めでたく結婚したばかりだと言うのに、こんなタイトルを見ると驚かれるかもしれませんね。Yを診てきた精神科の医者が、私たち2人に心理療法士のカウンセリングを受けるように2か月ほど前に勧めたのです。昨日がその予約日でした。

 

Yは「鬱病」の診断を受けていたのですが、去年の9月に私と付き合うようになって以来、嫉妬で時々感情を爆発させることがあるので「鬱病」という診断を取り消されました(精神科の診断なんて、そんなもんです)。以前恋人のいない時のYは精神状態が安定していたのに、私に出会って感情のアップダウンが非常に強く現れるようになったのです。

 

アメリカ人などは自分がちょっと精神的に問題があると思えば、すぐ専門家のカウンセリングを受ける習慣があるようです。でも日本人は比較的馴染みがないと思います。私も全く経験がありませんでした。Yの主治医の女医さんは「お二人が結婚するのなら、一度二人でカウンセリングを受ける方がいいでしょう」となって、紹介状を書いてくれたのです。

 

前置きが長くなりましたが、昨日行った病院はチェンマイでは有名な精神科の専門病院です。外来には結構たくさんの人が来ていました。仏教国らしく、病棟の近くには仏様がありました。5階建てのビルの奥に外来病棟が別にあります。

 

 

私は初めてですが、Yは2か月前に一度、一人でカウンセリングを受けています。予約の時間が来ると、まず彼女一人が同い年くらいの女性心理療法士の面接を受けました。40分くらいでしょうか。そのあと私も部屋に呼ばれて、2人が並んで面接を受けました。最初心理療法士はタイ語だったのですが、私のヒアリング能力が追い付かないので、途中から英語に切り替わりました。流暢な英語でした。

 

Yがどんな話をしたのか、それはすぐにわかりました。私が6年前に結婚して、その後離婚したにもかかわらず何度も復縁したMのことです。Yは、私がまたMとヨリを戻すのではないかという不安に苛まれていたのです。それがYの精神状態を不安定にさせている原因だと心理療法士は断定しました。そして私に質問しました。

 

「今すぐお答にならなくても、家に帰ってからYさんと話し合っていただいても構いません。どうされますか?」

 

「私は何を聞かれても全然平気ですから、どうぞ」

 

すると心理療法士はこう聞きました。

 

「Mさんのことを貴男は今どのように思っていますか?もしMさんが再び貴男の前に現れたらどうされますか?」

 

もちろんYは横で聞いています。私は心理療法士とYの両方に目をやりながら即座に答えました。

 

「もしMが私の目の前に再び現れることがあれば、『ハロー、どうしてる?元気でやってますか?』と声をかけるだけでしょう」

 

さらに心理療法士は私に問いかけました。

 

「貴男は多くの女性と付き合っても、何故いつもMさんとやり直すことを繰り返したのですか?」

 

とても鋭い質問だと思いました。「これだ」という答えがあるわけではありません。自分でも分からないからです。

 

「多くの女性と言っても、真剣に付き合ったのはM以外では3人だけです。私は決して金持ちではありませんが、殆んどの女性は金目当てという感じがぬぐえなかったのです・・・」

 

突っ込みどころのある答えです。「じゃあMさんはお金目当てではなかったのですか?」と聞くこともできたでしょう。でも心理療法士は突っ込みませんでした。

 

「Yさんとは、これからどうしていくつもりですか?」

 

「私が生きている限り、ずっと一緒に暮らして、お互いに面倒をみるつもりです」

 

「貴男はYさんのどこが良くて結婚しようと思ったのですか?」

 

この質問に対しては少しだけ考えて、いくつかの理由を述べました。1か月ほど前にこのブログに書いた理由とほとんど同じです。

 

心理療法士は最後にYに聞きました。

 

「彼の答えを聞いてどんな気がしましたか?もやもやした気持ちが晴れましたか?」

 

Yは終始笑顔でした。そして「はい。すっかり気持ちが軽くなりました」と答えました。そして私に向かって「ごめんなさい」と言いました。私はYの目を見て、「貴女が謝ることはひとつもない。ただ、人は過去にこだわって生きてはいけない。今が大事だ。将来のことは神様しか分からないけど、今を信じて生きなければいけません」と、なぜか諭すように言いました。なぜそんな言葉を吐いたのか、自分でもわかりません。ただ、昨日の自分の言葉に一点の嘘もないことは確かでした。

 

最後の方で私が「7年前に亡くなった妻のカタイも嫉妬深い女でした。何度かモノを投げつけられたことがあります」と言うと、心理療法士もYも大笑いしました。

 

 

昨日は夕方、また近所の和食店「NARUTO」で食事しました。

 

 

私は久しぶりにカツカレー、彼女は大好きなアジフライ定食でした。そう言えば急に思い出したのですが、亡くなったカタイは和食の店に行くといつもアジフライ定食を頼みました。値段の高い刺身や寿司を遠慮したのもありますが、やはり好きだったのでしょう。嫉妬深さだけでなく、食べ物の好みも似ています。

 

昨日カウンセリングに要した時間は全部で1時間15分でした。Yの社会保険が適用されるのでタダでした。二人でカウンセリングを受けてとても良かったと思います。

 

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