえてくる。
いつもの幻聴かと、気にはしないが、
形のないそれはいつも目には見えない。
ただ、いつも目に見えないから、
いつも目に見える形が、女は欲しいのだ。
とりあえず、いつものように、
珈琲を飲む前に、聴こえた女の声を、
そのまま記録してみたのだった。
完
書く女シリーズ