東京都知事選に関連して「少子化」が話題になることが多くなっています。先日の日本記者クラブでの候補者4人の記者会見でも、「少子化について」が全員に問われました。1分で答えろと言うのは土台無茶苦茶です。1人最低5分は話してほしかったですね。東京都は地方からの人口流入があるので、人口自体はまだ増えていますが10数年後には人口減少に直面すると言われています。

 

さて、人は経済的なインセンティブで子供を作ろうと思うでしょうか?田母神さんの提案は、最初が100万円、2人目200万円、3人目400万円、4人目が800万円というように、作る数が増えると貰える金額が倍々と増えるというのは面白い発想です。でも、4人目を作れば「あの人は800万円目当てで産んだのよ」と見られそうですね。全部で5人作れば3000万円超もらえます。いいですね(笑)。ま、額はともかく、「少子化対策」としてはあり得るとは思います。それで本当に少子化に歯止めがかかるとは思いませんが・・・

※私は「子供を産む」という表現を基本的には使いません。それだと女性の問題のように聞こえる場合が多いからです。なので「作る」という言い方を使います。

 

私はお金も大事ですが、別次元のことを考えました。人間はだれもが例外なく死にます。仮に100歳まで生きたとしても、必ず死にます。もし誰も子供を作らなくなったら、それでその社会は消滅します。“消滅可能性自治体”どころの話ではありません。自分の家が、住んでいる街が、そして国が、ひいては人類が消滅しても、そんなこと俺は知らないという人はごく少数でしょう。

 

人はみんな生きようとします。ほかの動物と同じように。それが自然です。多くの人は国を守ろうとします。それが自然です。個人としてはいつか消滅しても、自分が生まれた社会や文化、そして国はずっと続いてほしいと思います。そう思うのは本能でしょうか?いいや、小さい頃から周りの影響を受けて育ち、学校で勉強し、本を読み、漫画を見て子供は育ちます。つまり、私が言いたいのはただひとつ。少子化対策で、長い目で見て大切なのは広い意味での教育です。

 

教育には時間がかかります。裏返して言えば、学習には時間がかかります。私は不十分ながら、今も学習を続けているつもりです。若い人が教育によって、つまりは学習によって、よい社会を次の世代につなげようと考えるようになれば、子供が欲しくなると思います。育ててみたくなると思います。そして自分よりも、子供たちにこそもっと豊かに、もっと幸せになってもらいたいと思うのは、それは本能というより、教育であり学習の成果だと思います。教育と言ってもいろいろあるので具体的には言及しませんが、教育(学習)を通じて他の人や社会のことを考える人間になっていけば、社会や国の継続と発展のためにはいかに子供を育てることが価値のあることなのかが分かる人が増えると思うのです。その基盤があって初めて経済的な支援策が効果を生むと私は思います。

 

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