前回のつづきです。
それから暫くタテハを見ることなく過ぎました。
もしかしたらもうどこかでこと切れているかも…
と思い始めた頃
洗濯機の傍のコンクリートの地面の上に
じっと横たわっているのを見つけました
同じところにまたやってきたのね…
もしかして、私に会いに来ているの
?
砂糖水を再び与えると、
以前よりは弱々しくはありましたが
しっかりと飲んで、その後また立ち上がりました
何度か見に行くうち、また姿が見えません
今度はアべリアの方にもいません。
あの様子では遠くへはいけないから
きっとこの辺りの何処かに隠れているのでしょう。
排泄物も砂糖水ティシュの傍にありましたから
動けるくらいに元気になったのね…
きっとまた会える…元気でいてねと祈りました。
翌日、会えました
餌を置いた植木鉢の端から
垂れ下がった蔓の先にとまっていたのです。
タテハの模様と葉っぱがよく似ているので
うっかり見落としてしまいそうです。
蔓に掴まれるほど元気な様子に嬉しくなりました
近くにまた新しい砂糖水を置いてやりました。
砂糖水を飲んでは姿を上手に隠しまた出てくる…
そんなことを繰り返しました。
ただ、先日の大雨の時だけは
さすがに心配になって 随分探しました。
やっと見つけました。
別の植木鉢の陰の
ちゃんと雨のかかりにくい壁に留まって
じっとしていました。
かなり地面に近いところでしたが
雨のせいで蟻も出てこないから
たぶん大丈夫だろうとそっとしておきました。
本当はかごに入れて
お部屋に連れて行きたかったのですけれど
自然の中の方が落ち着けるだろうと我慢しました。
雨も小降りになった翌日、また姿が見えません
でも、今まで何度も
姿を消してはまた出てくるということを繰り返していたので
きっとまた会えると思っていました。
その数時間後、
いつも餌をあげていた植木鉢の近くのコンクリートの地面の上に
タテハの羽根が見えました。
居た居た! 
と駆け寄りました。
でも、そこには、
タテハの羽根が2枚落ちていただけでした。
前日見た大きな可愛らしいお目目はそこにありませんでした。
羽根だけがそこで雨に濡れてじっとしていました。
涙が流れました。
いつか来ることと分かってはいました。
羽根は鱗粉のお陰か、さらさらで
地面にくっつくことなくすぐに拾い上げられました。
もう少し早く来ていれば助けられたのかもしれません。
後悔が私の心を刺します。
私はタテハの羽根を土に埋めてやりました。
仕方のないこと…
でも、どうしようもなく悲しいのです。
つづく