わたしは今年の夏まで
青森・秋田・沖縄・東京など
いろんな場所に住んでいましたが
とても幸せなことに
自分の身の危険を感じる
大きな災害に遭ったことが
ありませんでした。
あの東日本大震災の時でさえも
その時住んでいた青森市は震度4くらいで
1日半くらい家が停電したり
スーパーやコンビニに物がなくて
遠くまで歩いて食べ物を探しに行ったり
ガソリンが給油できなかったので
しばらく歩いて職場に通ったり
それくらいで済んでいました。
ですが、今年の7月15日
秋田豪雨に遭遇。
その日は昼からお客様のご予約があり
11:00頃にお店に向かって車を
走らせていると
前日から雨が降り続いていたため
用水路やマンホールから
水が溢れ出していて
なんかいつもと違うぞ、、
と思いながらお店に到着。
お店に到着してしばらくすると
突然一斉にお店にいたお客様と
スタッフ全員の携帯電話が
ビービー鳴りはじめ
驚いて確認すると
緊急安全確保の警報でした。
（朝から警報レベル3の高齢者等避難は
発令されていましたが、その次のレベル4が出ることなく
最大警戒のレベル5が発令されました。）
この時の携帯の画面。
家族に知らせるために写真を撮ってあった。
慌ててお店の周囲の状況を
確認するために外に出てみると
お店から歩いて2分くらいの
秋田市でも1番交通量が多いと
言われている道路が泥水で湖状態。
既に逃げ遅れた高齢者を助けるための
救命ボートが出動しはじめていました。
お客様にお店の臨時休業の連絡を入れ
お店から少し離れたところに停めている
車を見に行ってみると
駐車場に面した道路はすでに冠水して
長靴を履いていても茶色い水が
ジャブジャブ中に入ってくる始末。
冠水した道を走っている車もいるけれど
水が中に入ってしまって立ち往生している
車もたくさんいる。
駐車場から車を出すことは諦めて
管理会社へ連絡して
駐車場の1番奥の枠外のスペースに
車を移動させました。
車を停めている駐車場付近の写真。
避難場所に向かおうと歩いている人がたくさんいた。
この時点で家に帰ることは諦めて
床上浸水に備えて
お店の備品をなるべく上に上げて
玄関前には
ゴミ袋やビニール袋に水をつめて作った
水嚢を並べました。
洗面やトイレなどの排水口は
ゴボゴボと音を立てはじめて
水が上がってきて
変なニオイがしてきたので
ここも全部水嚢でフタをして。
この時点でトイレが使えなくなりました。
作業がひと段落して
もう1度お店の周囲の状況を確認しに
びっしょり濡れた長靴を履いて
外に出て泥水に膝までつかった時
あー、生きてるだけでいいって
こういうことかって体感しました。
何かがストンっと身体に落ちてきた感じ。
まだ水かさはどんどん増しているし
危険が終わったわけではないけれど
「生きていれば、なんとでもなる」
とほっとしたんです。
この日は自宅に帰れずに
お店の2階にあるオーナーご夫婦のご自宅に
泊まらせていただきました。感謝。
その時はちょうど
ココロとカラダの基礎講座を受けていて
「存在しているだけで価値」ということが
なかなか自分に入ってこなくて
「どうやらそういうことらしい」として
過ごしていた時でした。
だから
あー、そういうことかぁと
納得して安心したんだと思います。
「そういうことらしい」 とすることについて書いたブログはこちら
結局のところ
その後水かさは増えましたが
玄関に入るギリギリで増水は止まって
お店は床下浸水ですみました。
わたしの車も
どこまで水が上がったのかは
見に行けなかったからわからないけど
翌日にはエンジンがかかってくれました。
豪雨翌日、自宅に帰る途中に撮影。
路上には動かなくなって乗り捨てられた車が
たくさんあった。
その後2日間
お店の営業が止まっている間
床上浸水してしまった美容院の泥出しや
保育園の後片付けなどを手伝って
悲惨な状況を目にしながら
「生きている」ことをひしひしと
感じました。
そして、人の強さもひしひしと感じました。
息をしているしあわせ。
視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚を
フル稼働して
感じられているしあわせ。
世界と誰かと繋がっているしあわせ。
生きているからこそ
存在できているからこそ感じることができる。
秋田県では
7月15日の豪雨以降
9月にも集中豪雨があり
深刻な被害に遭われて
今もなお復旧作業をされている方が
たくさんいます。
わたしのお客様の中にも
たくさんいらっしゃいます。
わたしは今あるこのカラダとココロで
やれることをしていくだけ。
この経験で得た体感を糧にして
生きていきたいと思います。
