君と一緒に♪12-17 | usatami♪タクミくんシリーズ二次創作小説♪

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タクミくんシリーズの二次創作です。
usatami のこうだったらいいのにな~♪を細々と綴っております(〃ω〃)
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後の事を岡田に任せて。
震えの止まらない託生を連れてマンションまで戻った。
その車中、酷く心配しているだろう佐智へと連絡を入れる。

「託生くんはっ?!無事なの?!」
ラインが繋がった瞬間飛び出した佐智の言葉を、ギイは苦く受け止めた。
「怪我はない。・・・ただ、まだ・・。」
多くを語らないギイに、だが、佐智はそれ以上の追求はしなかった。
「大体のことは岡田さんから聞いたから。それにしても・・・牧原の奴、絶対に赦せない。」
普段天使のように麗しい佐智だからこそ、こんな凍るような冷たい声で喋られると背筋を冷たい氷で撫でられたようにゾクリと寒くなる。
付き合いの長いギイには佐智の怒りの深さが判るだけに尚更だ。
だが。

「気持ちは解るし、俺も同じだ。けど、まだ動くなよ。」
隣に座る虚ろな瞳の託生を気遣い、声を潜めて続ける。
「奴はおかしい。俺の持ってる情報と奴の印象はあまりにも一致しない。迂闊に動けば罠に掛かる。」
牧原はただの実業家などでは断じてない。
侮れば痛い目を見ることになるのはこちらかも知れないのだ。
ギイの、今までビジネスの場に於いて常に鍛えられてきた類い稀なる第六感がそう告げてくる。
万が一にも敗けは赦されないのだ。
何しろ相手の狙いは託生なのだから。

ラインの向こうから佐智の溜め息が洩れる。
「・・・悔しいけどそうだね。」
現場では犯人か捕まったこと、その犯人は桜ノ宮坂音大の学生で就職活動、ひいては自分の将来に悲観しての犯行であること、闇サイトで知り合った奴に唆されたと供述していることなどが佐智から簡単に説明された。
そこに牧原の影は欠片もなかった。

「とにかく、落ち着くまでは託生くん、大学には来なくていいから。義一くん、託生くんのこと支えてあげてね?くれぐれも暴走したりしないでよ!」
佐智の言葉にぐっ、と詰まる。
あの時。
託生が木に押し付けられて捕らわれている姿が眼に入った時。
ギイの位置からは二人の唇は完全に重なっているかに見えて。
腹の奥からどす黒い焔が一気に噴出した。
託生は悪くない。
むしろ被害者で、酷く傷付いているのに。
わかっているのに。
嫉妬の焔がジリジリと胸を焦がす。

「・・・わかってるよ。」
「・・・・・絶対、だからね。」
煮え切らない色のギイの返事に、佐智は念を押した。