昨日、仏像の“鋳造式”(タイ語でロー・プラ)に初めて参加しました。チェンマイ市の北東にあるドイサケットのお寺で、高名な「ロン・プ・ドゥー」の仏像が作られました。

 

ロン・プ・ドゥー

 

ロン・プ・ドゥーについてはブログに何度も書きました。1990年に亡くなった超有名なお坊さんです。Yの信仰の対象なので、わが家にも写真がたくさん飾られています。

 

 

儀式は午後5時の予定でした。4時半ごろにそのお寺に行くと、既にたくさん人が集まっていました。

 

 

金の紙?に自分や親族の名前と生年月日を書きます。だいたいは既に亡くなった人の供養のためですが、生きている人の名前を書いてもいいそうです。私は自分のほかには亡くなっている父母と兄、そして妻だったカタイ、さらに存命で日本にいる姉の名前を書きました。

 

 

たくさんの名前が書かれたこの金を大量の真鍮に溶かして仏像を作ります。

 

 

PM2.5で空気が悪い中、午後5時に儀式が始まりました。

 

 

私は初めて見るので現場の近くまで行きましたが、多くの人は建物の中で手を合わせて、遠くから鋳造の儀式を見守ります。

 

 

今回作られる仏像はそんなに大きくはなくて、ご覧の白い型に金銀の溶けた真鍮が流し込まれていきます。真ん中の大きな窪みに流し込むのではなく、直径10センチくらいの小さな穴に流し込んでいきます。作業するのは仏像鋳造が専門のプロです。素人では危なくて扱えませんね。

 

 

流し込みの作業が終わると、お坊さんや信徒代表が花弁を投げ入れ、お祈りして儀式は終わりました。

 

私は仕組みがよくわかりませんが、内部に流し込まれた真鍮が固まったら白い型を壊して仏像を取り出すのでしょう。固まるまでそんなに時間はかからないそうです。

 

 

儀式が終わったあとは、空調のきいた別室に移り、午後6時からチェンダオのお寺のロン・タ・マーと一緒に1時間のお祈りをしました。

 

ロン・タ・マー(79歳)

 

この日の仏像作りの費用は、チェンダオの洞窟にあるお寺「ワット・タム・ムアン・ナ」のロン・タ・マーが出しています。お金がなくてちゃんとした真鍮製の仏像が作れないお寺のために仏像を作ってあげているのです。

 

話が戻りますが、金の紙に縁のある人の名前を書いて、その金が真鍮に溶けて仏像の中に含まれることによって亡くなった人の供養になったり、生きている人であれば、何かいいことがあると信じるのは非科学的ではありますが、そもそも信仰とは心の問題なので、とてもいい儀式だと思いました。仏教にせよキリスト教にせよ、よい宗教は人の心を最も大切にしなければならないことを教えているのだと思います。親の供養も忘れてはいけませんね。

 

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