みなさま、こんにちは
各地で続々と梅雨が明けていますね~
『梅雨が明けたら、もっと暑くなる 』
と思った瞬間、ゾッとして涼しくなる
今日この頃です
7月24日、作家の森村誠一氏がご逝去されました
50年におよぶ作家活動を続けてこられ、著作は400冊以上
「人間の証明」、「悪魔の飽食」、牛尾刑事・事件簿シリーズなど、
多くのヒット作を世に送り出し、江戸川乱歩賞や吉川英治文学賞など、数々の推理小説賞、文学賞を受賞されています
一方で
盟友の遺志を継ぎ、作家を志す人たちを応援する活動を長年続けてこられた、とても稀有な先生でもいらっしゃいました
私もかつて森村先生の薫陶を受けたひとりです
残念ながら、私は小説家にはなれませんでしたが
今でも時々、先生の『後進を育てる』姿を思い出します
先生が名誉塾長をされていた小説講座では、先生ご自身が実際に小説を書く際のプロットの作り方(構成の組み立て方)を教えてくださったり
先生の幅広い人脈によって
定期的に、現役の第一線で活躍している作家の方たちが特別講演をしに来てくださったり
時には塾生の作品を講評してくださることもありました
また、先生はクリスマスの時期になると
有志で集まった受講生たちを、ご自宅の敷地内にある"離れ"に招待してくださり、
私たちは、みんなで持ち寄った食べ物や飲み物を片手に車座になって
簡単な自己紹介の後に「来年こそは作家デビューする」宣言をしたり
先生の出された「お題」について一人ずつ発表したりしました
先生は受講生の話を興味深く聞いてくださり
発表が終わると、その都度、それに対して感想をおっしゃってくださるのですが
私が一番記憶に残っているのは
ある時私が、かつて東洋占星術師だったことを話した際に
私の話が終わるやいなや「それで俺の来年の運勢はどう」
と、好奇心いっぱいに質問なさった先生の表情と、その真剣な眼差しです
当時、すでに先生は作家として不動の地位を築かれ、著作も何百冊も出されているのに
「まだまだ俺は書くぞ~」という意欲に圧倒されたのと
モノを生み出す人の、あふれんばかりの好奇心、真剣さに触れた思いがしたのを覚えています
先生がある文学賞を受賞された時に、そのお祝いの会で
先生の奥様が、受講生に向けて話してくださったお話がとても印象にのこっています
先生は奥様に
「自分のライバルを本気で育てようとするヤツなんて俺ぐらいだし、ほんとに俺はバカだよなぁ」
とおっしゃっていたそうです
その当時の私は、自分が作家デビューすることにばかり気が向いていましたが
その後、スピリチュアル・ティーチャーとして活動をしていく中で
《後進を育てる》にはどうしたらいいかを考える時に
先生のことを思い出します
誰もが潜在的に持っている『自由に表現したい』という意欲(表現欲)を
《小説》という形で世の中に生み出す術(すべ)を伝え、
サポートも惜しみなく続けてこられた先生の偉業は
先生が遺された作品と共に
先生の薫陶を受けた人たちの心に深く残っていくと思います
先生のご冥福を心からお祈り申し上げます