心地よくて
気持ち良い
舞い上がらせてくれる音
出会ってすきになると
何度もリピートして聴くのは、癖だと思う
白い教室にひとつの教卓と並べられた机と椅子。
中央の席に弟と私が肩を並べて座っていた。
教卓にうっすらと立った誰かが、弟に問いかけた。
「君はどんな仕事に就きたいんだい?」
弟は答えた。
「図書館に勤めたいです」
「君の能力ではできませんよ」
教卓の男が答えた。
弟が何と答えるのだろうと思い、私は黙っていた。
「けれど、人数は多い方がよいと思って・・・」
弟は甲高く、弱々しい声で言った。
いかにも頭が悪そうでわけのわからない答えに〝それじゃだめだ〟と思い
弟を見た。
弟の両眼は焦点が合わずに左右を見つめ、顔面はすぼめた肩にくっ付きそうな程、急な角度に傾いて、口元は半笑いのまま動かなかった。
弟のただごとではない変貌に私は驚いて、大急ぎで母親を呼んだ。
やって来た母は弟を見て、「精神病になっている」と言った。
ま、私も大して変わらないよ。