その場に行って、夜を過ごして朝に空気を味わってみたかったんです。
高野山。
何か、雑然とした日々で、頭の中が整理できないでいたようにも思っていました。
もうずいぶん前からの...若い頃から抱え続けている悩みも色合いは変化したようでも深くなり、楽な方法が選択できない状態でもあり、それでも生きていくためのもろもろはついて回ります。
なんとなく...ちゃんとどこかでリセットしよう、とは1年以上思い続けていて、一瞬
黄檗山萬福寺
...??とも頭をよぎったのですが、過去に経験したあのとんでもなく厳しい~~2泊3日を思い出して...
いや、今の状態では無理無理!心はリセットできても、精神的にまた凹みそうだな、と思って...却下。
(萬福寺の修行はとにかく、怒られる!私は歩き方がちょっとおかしいらしく、どんなに気を付けているつもりでもスリッパがぱたぱた鳴るようです。で、「静かに歩けと言っただろうが!!」とスリッパ没収となるわけです...ちょっとまえに脱臼経験しているので、それも足によくない...です、今は。)
今、高野山...いいかもなぁ...
と思ったのです。
最近は、海外から来られた方がたくさんで、ある意味驚きの世界です。
日本のことも海外の方の方がよくご存じなのでは、と思ってしまいます。
もう何か月前かな...高野山に行ったのは...とにかく、忙しい~~時に計画をたてていたので、あっという間に当日がやってきました。
前日もばたばたしていて、「本当に、私、行けるのか?」と思うような有様で、準備もどたばた。
高野山までも、なんだかあわただしく向かい、とにかく初日は奥の院へ!
やはり、日常とは違う世界で、静かで穏やか。
宗教都市、というのも納得です。
祈りや修行のために存在する...という空気。
(観光地化している部分もあるので、完全にすべてが、というわけではありませんが...)
祈り、自分との向き合い、大師様の思いに触れること、誰しもが宇宙の一部であると教えてくださる大日如来様の存在。
自らも世界の一部であることを自覚する瞬間。
リセットにはとても良い場です。
ただ、お参りと写経、阿字観などの修行をこなしていこうとすると、意外にスケジュールがタイトで、ゆったり...という感じが...ない!
写経に至っては、深夜12時すぎまでかかって、半分寝ているんじゃないか、という状態でもくもくと書き続け、終わって窓の外を見たら、どのお部屋も電気は消えていて静か...。(お庭を囲むように宿坊が建っているので、窓の外には他のお部屋のある建物も景色に溶け込んでいます。)
こんな時間まで写経してるのはこの部屋くらい??
と愕然としていました。
そりゃ、早朝6時半からは勤行...。
もう寝てますよね...ふつう。
朝の勤行、護摩祈祷も経験して、修行を致しました!気分に浸れました。
非日常を味わえるのは、確実にリセットに良い機会だったと思います。
お世話になった恵光院さんは、おトイレなどもとてもきれいで過ごしやすい宿坊です。
奥の院にも近く、便利です。
宿坊には、あちこちに島津藩の紋があって、お茶碗にもデザインされています。
あれ~、”ドリフターズ”の豊さんの紋だよね~なんて思っていました。(漫画で知ってるんかい!ですが)
なんでだろ??
その答えは、次の日の朝に分かりました。
事務所の前で、書籍やグッズを見ていたら、お客様のお一人に話しかけられました。
「ここの宿坊は、島津藩のゆかりのお寺だから、この紋がついているんですって。”せごどん”にこの紋、出てくるよね」
と...。
あぁ、なるほど...。
門に掲げてある提灯にもこの紋がついています。
また来たいなぁ...と素直に思えていました。
宿坊の方に「また来ます」とご挨拶をして出ました。
うん。また行こう...。