これは久々に読んだ良書。

FCバルセロナの人材育成術/アルベルト・プッチ・オルトネーダ

¥1,680
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メッシがいるFCバルセロナがどのようなチームなのかを

知りたくなって買ったのがこの本なのですが、

読めば読むほど経営にも通じるところが多くてびっくり。







これを読むとバルサが選手育成において、いかに

人間教育に力を入れているかがわかる。

FCバルセロナでの教育とは、技術的なことを教える

ことだけではなく、将来、大人として社会でしっかりと

生活できるために必要な「敬意」「忍耐」「犠牲」

「努力」「謙虚」といった価値観を教え込むこと。

しかも同時にチームとして勝利も期待されながら。






選手や監督、テクニカルスタッフなどのインタビューも

あって、非常に多面的にバルサの強さの秘密を理解する

ことが出来た気がします。






気になったところを抜粋して紹介。




“サッカーとは不完全な選手がお互いの長所を出し合って
そしてお互いの短所を補い合って、その結果、一つの
組織(チーム)として機能すれば良いスポーツなのです。”

“チームに迷惑をかけないためにも、自分の短所を改善する
ことはとても大切なことです。しかし、「迷惑をかけない」
という消極的な視点以上に重要なのは、「チームに貢献する」
という前向きな視点であり、それはまさしく「自分の長所を
伸ばし、その面でチームに貢献する」ことだと思います。”

“プロ選手になるための階段を登る際に重要なのは、非の
打ち所がない完璧な選手を目指すことではなく、自分の長所を
活かしながらチームメイトと最高nハーモニーを奏でることを
学ぶことです。”

“「私は勝つことが好きだし、育てることにも情熱を抱いているが
何よりもまず敬意と品格という普遍的な価値を基本として競い合う
ことの素晴らしさを子供達に教えたい」”

“試合結果に関係なく、品格のある戦い方で自分自身の最高の
パフォーマンスを出し切ることこそ、真の勝利である。競い合うとは
まず自分自身に勝つこと、そしてその次に相手に勝つこと。
良い競い合いをした結果、勝利はもたらされるのである。”

“成功とは、結果はともかく自分自身に設定した目標をクリアする
ことだと、私は思っている。結果が全てではない。自分自身との
戦いに勝つことができたのだとしたら、何も恥じることはない。
成功と失敗、勝利と敗北は紙一重なのだから。”

“物事が上手くいっている時に決断を下し変化をもたらさないと
遅かれ早かれ悪い時期が訪れてしまう。良い決断とは、ポジティブな
結果が出ている時の追い風を利用し、予測の末に冷静に下されるものだ。”

“「頑張り続け、戦い続けることが成功への道」”

“「競争する意味を学ぶためには、敗北を知らなくてはならない。」”

“心の中に大きな目標を持つことは素晴らしいが、日々クリアすべき
小さい目標も設定するようにしよう。結果よりもまずプロセス。未来を
見つつも、今、この瞬間をしっかりと生きていこうではないか。”

“勝つことは重要だ。しかし勝利を得るためには、物事をうまく
やらなければならない。正しく根気よく努力すれば、往々にして勝利は
ついてくる。しかし、常に勝てるとは限らないことを私たちは理解して
おかなければならない。もっとも重要なのは、競争することを学ぶことに
ある。競争することを学ぶということは、勝利することを学ぶということ
であり、そして何よりも、負けることを学ぶことを意味している。”

“勝利にも敗北にも等しく直面した方がいい。敗北すればプライドは
傷つくし、落ち込みもするだろう。だが、相手の敬意だけは決して忘れ
ないようにしたい。
もし十分に努力したうえでの敗北であれば、誰だって当然傷つくだろう。
大事なのは「今日は相手の方が良かったのだから彼らを祝福しよう。
でも次は自分たちが勝つぞ」という気持ちである。
敗北には敬意を、勝利には謙虚を。”

“才能を最大限に活かすには、粘り強い努力以外にない。毎日の練習に
真剣に取り組み続けることが重要なのだ。”

“「勝ち負け」とは決してスコアボードに映し出される試合結果だけ
ではなく、もっと奥が深いものだということを理解しなければならない。
「負ける」とは自分のすべてを出し切らないことである。逆に「勝つ」
とは、自分のすべてを出し切ることである。つまり、「勝ち負け」とは
己との戦いに勝つか負けるかのことでもあるのだ。”

“プロになることはもちろん難しいが、もっと難しいのは、
努力を継続しプロの世界に居続けることなのである。”

“チームにとって一番大事なのは信頼だ。選手全員が試合の後に
お互いの目を真っ直ぐ見られること。お互いに信頼し合っていると
確認できることが大切だ。そのためには、選手一人ひとりが個人の
責任において、自分は集団の一部なんだと実感しなくちゃいけないし、
チームメイトにはいつも敬意を払って接するべきだ。”

“バルサのトップチームに到達するためには、もちろんサッカー選手
として優れていなくてはならないが、人間として礼儀正しく成熟して
いることも大切だ。また、バルサのユニフォームを着てプレーする
ことの意味を理解し、その重圧に耐える覚悟が出来ていることも重要だ。”