♪サバイ・サバイ (歌 バード・トンチャイ)
タイの昔のヒット曲で「気楽にいこうよ」といった内容の歌です。現地で気を張って仕事をしていた私への応援歌のような歌で、偶然にもYouTubeで見つけ「チンルゥウ・トックチャイ・マークマーク・ナァ」(マジ?めっちゃビックリだよ)← タイ語、まだ覚えてました。
タイから日本帰国後、私は障がい者支援の会社を立ち上げたが実習生を受け入れての運営は厳しくて悪戦苦闘の日々。苦肉の策で土木現場や学校の講師など、揶揄されながらもできることは何でも引き受けて、やり繰りをしてきました。
大学の文学部ゼミで講師として私が使用したテキストの一部。
その中での「日本事情」の一コマ
大学で私の担当は留学生クラスのゼミで、テーマは「日本事情」と「やさしい日本語」で「やさしい日本語」とは、日本語でのわかりやすい表現のことで、原則として「敬語を使わない表現」で習得してもらいます。
外国人にとって日本語の敬語は難解です。「ご不明な点はお問合せ願います」は「わからないことは聞いて下さい」「身の危険を感じたら速やかに避難して下さい」は「あぶないと思ったら、すぐ逃げて下さい」など、時には英語で補足説明。それにしても、国立大学の教材にしては、お粗末で・・・・
ある日、私は作業服のまま土木現場から大学に直行して「土木の仕事の後で着替える時間がなかったので」と言い訳をすると、留学生に「日本人はそんな働き方もするのか」と驚かれた。
私は慌てて「違います。これは例外で、私は福祉活動の資金捻出で土木の仕事をしているから」と重ねて言い訳をすると「日本人は真面目で働き者だ、だから経済成長する訳だ」と彼らに感心された。
そんな中、アジアの留学生3人が自転車で私の職場に自閉症の子供のお世話に来てくれた。その時に、彼らが国の親に仕送りをするため建設現場で夜間にアルバイトをしていることを初めて知った。
彼らは土木仕事と大学講師を兼ねて働く私と自らを重ね、少しでも私を応援しようと話し合い、それで来てくれたのだ。私はその優しさに泣けた。そんな彼らと出会えたことが誇らしくも思えた。そして授業中の彼らの居眠りは夜間バイトの寝不足のせいで、私の退屈な授業のせいではなかったことに安堵した。
そんな留学生の大半はアジア諸国からの若者で、私の知る日本人大学生よりは確固たる目的、信条を持っているように思えた。卒業後は彼らのほとんどが帰国したことを届いた手紙で知った。手紙には「遊びに来て下さい」と結んであり、たとえそれが形式の言葉でも嬉しかった。そして母国に戻り日本との架け橋にもなってくれてるかな、などと思いを巡らせた。
大学に出入りしていると、いろいろ思うことがあった。大学に入ることだけを目的に受験テクニックを駆使して入った学生さんと、学びたいことを学ぶために勉強して、その大学に入った学生さん。どちらが正しいかを議論するのではなく、寛容な気持ちでどちらも認め、リスペクトして、そして、そんな彼らとお付き合いがあったことを有意義だったと今になって思う私です。
PS
まだ本調子でないので無理せずに、2年前に書いた記事をリメイクしてアップしました。
♪Can’t Help Falling in Love With You (UB40)
UB40のレゲエのアレンジが心地良い曲
頑張ってる人を好きにならずにはいられませんよね