Promise to you 5 | usatami♪タクミくんシリーズ二次創作小説♪

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タクミくんシリーズの二次創作です。
usatami のこうだったらいいのにな~♪を細々と綴っております(〃ω〃)
覗いていただけてら嬉しいです(’-’*)♪

「ギイ、どうかした?」
伸ばした指先がなめらかな頬に触れて、その柔らかな感触に唇が引き寄せられてしまいそうになって・・・。
いや、流石にそれはマズイだろ。
もうお互いに子供じゃないのだから。

躊躇った瞬間、託生が不思議そうに首を傾げる。
その可愛らしい仕草は、やはりあの頃の託生と変わりないもので。
「・・・いや、本当に託生なんだなあ、って。おまえがあんまり変わってなくて良かったよ。」
「くすくす。ギイはやっぱり凄くカッコよくなってた。けど、ちゃんと分かって良かったぁ。」

春の日溜まりのような微笑みを浮かべる託生を。
どうしよう。
すごく抱き締めたい。
だけど。
ぎゅっと拳を握り締めてその衝動を堪えて。

「託生のバイオリン、久しぶりに聴いた。やっぱり、おまえ、凄いよ。凄くいい音だった。」
オレはこの気持ちを誤魔化すように、だけど本気で思っていることを口にする。
「ふふふ。ありがと。ギイがそう言ってくれると嬉しいな。だってギイの耳は確かだもの。」
嬉しそうに頬を染めて微笑む託生はマジで可愛すぎだから。
勘弁して欲しい。
「続けてたらギイだっていい音出せてたはずなのに。辞めちゃうんだもの。でも、ギイと一緒にバイオリンの練習するの、すごく楽しかったんだよ。」
拗ねたような言葉の続きに、オレは当時を思い返す。


―――「ね、ギイくん。ばいおりん、れんしゅうしようよ。ぎいくんのおかあさんに、おこられちゃうよ?」
大きな瞳を心配そうに瞬かせて。
託生がオレへと訴えてくる。
「いいんだよ。また後でするから、さ。それよりオレは託生のバイオリンが聴きたいな。何か弾いて?」
「え~?うーんと、なにがいい?」
「何でもいいよ。託生の好きなやつ。」
「えーっと、じゃあ、このまえ、ごうかくしたやつね。」
流れ出す綺麗な音。
オレのバイオリンとは全然違う。

母さんはオレにバイオリンの練習しろって煩く言うけど、オレはそんなもの必要とは思えない。
だって、託生がいる。
託生がバイオリンを弾いてくれたらオレが弾く必要なんてどこにもない。
お願いすればいつだって託生が弾いてくれるんだから。
オレの為だけに。

――優しい音に包まれて、ふわふわと心地よくなってくる。
「ふぅ。ギイくん、どうだった?・・・あれ?ねちゃったの?」
いや、寝てないぞ。
ちょっとだけ瞼が重たかっただけだ。
「あーあ。ギイくん、あとでっていったのに。ばいおりん、ひいてないよ・・・。」
言いながらオレの隣へ潜り込んで来る託生に、オレの心臓はドキンと音を立てる。
「ぼくもねむくなっちゃった。・・・ちょっと、だけ・・・きゅう、けい・・・。」
言いながらあっという間に眠ってしまった託生。
オレの鼻先を託生のサラサラの髪の毛が掠める。
シャンプーの香りか、甘い匂いがして。
オレは手を伸ばして託生をぎゅっと抱き締めた。
あたたかな温もりに満たされて、オレは再び眠りに落ちていった。

いつまでも一緒に居られると思っていたあの頃。
でも、それはとても儚いものだった。




オレの隣から託生の姿がなくなって、オレはバイオリンを完全に辞めてしまったけど。
気付いたから。
自分の気持ちに。
託生をただの幼馴染みとは思っていないって。
ずっとオレの傍にいて欲しいって。

だからオレは努力した。
ここに。
託生の傍に行けるように。