舞台千秋楽のあと、ようやく心身共に復活して、
自分の輪郭が見えてきました。
全三幕の舞台でしたが、僕は三つとも役割をいただいて、
幕開けからカーテンコールまでのステージでした。
まず第1幕、ゲスト5名に依る朗読。
女優の丹阿弥谷津子さん、安奈淳さん。
声優の小清水亜美さん、日テレの船越雅史さん。
そして私、宇佐元恭一。
一列に並んでの幕開きでした。
交代でみすゞさんの詩を朗読したんですが、
ホントにそれぞれの個性が光り、
同じみすゞさんの詩とは思えない程、
それぞれの世界が広がりました。
「みんな違って、みんないい」
みすゞさんの言葉が、まさにぴったり。
特に丹阿弥さんは、大正生まれの大女優。
いろんな銀幕やドラマでおなじみではありましたが、
いざ朗読となると、一言めから、まるで歌そのもの。
僕には、譜面が踊るように聞こえました。
そして朗読のあとは、みすゞさんの謌へ。
僕と安奈さんで2曲ずつ歌いました。
明るいスポットの中、言葉に集中すればする程、
他の余計なものが見えなくなり、
透明になった器に、みすゞさんの想いが降り注ぐような感覚。
想い途中で途切れたみすゞさんの心が、
自分の中によみがえってくるようでした。
何だか、ホント、不思議な感覚。
歌ってる自分を、僕も客席から見てるような感覚。
あっという間に二曲終わりました。
幕はいったん降りて、第二幕、第三幕へ。
僕は今回も西条八十の役をいただき、
帽子に着物姿で演じました。
みすゞさんと出会いの下関駅。
もう何度演じたでしょうか、
でも、演じるたび、新たな発見があります。
カーテンコールは全員揃っての歌。
皆さんの暖かい拍手で送っていただきました。
次の舞台は、10月の四国公演。
次回は演技の他、僕のピアノと歌に、
他の方々とのコラボレーションが予定されてます。
楽しみにしてくださいね。
今回、遠くから駆けつけてくれたファンの皆さん、
本当にありがとうございました。
舞台の場合は、それぞれ出演者が、それぞれのお客さんをお迎えするので、
やっぱり来ていただくと、より一層うれしいです。
今回雨ニモマケズを含め、持ち歌を一曲も歌えなくて、
ホントごめんなさい。
また次回も、会いにきてくださいね。