おはようございます。
右腕型CGO/個性を強みに変えるプロ、個性心理學研究所認定講師の小嶋です。
仕事をしていると、
「これ、お願いしてもいいですか?」と自然に人を頼れる人がいる一方で、
「いや、自分でやったほうが早い。」
「説明するくらいなら、自分でやろう。」
「人に迷惑をかけたくない。」と、気づけば何でも自分で抱えてしまう人がいます。
そして面白いのは、
どちらも本人なりに「仕事をちゃんと進めよう」としているということです。
頼める人が無責任なわけでもなければ、
全部自分でやる人だけが責任感が強いわけでもありません。
実はそこには、
「人に任せる」ということをどう捉えているのかという個性の違いが表れることがあります。
「頼めない」は、能力の問題ではない
たとえば職場で、仕事がどんどん増えている人がいたとします。
周りから見ると、「誰かに頼めばいいのに。」と思うかもしれません。
でも本人の中では、
「ここまで自分がやったんだから最後までやらないと。」
「途中から頼んだら相手に悪い。」
「ちゃんと説明する時間がない。」
「任せて間違っていたら、結局自分の責任になる。」
そんな考えが巡っています。
だから、頼まない。というより、頼めない理由が、その人の中にはちゃんとあるのです。
逆に、人に仕事を任せることが得意な人は、
「得意な人にやってもらったほうがいい。」
「チームなんだから助け合えばいい。」
「自分しかできない仕事に集中しよう。」と考えているかもしれません。
同じ「仕事を任せる」という行動でも、そこに対する価値観が違うのです。
「自分でやったほうが早い」の落とし穴
特に仕事ができる人ほど、「自分でやったほうが早い」という状況は多いと思います。
これは実際、その通りなんです。
人に説明して、やり方を教えて、途中で確認して、間違っていたら修正する。
そこまで考えたら、「もう自分でやるわ。」となる気持ちもよく分かります。
ただし、ここには一つ大きな落とし穴があります。
今日だけを考えれば、自分でやったほうが早い。
でも、
半年後、1年後まで考えても、本当にそれが一番早いのでしょうか。
自分で全部やってしまえば、その仕事ができる人は増えません。
結果として、
「あの人に聞かないと分からない。」「あの人がいないと仕事が止まる。」という状態になっていきます。
これは個人事業主でも、会社でも同じです。
最初は一人でできても、仕事が増え、関わる人が増え、組織が大きくなっていけば、
どこかで必ず、「自分がやる」から「人に任せる」への転換が必要になります。
だからこそ、人に頼ることは単なる「甘え」ではありません。
仕事や組織を前に進めるために必要な力でもあるのです。
とはいえ、「何でも頼めばいい」わけでもない
ここで間違えてほしくないのは、
「じゃあ、人にどんどん頼める人が正解なんですね。」という話ではありません。
人に頼ることが得意でも、頼んだ後のフォローがなければ、相手に負担だけを渡してしまうことがあります。
「これお願い!」「こっちもお願い!」「あとよろしく!」では、任せるというより丸投げです。
反対に、
全部自分で抱える人には、責任感の強さや仕事の丁寧さがあります。
つまり大切なのは、
頼めるか、頼めないかを評価することではなく、自分がどちらに偏りやすいのかを知ること。
そして、
相手も自分と同じ感覚だと思わないことです。
個性心理學で見る「人への頼り方」
個性心理學では、人の個性を大きく、
MOON・EARTH・SUNという3つのグループから見ることができます。
もちろん、「MOONだから頼めない」「SUNだから人に頼める」と単純に決まるものではありません。
ただ、
人との関係をどう捉えるのか。
仕事を進めるときに何を大切にするのか。
その傾向を見ることで、
「なぜこの人は抱え込むんだろう?」
「なぜこの人はこんなに自然に人を頼れるんだろう?」という違いが理解しやすくなります。
今回は12タイプそれぞれの、「頼み方」と「抱え込み方」を見ていきましょう。
まずはMOONグループからです。
MOONグループ
MOONグループは、人とのつながりや安心感を大切にする傾向があります。
だからこそ、
「相手に迷惑をかけないかな。」「嫌な気持ちにさせないかな。」と考えすぎて、頼むことをためらう場合もあります。
一方で信頼関係ができている相手には、安心して頼れることもあります。
こじか
こじかタイプは、安心できる関係性を大切にします。
そのため、「この人ならお願いしても大丈夫。」と思える相手には頼れますが、
まだ関係性ができていない相手には、なかなか頼めないことがあります。
本当は困っているのに、「大丈夫です。」と言ってしまうことも。
こじかタイプに仕事を任せる側は、
いきなり「これやっておいて」ではなく、
「分からなかったらいつでも聞いてね」
と安心できる言葉を添えてあげることが大切です。
頼る側になったときも、「全部お願いする」のではなく、「ここだけ手伝ってもらえますか?」
と小さく頼むところから始めると、人に任せやすくなります。
黒ひょう
黒ひょうタイプは、スマートに仕事を進めたい気持ちが強く、
周囲からどう見られているかも意識しやすいタイプです。
そのため、
「こんなことを頼んだら、できない人だと思われるかも。」
と感じて、自分で頑張ってしまうことがあります。
特に、自分が「ちゃんとやりたい」と思っている仕事ほど、人に任せるより自分で仕上げたくなることも。
ただ、黒ひょうタイプは、
目的や役割が明確で、
「あなたにはここをお願いしたい。」
とスマートに分担できる環境では、
人と協力して進めることもできます。
「頼る=できない」ではなく、「役割を分ける=仕事ができる」と捉え直すことがポイントです。
たぬき
たぬきタイプは、経験や実績を大切にし、
一度覚えたことを着実に積み重ねていくのが得意です。
だからこそ、
長く自分が担当してきた仕事ほど、
「これは自分がやるもの。」
となりやすいところがあります。
周囲から、「それ、任せてもらって大丈夫ですよ。」と言われても、
「いやいや、これは私がやります。」と引き受けてしまう。
その結果、
気づけば昔からある仕事が全部自分に集まっている、
ということもあります。
たぬきタイプの場合は、いきなり全部手放すより、
自分のやり方を一度整理して、人に引き継げる形にすることが有効です。
経験を「自分だけのもの」にするのではなく、
「人に渡せるもの」に変えていく。
それができると、長年培った経験が組織の財産になります。
ひつじ
ひつじタイプは、周囲との調和や人間関係を大切にします。
困っている人がいれば助ける。
頼まれたら、できる限り応えようとする。
その一方で、
自分から人に頼むことは意外と苦手
ということがあります。
「忙しそうだから悪いな。」
「これくらい自分でやらないと。」
「断られたら気まずいな。」
そんなふうに周囲を気にしているうちに、
自分の仕事だけがどんどん増えてしまいます。
そして周りからは、
「何でもできる人」
「頼んだらやってくれる人」に見えてしまう。
でも本人は、内心かなり大変だったりします。
ひつじタイプに必要なのは、
「助けること」と同じくらい「助けてもらうこと」も、人間関係の一つ
だと考えること。
頼ることによって、逆に相手との信頼関係が深まることもあります。
「頼めない理由」は、人によって違う
ここまでMOONの4タイプを見ただけでも、
同じ「人に頼めない」という行動の背景が、それぞれ違うことが分かります。
安心できないから頼めない人。
できないと思われたくなくて頼めない人。
自分の仕事だと思って抱える人。
相手に迷惑をかけたくなくて頼めない人。
表面だけを見れば、全員「自分でやってしまう人」です。
でも、その理由が違えば、必要な関わり方も違います。
職場でも、「もっと人に頼ればいいのに。」の一言だけでは変わらないのは、このためです。
大切なのは、
その人がなぜ頼まないのか。
何を不安に感じているのか。
何を大切にして仕事をしているのか。
そこを見ることです。
そして後半では、
EARTHの狼・猿・虎・子守熊、SUNのチータ・ライオン・ゾウ・ペガサス
について見ていきます。
「自分でやったほうが早い」と考えやすいタイプ。
結果を出すためなら人に任せられるタイプ。
責任感から抱え込んでしまうタイプ。
そもそも「頼る」ということへの感覚が違うタイプ。
12タイプを並べてみると、
仕事を抱える理由も、人を頼る理由も、一つではない
ということが、さらに見えてきます。
EARTHグループ
続いて、EARTHグループです。
EARTHグループは、現実的な結果や自分のペースを大切にする傾向があります。
そのため、
「誰がやるのが一番効率的か」
「自分でやったほうが早いか」
「任せたほうが結果につながるか」
といった、現実的な判断から仕事の分担を考えることがあります。
ただし、その判断基準は4タイプで少しずつ違います。
狼
狼タイプは、自分なりのやり方やペースを大切にします。
そのため、人に頼むことそのものが苦手というより、
「説明するくらいなら、自分でやったほうがやりやすい」
となりやすいタイプです。
自分の頭の中では完成形が見えていても、それを人に説明することを面倒に感じることもあります。
また、途中で人に口を出されるくらいなら、一人で集中して進めたいと思うことも。
狼タイプにとって大切なのは、
「任せるために、自分のやり方を言葉にする」こと。
自分だけが分かっている方法を言語化できれば、それはマニュアルや仕組みに変えることができます。
「自分にしかできない仕事」を減らしていくことが、結果的に自分の自由な時間を増やすことにもつながります。
猿
猿タイプは、目の前のことをテンポよく進めることが得意です。
困ったときにも、
「これちょっと手伝って!」
と比較的軽やかに頼めることがあります。
一方で、
自分でやったほうが早そうなことは、その場でどんどん処理してしまう傾向も。
そのため本人は抱え込んでいるつもりがなくても、気づけば仕事量が増えていることがあります。
猿タイプの場合は、
「できるかどうか」ではなく、「自分がやる必要があるか」
を考えることがポイントです。
できるからやる。
頼まれたからやる。ではなく、
「これは本当に自分の仕事なのか?」
と一度考えるだけでも、仕事の抱え方は変わります。
虎
虎タイプは、責任感が強く、
一度「自分の仕事」と認識したものを最後までやり切ろうとする傾向があります。
周囲から、
「手伝いましょうか?」
と言われても、
「大丈夫。自分でやるから。」
と答えてしまうことも。
それは人を信用していないというより、
自分が引き受けた以上は、自分が責任を持つ
という感覚が強いからかもしれません。
ただ、立場が上がるほど、自分ですべてを抱えることには限界があります。
虎タイプにとっては、
「任せることも責任の取り方の一つ」
と考えることが大切です。
全部自分でやることだけが責任ではありません。
誰に何を任せ、最後に自分が確認するのか。
そこまで含めて責任と考えられるようになると、持ち前のリーダーシップもさらに活きてきます。
子守熊
子守熊タイプは、先のことを考えながら準備して進めることを大切にします。
そのため、
「任せて大丈夫かな?」
「もし間に合わなかったらどうしよう。」
「結局、自分が修正することになるかも。」
と先のリスクまで考えて、自分で抱えてしまうことがあります。
安心できる材料がない状態で丸ごと任せることには、不安を感じやすいのです。
そんな子守熊タイプには、
途中確認のポイントを決めてから任せる
という方法が向いています。
「全部任せる」か「全部自分でやる」かではありません。
途中で確認できる仕組みを作れば、人に任せながら安心感も保つことができます。
SUNグループ
最後はSUNグループです。
SUNグループは、自分らしさや可能性、直感を大切にする傾向があります。
人への頼り方にも、その人らしさが表れます。
チータ
チータタイプは、スピード感を持って結果へ向かいたいタイプです。
そのため、
「この人に任せたほうが早い」
と判断すれば、比較的スムーズに頼れることがあります。
反対に、説明や確認に時間がかかると感じると、
「もう自分でやる!」
となることも。
大切なのは、
短期的な速さと、長期的な速さを分けて考えること。
今日だけなら自分でやるほうが早くても、人が育てば、数か月後にはチーム全体のスピードが上がります。
チータタイプにとって「任せる」は、未来のスピードを上げるための投資でもあります。
ライオン
ライオンタイプは、責任や役割を大切にします。
「自分がやるべきことは、きちんとやる。」
という意識が強い分、簡単には人に頼らないこともあります。
特にリーダーになると、
「自分が弱音を吐いてはいけない。」
「部下に負担をかけてはいけない。」
と抱え込んでしまう場合もあります。
しかし、リーダーの役割は、すべての仕事を自分で処理することではありません。
誰に何を任せれば、チーム全体が力を発揮できるかを考えることもリーダーの仕事です。
任せることは責任放棄ではなく、相手を信頼して役割を渡すことでもあります。
ゾウ
ゾウタイプは、一度決めたことを粘り強く続けられるタイプです。
簡単に「できません」と言わず、
黙々と最後までやり抜こうとします。
だからこそ周囲が気づいたときには、
かなりの仕事を一人で抱えていることもあります。
本人としては、
「まだ大丈夫。」
「もう少しだから。」
と思っていても、周囲から見ると明らかに大変そう。
ゾウタイプには、
限界になってから頼るのではなく、
余裕があるうちに仕事を分ける習慣
が大切です。
最後までやり抜く力があるからこそ、その力を本当に自分がやるべき仕事へ使うことが重要なのです。
ペガサス
ペガサスタイプは、発想や感覚を大切にしながら動くタイプです。
自分がやりたいことには一気に集中する一方、
細かな作業やルーティンについては、
「これ、お願いしていい?」
と人に任せられることもあります。
ただし、自分の頭の中にあるイメージを十分に説明しないまま頼んでしまうと、
「思っていたものと違う」
となることも。
ペガサスタイプに必要なのは、
頼む前に「何をお願いしたいのか」を少し具体化すること。
自由な発想を活かすためにも、周囲が動きやすい形で伝えることがポイントになります。
同じ職場でも「抱え方」はこんなに違う
たとえば、イベントを開催することになったとします。
資料作成、参加者管理、会場準備、告知、当日の進行。
やることはたくさんあります。
Aさんは、
「自分が責任者だから。」と全部確認しようとします。
Bさんは、
「私は進行をやるから、参加者管理をお願い。」とすぐ役割を分けます。
するとAさんから見れば、「Bさんは簡単に人に頼むな。」と思うかもしれません。
逆にBさんから見れば、
「Aさんは、なぜ全部一人でやろうとするんだろう?」と思うかもしれません。
でも、どちらかが間違っているわけではありません。
大切にしているものが違うのです。
だから組織では、
「自分だったらこうする」を、全員の正解にしないこと。
これがとても大切になります。
「頼る力」は、組織を強くする力でもある
仕事が増えてくると、一人でできることには必ず限界がきます。
特に経営者やリーダーほど、
「自分が一番分かっているから。」
「自分でやったほうが早いから。」と抱え込みやすくなります。
でも、その状態が続くと、仕事はその人以上には広がりません。
人に任せる。
教える。
失敗も含めて経験してもらう。
そして必要なところで支える。
この繰り返しによって、
「自分しかできなかった仕事」が、「チームでできる仕事」に変わっていきます。
だから、頼ることは弱さではありません。
そして、任せることは仕事を手放すことでもありません。
人の力を借りながら、より大きな成果をつくっていく。
それも一つの仕事の能力なのです。
大切なのは「どちらが正しいか」ではなく、自分を知ること
今回見てきたように、人に頼れる人にも理由があり、全部自分でやってしまう人にも理由があります。
大切なのは、「もっと人に頼らなきゃ。」と無理に自分を変えることではありません。
まず、
自分はなぜ頼みにくいのか。
どんなことなら任せられるのか。
逆に、どんな仕事は自分で抱え込みやすいのか。
そこを知ることです。
そして同時に、一緒に働く人の個性も知る。
頼み方ひとつでも、「これお願い。」で動きやすい人もいれば、
目的や理由まで説明されたほうが動きやすい人もいます。
任せたら自由にやりたい人もいれば、
途中で確認してもらったほうが安心できる人もいます。
人が違えば、仕事の任せ方も違う。
これを知っているだけでも、職場の人間関係はずいぶん変わります。
個性心理學1DAYセミナーでは、
こうした12タイプそれぞれの違いを、仕事だけでなく、
人間関係、コミュニケーション、役割、強みなども含めて、さらに具体的にお伝えしています。
「なぜあの人とは仕事がしやすいんだろう?」
「なぜ同じことを頼んでも、人によって反応が違うんだろう?」
そんな日常の疑問にも、その人なりの「理由」が見えてくるかもしれません。
自分を知り、相手を知る。それだけで、人間関係はもっとシンプルになります。
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次回予告
次回も、第4章「仕事・組織」を続けていきます。
第12回のテーマは、「空気を読む人、読まない人」です。
会議中、
「今は言わないほうがいいな。」と周囲の雰囲気を察する人がいる一方で、
「でも、それって違いませんか?」と、その場でも自分の意見を言える人もいます。
空気を読む人は協調性があり、読まない人は自分勝手。本当にそうなのでしょうか?
実はそこにも、
周囲との関係を大切にする人、自分の考えや目的を大切にする人など、それぞれの個性
が表れていることがあります。
次回も個性心理學の視点から、
人によって違う「周囲の空気との付き合い方」について考えていきます。
どうぞお楽しみに。
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小嶋 款(こじま まこと)
個性心理學研究所 総本部認定講師
講師スキルアップ委員会委員長
株式会社ニーズコネクト代表取締役
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