ずいぶんと大上段のタイトルにしてみました。日頃感じていることを一番ストレートに表現していると思うからです。
ネット上にはさまざまな政治情報があふれています。中国のような一党独裁の国ではそうでないかもしれませんが、日本に限らず多くの国でそうだと思います。特定の政治家を誹謗中傷するような言説を吐いてもまず咎められることはありません。政権批判ももちろん自由です。逆に政権マンセーも自由です。でも、このところジャーナリストなのか評論家なのか、それとも学者なのかよくわからない人たちの発信を聞いていると、大げさではなく背筋が寒くなってきます。
たとえば高市政権が誕生するやいなや、新総理をまるで日本の救世主のように祭り上げるかのごとき言説があふれかえっています。よく聞いても、どこがいいのか、何に期待しているのかわかりません。今日でも「日本成長戦略本部」を設置したと言うだけで、すぐにでも日本経済が再生して国民の暮らしがよくなると解説していたチャンネルを見て唖然としました。そのうち良くなる可能性はゼロではありませんが、この少子高齢化に歯止めをかけることがまず無理と言われている中での「日本再生」には非常に高い壁が立ちはだかっているのは厳然たる事実です。それを高市総理が会議体を設置しただけで、すぐ良くなるかのように言いふらすことは新興宗教と同じになっちゃうよと思います。とにかく高市さんに対しては無批判な言説が急激に増えました。逆に少数ですが理屈抜きで感情的に批判しているようなものも見られます。どちらも「問答無用」というような寒々しい言動が増えていて、私には耐えられません。
何処がなぜ良くて、どこがおかしい、あるいは問題なのか、それがわからない言論は私は到底受け入れる気にはなりません。このところネット上の政治的言論空間は異常な過熱ぶりを呈していて、よほど心してファクトをチェックしておかないと、あっという間に罠にはまって洗脳されてしまうだろうと思います。
私は時の政権に対する評価、というか感想は、是々非々でいこうと常に思っています。政治の良し悪しはあくまでも結果によって評価するものです。たとえば先日の日米首脳会談についての感想を素人の私も書きましたが、元外務省主任分析官の佐藤優氏は概ね以下のようにyoutubeで語っています。
「日米の首脳会談で共同声明や共同記者会見がなかったということは今までありません。それなのに成功だったと言っている外務省幹部や官邸はどうかしていますよ」と。プロらしい発言です。私なんかは全く気付かない視点です。確かに共同声明も何もないのに、いったい何を合意したり前進したりしたというのでしょうか。「最高の関係にある日米関係をさらに高めていく」というような表現で高市首相は語っていたと思いますが、「これまでいろいろ問題もあったが、これからは最高の関係を築いていく」というのだったら日本語としてまともです。でも、すでに最高だというものをもっと最高にするって・・・・何を意味するのか全く分かりません。単なるレトリックですかね?今は最高ではないから最高を目指したいのなら分かりますけど。いかにも理性を欠いた感情論に終始した日米首脳会談だったことがその一点からも見えてしまいます。
私が恐れるのは、そういう理性ではなく感情に訴える政治が大手を振ってまかり通ることです。もともと政治にはそういう要素があることは確かで、その最たるものは小泉純一郎元総理が国中を沸かせた「郵政解散」の「劇場型政治」と言うものですね。高市さんは小泉政権の新自由主義的な政策と安倍政権の(中途半端な)右寄り政策+金融緩和政策の両方の要素を併せ持っている政権のようです。一部で言われている核武装は、アメリカが絶対に日本の核武装を認めることはないので心配ないですが、高市政権は結果的には(サッチャーのような)弱者切り捨ての経済政策になっていく可能性がありそうで、強力なチェックが必要だと思います。
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