1997年に出版された「マイクロソフト・ウェイ」(ランダル・E・ストロス著)をamazonのマーケットプレイスで手に入れた。

これはマイクロソフトとは関係の無い外部のライターが、歴史学的な観点からMSについて書いた本。なお、この著者はMSを弁護する立場で書いており、歴史学的な観点から見たときにそういう立場になったというのは非常に興味深い。

これを読んで、ビルゲイツを改めて見直しました。メディアで見る彼はどちらかというと技術系オタクっぽいけれど、これを読むと強いビジョンと戦略を持った類い稀な人物であるということが判りました。またゲイツがいかに長期的な視点に基づいて戦略を考えていたのかということも。

マイクロソフトの強みは、ひとつにはビルゲイツという優秀な経営者によるものだとしても、組織そのものがやはり強いというのもあります。この本の中に『フィードバックループ』という考えが書かれたいたのでここで紹介します。

・・・1994年の年次総会で、スティーブ・バルマーが語った、ウィンドウズ1.0の開発プロジェクトを指揮していたときの苦い経験である。当時のマネージャーが彼にプロジェクトのスケジュールを渡した。開発チームのメンバーたちは、そこに記載された期限がどれも達成不可能であることに気づいていたのだが、だれもバルマーには教えなかった。彼が何も知らずにやる気満々で、プロジェクトを計画どおり進めようと激励の言葉を述べたときにも、メンバーたちはくすくす笑うだけだった。やがて、バラ色のスケジュールを現実との隔たりが明らかになったとき、バルマーは問題がうやむやになるような組織ではいけないと強く感じた。そして、言いにくい問題をひた隠しにしていた例のマネージャーは二度とマイクロソフトで仕事をして欲しくない、容赦なく言い放ったのだった。バルマーはマイクロソフトの従業員に向かって次のような話をした。『自分で解決できそうもない問題にぶつかったら、マネージャーのマネージャーでも、そのまたマネージャーでも、意見を聞いてくれる人なら誰でもいいか、相談しても構わないし、ぜひそうして欲しい。怖くてマネージャーのところへ行けないという人は、電子メールを使えばいい。また、こうした行動に対して報復などということがあってはならない。』・・・

つまり、自分の誤りを調べて、すぐに修正する。マイクロソフトはソフトウェアの開発・販売を通して、このフィードバックループを上手く活用しており、これがマイクロソフトの成長に大きく貢献していた。

こういう組織は強いよね。同じ間違いを二度繰り返さないし常に進歩していく。こういう組織を目指していこう。そのためにも、間違いをきちんと間違いと認識しなければならない。先月の反省、前Qの反省、前期の反省。いろいろあるはず。

そして、これらを次に活かしていこう。まさに失敗は成功の元なのだ。

最後にこちらが本物のマイクロソフトウェイ(マイクロソフト業務遂行基準)です。
http://www.microsoft.com/japan/mscorp/citizenship/buscond/