お別れの記憶が多すぎて、桜の花びらで窒息しそうになる。
入学式に向かう子の、正装した背中を見ると多分泣く。
子は成長するのに、こちらの時は止まっている。
むしろ滅んでいく感じすらする。
置いていかないでと思ったり、置いていけと思ったり。
病院では、わたしの異動の時に泣いてくれる患者さんがいつも必ず二-三人いた。
「先生、偉くなってね」
といわれて、いままで頑張ってきた。
もうこれから先はそんな風に言われることもなくなるし、わたしがそれを言う側になるんだろう。
頑張れ、偉くなってね。新入生!