野うさぎ野ばらの、避妊手術(子宮除去手術)について、
もう、予約を入れてあるにもかかわらず、
まだ少し、実行することに、迷いがあります。
そのことについて、書きたいと思います。
……
うさこんちで
お預かりしたうさちゃんの
さまざまなケースを見ている私。
お預かり中に、出血してしまった子。
そのまま病院へ駆け込んだ事が、何度あったことか。
皆、6、7歳。中には、9歳の子も。
出血した女の子は皆、子宮の病気でした。
そうなる前に、手術をしておけば、
リスクは減らせる…。
手術のリスクは、高齢になればなるほど、上がってしまいます。
出血してからでは、正直、遅いのです。
若いうちに、しておけば、今こんな思いをしなくでも済んだかもしれない…。
(金銭的にも、多くかかることがほとんどです)
でも、身体にメスを入れるのは可哀想。
麻酔で、覚めなかったら…。
術後、回復するのか…。
その時の、オーナー様の後悔と、不安な思い。
目の当たりにしていた私も、その気持ちよく分かりました。
だから、今度うちの子を迎えたら、
若くて体力のあるうちに、手術しようと、思ってました。
……
避妊、去勢手術をすることは、
繁殖を避け、
多頭崩壊や、お世話しきれない事態を防ぐことももちろんありますが、
その子自身の、身体を守る意味もあります。
オスでは、発情行為を抑えたり、
メスでは、子宮の病気を防ぐという効果も。
「避妊(去勢)手術、しておいた方がいいでしょうか？」
…と、
うさ飼いさんから相談される機会も多いのですが、
「若いうちなら、その子のためにも、
しておいた方がよいと思います」と、
答える主義でした。
しかし。
いつもお世話になっている
の院長先生に
うちで3月に迎えた、保護っ子、野うさぎ野ばらの、
避妊手術の相談をした時、
衝撃的な事実を聞かされるのです！
先生は、仰いました。
「野生で生きてきて、
今、健康のバランスもとれているのに、
人為的に手術をすることで、死に至ってしまうケースもある」と。
確かに、手術をするということは、
自然のものに手を加えるということです。
野ばらは、ペットになりたくて生まれて来たわけでは
ありません。
今は、もう長くヒトの元に居たので、
ヒトの手でお世話をしなければ
生きていけなくなってしまいましたが、
野ばらは、野ばらとして、
健康な身体を持って、
野山で生きていくはずだったのです。
毎日接していて、
ほんとうに、野生で生きていくための、さまざまな能力を身につけていると、感心させられます。
今、野ばらの身体は、全てがバランスよく、
生きるために活動している。
それを、
ヒトの元で生きていかなければならなくなったせいで、
将来、おきるかどうかわからない病気(ペットのイエウサギとは、身体の作りも行動も、だいぶ違うと感じています)(症例が少ないので、比較検討できる事実が無い)のために、
人為的に子宮を取ってしまうことに、
明確な答えが出せぬまま、
予約の日は近づいてくるのです。
……
パイセンの、
野うさぎ「ののちゃん」も、
避妊手術を受けていました。
そして、10歳まで、長生きしました。
自然に居たら、そんなに長生きできなかったでしょう。
その実例があるから、
やっぱり、した方が、野ばらのためかな、とも思います。
……
私が言いたいのは、
先生が仰った、
「野生の動物は健康のバランスがとれている」というところです。
この子のためには、どういう決断が良いのか、
考えています。
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石毛じゅんこ
AllAboutうさぎガイド
愛玩動物飼養管理士
動物取扱責任者
ペットフード販売士
「うさぎがおしえるうさぎの本音」朝日新聞出版
「うさぎのきもち」時々出没中
「うさぎと暮らす」時々出没中