現在、NHKBSで黒澤明没後10年ということで全30作品を放送している。
確認してみるとこれまでに9作品を観たことがあった。
この「生きものの記録」が10作品目ということになる。
本作は、原水爆の恐怖に怯えた主人公が、
資産を売却し家族全員でのブラジルの移住を目指すという話である。
しかしながら、彼のその想いは家族にも裁判所にも伝わらず、
最終的に彼は、ブラジル移住のために自らの鉄工所に火をつけ、
精神病院に入れられてしまう。
なぜ、彼の想いとまわりの考えは乖離したままなのか?彼の考えは全くの被害妄想なのか?
精神病院の医者が、本当に狂気なのは彼なのか、こんな時代に平然としていられる我々の方なのか、
と述べているが、こここそが私たちの考えないといけない点であろう。
今、核兵器という言葉を我々はいとも簡単に使ってはいないだろうか?
時にシニカルに時に笑いながら、まるでコンビニに売っている商品の一つでもあるかのように。
本当はもっと恐ろしいものであるはずなのに、我々はなぜ平然としていられるのだろうか。
