射撃訓練についての野望は継続中であります。
まずはドキュメンタリー小説から入り、狩猟に必要なバイブスを学ぶことにしました。
そう、獣害といえば、三毛別の羆嵐(くまあらし)
表紙からして怖がらせに来てるよね。
wikipedia三大文学だそうで
はっきり申し上げて、wikipediaだけではもったいないです。
実在の事件を扱っているのにもかかわらず、吉村先生の筆が踊りまくり。
一本の映画のような迫力で、一気読みしてしまいました。
数時間で読める厚さの本ですから、もう絶対「羆嵐」を読んだ方がいいです!
読む前に、Google earthで三毛別のベアーロードをみておくと、ものすごい臨場感が味わえ、強烈な読書体験となります。
北海道開拓民の切ない貧しさからはじまり、
事件の起こりが「起」とすれば、
羆を知らない対策団の体たらくと失策が「承」、
満を持して伝説の熊打ち銀四郎の登場が「転」
銀四郎と羆との対決「結」
と、筋はあらかたわかっているのにもかかわらず、読ませる力がすごい!
文章はかっちこちで、一切の無駄はございません。
途中から地域のリーダーが語り部となり物事がすすみます。
これがまた巧みで、期待していた対策団への失望や、銀四郎の人物像はこのお方から語られます。
曰く
- 終日酒を飲んでいて、酒乱。
- 腰にはいつも羆を解体するする刀をさしていて(シンプルに危ない)
- けんかすると相手の頭に刀の背をたたきつけるし(ギリ一線は越えないんだね)
- 機嫌が悪いと茶碗をかみ砕く???(謎)
- 留置場に3回もぶち込まれている(だろうね)
- 傲慢で粗暴なので皆から嫌悪されている銀オヤジ。
- 熊打ちで暮らしているのに、肝心の銃は、酒代にするため質屋に入れてしまっている←new(オイオイ)
えーっ、、、全く期待できないよね、、、
それでも一縷の望みを託して、リーダーは質代をなんとか工面、銀四郎を迎えにやります。
使いの者達はなんとしてでも銀四郎を連れて帰ると決意し、冬の山越えをしながら銀四郎の住む村へ向かいます。
そしてリーダーは何日も何日も待ち、遅い!遅すぎる~、もう来てくれないのかな?この土地は捨てようかな?とあきらめかけたときに、はい!
銀四郎登場!
この登場シーンが素晴らしいのです。最高です。
知らせをうけて慌てて駆けつけたリーダー。
銀四郎は、一面の銀世界でまぶしい陽光を浴びながら、一言。
「災難だったな」
と軍帽をとって哀悼の意を示すのですよ。
(・・・え・・・何何?優しい・・・の?)
聞けば、遅くなったのは使いの者が冬山で迷ったせいで、銀四郎は話を聞くやいなやすぐ出発。天狗のごとき早さで一晩中かけて寝ずに冬山を越えてきたその足で、すぐさま現場を見に行きたい、と言うのです。
ギャップ!こんなん、惚れてまうやろ案件です。
吉村先生のこの仕込みよ!
さすがのリーダーもギャップ萌えしまくりです。
しかもこの銀四郎、べつにキャラ変するわけではなく、これ以外は上の通りの性格なの。この迎合しない感じ、好きです。
そこで思い出される、やり残したこと
わたし、かっこいい登場にあこがれているのです。
たとえばこんな。
病院勤務開始日に出勤してきたところで、消化器外来でもめている患者さんに出くわす。
受付「さっき言ってたことと全然違うじゃないですか?」
「ん??作話かな?」
「受付さん、この方アルコールは?大酒家??そう、すぐ救急外来連れて行って」
受付・ナース・ドクター「ざわ・・・ざわ・・・何あの人?」
「あ、わたしですか?今日からこの病院で勤務する兎丸と申します(ニコニコ)
こんな感じ。これ、やってみたかった~、憧れる~
もうできないよ。これじゃ成仏できないよ!!
それはさておき、この羆嵐は後書きも作品の一部、後書き含め大傑作です。
それだけは言っておきます。
