菊花石というお花が閉じ込められたかのような石があります。

お庭とか床の間とか...立派なお家に

でん!

と置かれるようなイメージの鑑賞石としてのイメージを強く感じる石さんです。

菊花石の母岩は玄武岩が多いということです。

牡丹石がある、というのは知っていたのですが、あまり見かけることがありませんでした。

ある時、大きなオブジェのようなものは見たのですが、

こんなに花びらが大きいから、牡丹ってことなのかな??

とか思っていたのです。

とある業者さんにお話ししたところ、

 

え?中国のより日本の牡丹石の方が綺麗だよ!

 

とのこと。

新潟の牡丹石が有名ということ。

ん~~...私が見たのは、中国のもので、白黒で菊花石を巨大にした感じで...。

 

新潟のは、紫の色してるよ!

 

え?!それは見てみたい!

ということで、その業者さんからお迎えしたのですが。

これから研磨するから待ってね~。

ということで、のんびりと出来上がりを待って、手元にやってきました。

 

 

 

これでも鑑賞石では小ぶりなんだろうけれど...想像より大きかった。

確かに深い色合いが渋くて素敵。

紫、と言っても赤紫。

ピンクに振っている色合いといっても良いのでは?

母が

床の間に素敵ね!

と口走ったほどですから、特に興味がない人間から見ても、綺麗に見えるようです。

こういう鑑賞石の世界は、鉱物マニア的世界ともまた違っているのですが、やっぱり佇まいが良いものは、共通して

良いなぁ

と思えるもののようです。

この牡丹石も、しばらくしたら床の間でその役割を存分に発揮して頂こうか、と思っています。

(床の間、整理しないと...)

 

 

牡丹石を調べてみるのですが、ヒットするのは墓石として貴重だ、というコラムが多いです。

御影石の中でも美しいものを指すようです。

手元にあるのは、鑑賞石の牡丹石。

菊花石もですが、その生成過程には結論がでてないようです。

(工業的とか宝飾的に価値があるわけではないので、厳密に調べられたことがない、ということかもしれませんね)

そんな中でも、たどり着いた説は、こちら。

お花の部分はたまねぎ状に岩石が風化する、たまねぎ風化という現象からなる、という説もあるそうです。

これはきっと透け感のない白い花びらのような姿の場合なんでしょうね。

今回、手元に来た牡丹石は石英っぽい透明部分がしっかりとあり、こちらの説が有力では?と想像。

・玄武岩の中に割れ目ができ、そこに玉髄(カルセドニー)が入り込んだ。もしくは方解石が入り込み、長い年月の後に石英に置き換わった。

・アラゴナイトが玄武岩内に形成されて、それが方解石になり、その後に石英に、という置き換えの可能性。

という2説。

見た目がお花に見えるから、牡丹石、とか菊花石、という名称になっていますが、産出する土地の違いで、その岩石の成分にも違いがあるようです。

中国の牡丹石は、花弁に見える部分を牡丹によせるために、研磨して丸みを帯びたお花に仕上げているものも多い、とも聞きます。

こうなると、花弁が尖っていたら、菊の花で通してもいいんじゃないか、と(鑑賞石の素人は)思ってしまいます。

 

枯れないお花を日々、鑑賞したい、という気持ちは人間のあくなき欲望のひとつなのかな~と思ったりします。

石の中に花を見る。

こういう鑑賞石の世界も素敵かも、と思えた石の出会いでした。