いざ話そうとすると、こういうのって、、
どこから話したら良いのか解らないものね。
いや、わかってはいるんだけど、
出来ればロマンチックに、とか、
ドラマチックに伝えたいって想う、
気負いや重圧、ストレス、負担みたいのがあるせいだからなのかな、、、、。
駄目ね私。
全くいつの頃からそうなって仕舞ったのだろうね?
元々産まれ持ったものなのか、
それともこれまでの歩みにその原因があるのか、、。。
しかしそれがあったらちょっと不思議で、
考えられない事だけどね。
まぁ、どっちでも良いか、、それにどうでも良いか、、。
兎に角気負っちゃいけない事は知っている。
妄想なんてものはさ、感じたまんま伝えてゆくのが一番だからね。
真実の場合、見たまんまやったまんまを伝えれば良い訳だけれど、それってただの報告でしょ。
あっ、ちょっと待って。否定してる訳ではないのよ。
私が苦手なのよ、そういうのが。。
時と場合と相手ありきだったりするけれど、
それが純粋に好きなんだろうね。
ただ私はね、
海の満ち引きや、月の満ち欠け、サンライズ・サンセット、男と女、表と裏、光と影、
或いは山々の稜線や岩肌、或いは自律神経、或いは吸って吐く呼吸のような、、。
複雑にしても深くはなりすぎないような、
そんな話をしたいのよ。
きっと、難しい事は解りやすく、
そして解りやすい事は深くって事。
だって人間の肉体もそうでしょ。心の方は複雑みたいだけど。
あっ、ちょっと待って。
お願いだからその場から動かないで。
そしてもう少しゆっくりと珈琲を飲んで。
何故あなたはいつも、
ビールを飲むようにごくごく、ごくごく珈琲を飲むの?
まぁ、どうでもいいわね。
それは珈琲癖ってやつだろうからね。
ただ、珈琲がグラスの中に入っているちょっとの時間だけ、
あなたがそこに座って、私の話をあなたが聞いたからって、
あなたの居間での今までの生活が、今、いきなり変わる訳ではないでしょ。
いいじゃない、話したいだもん。
誰かと凄く話したい時ってあるじゃない。
私は今がその時なの。
解る?解らない?いや、解って。お願いだから。
あなたはもう知ってると思うけれど、
他の人にここの事も私の事も話したことがないのよ。
ろくに動かない私なのよ。
あなたはね、
知り合って直ぐの頃からを含め、
いつも黙って、少し嬉しそうな顔をしながら、
ずっと私の側にいて話を聞いてくれた。
私の大好きな珈琲をいつも完璧に準備し、
それ以上の事までしてくれた。
私はそこが好きなの。
どうやら私は、そこに惚れて仕舞っているみたいなの。
それって尊敬とか信頼とかにならない?
しかし、今日の天気は暑いみたいね。
だからコップのふち子達は水着姿で、
愛す珈琲なのでしょ。
5月11日月曜日。
お昼ご飯の後に飲む珈琲をグラスに注いだ瞬間から、女の声が聞こえてきた。
いつもの幻聴かと気にはしないが、
一体いつまで続くのだろうかと疑問である。
ただ、今は居間で聞いたことを書いてみただけである。
報告である。
完
書く女シリーズ
