わたしが養護教諭をやめたあと | うさこのひとりごと

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保健室の先生やってます

わたしが秋の人事異動希望調査で退職を希望し

 

年が明けて「その日」が近づきつつあったある日の朝、

 

いつものようにテレビをつけると、そこにはまるで戦争中のような光景が広がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

阪神淡路大震災だった。

 

 

 

わたしは直接の被害はなかったので、なんだか映画を見ているようにリアリティはなかったけれど、

 

親せきが関西から戻って来たり

 

保健室が避難所で救急処置を期待されているのを見て

 

(退職は決まっていたけど)

 

防災用品みたいなものをまとめた箱を作ったりした。

 

 

 

そしてそれからまた月日が流れ

 

いよいよその日まであと数日というとき

 

 

出張から帰ってきた校長先生が

 

「なんだか大変なことがおきたらしい」といって、

 

珍しく休憩室にあったテレビをつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地下鉄サリン事件だった。

 

 

犯人もわからず

 

未曽有のテロに日本中が大混乱と不安の中

 

 

わたしは平成7年3月31日に

 

 

養護教諭を退職した。

 

 

 

 

今も覚えているけど

 

その日の夜、友だちが慰労会をしてくれて

 

夜中の1時ごろ寝て・・・

 

 

 

寝て・・・・

 

 

寝て・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

起きたのは、夜の21時だった。

 

 

 

20時間

 

わたしはこんこんと眠り続けていた。

 

 

 

 

心身ともに

 

 

くたくただった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後しばらくは仕事もしないでいたけれど

 

 

知り合いから、経理をやる人を探していると言われ

 

 

従業員3人(うち一人は社長)の超零細企業で、わたしは働き出した。

 

 

零細企業

 

週休二日なんて関係ない。

 

ボーナスも出ない

 

残業手当も出ない

 

それまでもらっていた年収から比べたら

 

収入は激減。

 

でも

 

誰かの命を預かるという責任から解放されて

 

また、クレームがきても社長が受けてくれるという安心感は

 

ありがたかった。

 

その後縁あって結婚して、専業主婦をやったけど

 

 

 

自分が元養護教諭だということは、夫以外には誰にも言わなかった。

 

 

 

その間、

 

 

1997年に神戸連続児童殺傷事件

 

1998年栃木女性教師刺殺事件

↑これは 以前より強いストレスを感じていた少年に対し、養護教諭が体温を測定したが異常がなかったため、教室に戻るよう促したが、その後がたまたま彼の嫌いな授業、嫌いな教員の授業で、かっとなった少年が持っていたバタフライナイフで教員をめったざしにして殺害したというもの。

養護教諭、保健室、がかかわっただけに、衝撃だった。

 

2001年に附属池田小事件

 

大きなものだけでも、

子どもが子どもを殺す

生徒が教員を殺す

無防備に入れてしまった部外者が、子どもを殺す

 

わたしが養護教諭だった時には考えられなかったような衝撃的な事件が次々と起きた

 

 

でもわたしは、もう「ただの人」だからと

 

関係ないからと

 

ニュースを見ないようにしていた。

 

学校現場がこんな大変なことになって

 

養護教諭をやめてよかった!!と自分に言い聞かせた。

 

でも今思えば

 

本当に関係ないと思えば、ニュースは見られたはず・・・

 

 

気もちが揺らされるからこそ

 

 

あえて自分に言い聞かせ

 

ニュースを見られなかっただけなんだけどね。

 

 

でも

 

必死で自分の気持ちにふたをしてきた気持ち。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校現場で

 

わたしにも何かできるのではないか・・・

 

 

そんな気持ちが

 

少しずつ少しずつ膨らんでいったけれど

 

 

 

 

必死にそれを押さえつけ

 

家事と小さな子育てに

 

エネルギーを注いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

それが・・・

 

 

「もう一回やってみたら??」

 

 

 

 

 

 

そんな夫の言葉で目が覚め

 

 

 

 

 

 

 

 

 

採用試験に再度チャレンジすることになった・・・

 

 

つづく