激しい夏が過ぎ、凛とした冷たく痛い冬の空気が、クリアに物事を写し出す。
ワタリガラスが、空に無数の黒点となり、浮かび上がっている。
明るみに出た自分の愚かさ、実は虚勢なんだとわかった儚い強さ、化け物と化した現実の虚しさ、、暖かな春に咲く蕾を付ける静かな息吹の力強さ。
祈れないから、一生歌っていたい。
空にメロディをつけ合って、貴方と喜び合いたい。
貴方と出会えるよう、私は準備をしないといけない。
冬は、たくさんのものを秘めて隠している。見たくないものも、尊いものも。
白に染め上げられ、土に溶かされて浄化され、清さと良いものだけが残り、生命の叫びが光を浴びて、春に一気に噴き出してくる。
私は、春が好きだー。
