同室のおばあちゃんが、退院後の行き先について家族会議を繰り広げていた。
おばあちゃんの子供たちも定年を迎える年代。
娘さんの一人が、定年退職まで残り一年だけど、おばあちゃんが自分の所へ来るのなら仕事を辞めて面倒を見る、といった。
息子は、ためたお金はあの世に持っていけないのだから、いい施設に入って楽しく過ごせといった。
おばあちゃんは、施設なんか嫌だよ、私は高いところとか、そういう価値観はないんだ、といった。娘が仕事を辞めてくれるから、娘の所へ行くという。
おばあちゃんは、娘さんの気持ちは考えていない。辞めてもまた同じような仕事に就ける、という娘からの言葉を疑ってもいない。
娘さんは学校関係の仕事なんだって。資格を取ってやっと就いた仕事なんだって。
おばあちゃんは我儘では決してないと思う。けど娘さんは心で泣いているかもな。
それでも家庭事情はそれぞれだから他人の私は、何も感じちゃいけないと思う。
以前、『四日間の奇跡』という映画を見ました。
内容は忘れちゃったけど、今の私はあんな感じかな、本当は死んじゃったけど、もしかしたら神様が(私は無宗教です)『おまけ』で、やり残したことを片付けられるように、少しだけ生かしてくれているのかしら、なんて思える。
今はたくさんの方々に病院ライフを支えられ生きている。
今、私にできる最後の仕事があるならなんだろう。
肌寒い朝。
手帳に文字を書き込めるようになってきた。
目覚めたら、消灯後に課長から連絡を含む励ましメールがきていた。
閉鎖的な『病院』という所にいて、外の様子を知らせるメールは嬉しいことこのうえない。