おはようございます。
ニーズコネクトの小嶋です。
今回は病院勤務されている看護師さん向けのブログです。
❓こんなことありませんか
病院やクリニックで働いていると、
同じ説明をしても、すぐ納得してくれる患者さんもいれば、
なぜか不安そうに首をかしげる患者さんもいますよね。
「言っていることは同じなのに…どうして?」
そんな疑問を感じたことはありませんか?
たとえば、
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「この治療で大丈夫ですよ」と伝えて安心する人もいれば、
逆に「本当に?」と不安を強めてしまう人 -
「少し我慢してくださいね」で笑ってくれる人もいれば、表情が固まってしまう人
同じ言葉でも、相手によって受け取り方がまったく違うのは、
単なる気分やタイミングのせいだけではありません。
実はそこには、その人の“性格タイプ”による言葉の響き方の違いがあるのです。
この違いを理解して言葉を選ぶことで、患者さんの安心感や信頼感はぐっと高まります。
そこで今回は、私が現場で役立てている「個性心理學」を使って、
タイプ別に「響く言葉」と「響かない言葉」の違いをお伝えします。
では、その“性格タイプの違い”をどうやって知るのか。
感覚や経験だけに頼ると、患者さんの反応を読み違えてしまうこともあります。
そこで役立つのが――個性心理學です。
【個性心理學とは】
個性心理學(こせいしんりがく)は、
生年月日からその人の本質的な性格や行動パターンを分析し、
12種類の「動物キャラクター」に分類する心理学的メソッドです。
名前だけ聞くと占いのように思われるかもしれませんが、
実は統計学と心理学をベースにしており、ビジネスや教育、
そして医療現場でも活用されています。
この12種類の動物キャラクターは、それぞれに
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考え方のクセ
-
コミュニケーションの好み
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不安や安心のスイッチ
が違います。
看護の現場では、この違いを理解して言葉を選ぶことで、
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説明がすっと伝わる
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不安がやわらぐ
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信頼関係が早く築ける
といった効果が期待できます。
たとえば、同じ「大丈夫ですよ」という一言でも、
あるタイプの患者さんには安心感を与えますが、
別のタイプには「軽く扱われた」と感じさせてしまうことがあります。
この微妙な受け取り方の差を見極めるのに、
個性心理學は非常に有効なのです。
次の章では、12種類の動物キャラクターごとの特徴と、
看護現場での効果的な対応方法をご紹介します。
【12種類の動物キャラの特徴と対応方法】
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狼(EARTH)
特徴:自分の基準を大事にし、群れない。納得すれば腹が決まる。
対応:理由→選択肢→推奨の順で論理的に。「根拠は3点。最適はAです」。 -
こじか(MOON)
特徴:警戒心が強いが、安心できると一気に懐く。環境変化に敏感。
対応:ゆっくり丁寧に、見通しを短く伝える。「私がそばにいます」を言語化。 -
猿(EARTH)
特徴:手際の良さと実利重視。短時間で要点が知りたい。
対応:結論→手順→注意点を簡潔に。体験的な説明がハマる。 -
チータ(SUN)
特徴:スピードとゴール志向。先の予定が見えると安心。
対応:タイムライン提示。「検査10分→結果14時→帰宅15時」。 -
黒ひょう(MOON)
特徴:美意識・自分のスタイルを大切に。言葉遣いに敏感。
対応:丁寧語+端正な所作。「◯◯様向けのご案内です」で個別感。 -
ライオン(SUN)
特徴:主導権を持ちたい決断型。大局で判断する。
対応:要点3つに圧縮し、推奨を明確に。「結論、Aが最適です」。 -
虎(EARTH)
特徴:段取りとリスク管理を重視。慎重で着実。
対応:フローチャートで段階を可視化。「今②、次③。合併症1–2%」。 -
たぬき(MOON)
特徴:実績・安心感を重視。人当たり柔らか。
対応:「昔からの標準治療」「当院データでも良好」など前例と歴史。 -
子守熊(EARTH)
特徴:生活導線とルーティンが安心。現実的でペースを崩したくない。
対応:一日の流れに落とし込む。「朝はA、昼はB、夜はCでOK」。 -
ゾウ(SUN)
特徴:腰は重いが決めたら強い。全体像が腑に落ちると動ける。
対応:まず全体図→要点→再確認。急かさず腹落ちを作る。 -
ひつじ(MOON)
特徴:協調性が高く「みんなと一緒」が安心。情報共有を好む。
対応:「一緒にやりましょう」「病棟の標準です」と仲間感を言語化。 -
ペガサス(SUN)
特徴:自由と選択を好む。束縛・固定化は苦手。
対応:選択肢+裁量。「AもBも可能。今日はA、明日はBもOK」。
今回は現場感はリアル寄りにしつつ、
「明日使える!」と思える具体例にします。
【タイプ別「響く言葉」と「NGな言葉」例集】
1. 狼(EARTH)
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響く言葉:「この方法を選んだ理由は3つあります」「最適解はAです」
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NGな言葉:「とりあえずこれで」「みんなそうしてます」
※根拠のない説明は信頼を損なう
2. こじか(MOON)
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響く言葉:「私はそばにいます」「不安なときはすぐ呼んでください」
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NGな言葉:「大丈夫だから気にしないで」「そのくらい平気ですよ」
※安心感を軽視すると心を閉ざす
3. 猿(EARTH)
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響く言葉:「この後は〇〇して、すぐ終わります」「コツはここだけです」
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NGな言葉:「細かい説明は省きます」「とにかくやってみて」
※実用的な情報がないと満足できない
4. チータ(SUN)
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響く言葉:「検査10分、結果は14時、帰宅は15時です」
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NGな言葉:「そのうちわかります」「後で説明します」
※スピード感を損なう待たせ方は不満に直結
5. 黒ひょう(MOON)
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響く言葉:「◯◯様に合う方法を選びました」「上品な雰囲気を保ちながら進めます」
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NGな言葉:「これで十分ですよ」「誰でも同じです」
※個別感のない扱いは信頼ダウン
6. ライオン(SUN)
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響く言葉:「理由は3点、最適解はAです」「A案とB案、私の推奨はAです」
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NGな言葉:「好きに決めてください」「お任せします」
※主導権を放棄されたように感じる
7. 虎(EARTH)
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響く言葉:「今②の段階で、次は③です」「安全性は97〜98%です」
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NGな言葉:「まあやってみましょう」「臨機応変に動きます」
※プロセスや予測がない説明は不安要因
8. たぬき(MOON)
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響く言葉:「この方法は20年以上の実績があります」「昔から安心されてきました」
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NGな言葉:「新しいやり方です」「今試してます」
※未知や実験感は避ける
9. 子守熊(EARTH)
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響く言葉:「毎朝の薬は8時、昼は12時、夜は18時です」
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NGな言葉:「適当に飲んでください」「気分で大丈夫」
※生活のリズムを崩されることがストレス
10. ゾウ(SUN)
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響く言葉:「全体の流れはこうです」「まず全体像をお伝えします」
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NGな言葉:「細かい話は後で」「とりあえずやってください」
※全体像が見えないまま進められるのは不安
11. ひつじ(MOON)
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響く言葉:「病棟全体でこの方法をしています」「みんな同じ流れです」
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NGな言葉:「特別にあなたはこうしてもらいます」
※仲間から外れる感覚を与えると不安増
12. ペガサス(SUN)
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響く言葉:「今日はA案で、明日はB案も可能です」「自由に選んでOKです」
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NGな言葉:「絶対これしかできません」「毎回同じです」
※自由を奪う固定化はストレス要因
ここまでタイプ別の「響く言葉」と「NGな言葉」を見てきましたが、
「じゃあ実際の現場でどう使えるの?」と感じた方もいるかもしれません。
そこで次は、個性心理學を活用してうまくいった場面を、
3つのイメージストーリーでご紹介します。
明日からの言葉選びのヒントになるはずです。
【個性心理學活用の成功事例】
事例1:こじかタイプの患者さん
外来で、初診の高齢女性がとても緊張していました。
診察室に入る前から表情が硬く、看護師の質問にも短くしか答えません。
そこで「こじかタイプ」と判断し、検査の合間に「今、私がついていますよ」「ここは安全な場所です」と優しく声をかけ続けました。
すると徐々に表情がやわらぎ、診察後には「今日は安心できました」と笑顔に。
→ こじかタイプには“そばにいる安心感”を言葉で届けるのがカギ。
事例2:虎タイプの患者さん(EARTH)
手術説明を聞きに来た50代男性。
最初から真剣な表情でメモを取りながら話を聞き、「手術の流れはどうなりますか?」と詳細を確認してきました。
そこで「今は②の準備段階で、次は③の検査、その後④が手術です」と段階を区切って説明。
さらに、合併症のリスクや回復までの平均日数を数字で示し、プロセス全体をフローチャートで見せました。
「よくわかりました。計画通りに進めましょう」と安心した表情に。
→ 虎タイプは“段階的な流れと具体的な数値”が信頼のスイッチ。
事例3:ゾウタイプの患者さん(SUN)
生活習慣改善の指導が必要な50代男性。
「すぐには変えられない」と抵抗感があり、話を進めても「まあ、そのうち…」と先延ばし。
そこで「まずは全体像をお伝えします」と、治療の目的から半年後のゴール、そのための段階的ステップを図解で説明。
さらに「今は①の段階、これを2週間続けたら②に進みます」と具体的なロードマップを提示しました。
すると「なるほど、全体の流れがわかった。じゃあ①からやってみます」と前向きな返事に。
→ ゾウタイプは“全体像+段階的な見通し”で行動モードに切り替わる。
患者さんが「この人になら任せたい」と感じる瞬間は、
必ずしも専門知識や技術だけではありません。
それ以上に大きいのは、「自分のことをわかってくれている」という安心感です。
個性心理學を使えば、その安心感を生み出す言葉選びが、より的確になります。
タイプごとに響く言葉も、避けたい言葉も異なりますが、
これは単なる「話し方のマナー」ではなく、信頼関係を築くための重要なスキルです。
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狼タイプには、論理と根拠を
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こじかタイプには、寄り添いと安心を
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チータや虎タイプには、明確な見通しを
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ひつじやたぬきタイプには、仲間意識や実績を
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ペガサスやゾウタイプには、自由や全体像を
こうして相手に合わせた言葉を選ぶことで、
患者さんの不安は和らぎ、信頼は深まっていきます。
看護師としての経験や勘に、個性心理學という
「地図」を加えれば、もっと迷わず、もっと確実に、
患者さんの心に届く言葉を届けられるはずです。
【セッション・研修へのご案内】
もし、今回の記事を読んで
「もっと詳しくタイプ別の対応を知りたい」
「実際に自分の周りの患者さんをタイプ分けして練習してみたい」
そう感じた方へ。
私は看護現場や医療スタッフ向けに、
個性心理學を活用した接遇スキル研修や個別セッションを行っています。
研修では、
-
12タイプのさらに細かな分類と特徴
-
現場での声かけ練習
-
実際の患者さんのタイプ分析ワーク
などを、楽しく体験しながら学んでいただけます。
「なるほど!」と気づくだけでなく、
その日から使える“患者さんの心に届く言葉”が、
あなたの引き出しに増えていきます。
興味を持ってくださった方は、
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小嶋 款(こじま まこと)
個性心理學研究所 総本部認定講師
講師スキルアップ委員会委員長
株式会社ニーズコネクト代表取締役
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