(昨日からの続き)

 

土曜日にタイの最高峰ドイ・インタノンを制覇したあと、翌日曜日はチェンマイの真北にあるチェンダオへ向かいました。目的はミャンマーとの国境近くにある洞窟の寺「ワット・タム・ムアンナ」です。寺までの距離は120キロ、朝8時半に出発して10時半に着きました。

 

 

ワット・タム・ムアンナは山の洞窟を利用して建てられた寺です。この写真は5階建ての寺の最上階から地上を見下ろしたもので、写っている寺院の建物は後から建てられました。見えている山の向こう側はミャンマーです。国境がすぐそばなのです。

 

 

5階建ての建物を上がっていくと、5階に本堂の洞窟があります。その奥に祭壇が設けられています。

 

毎朝6時、10時、13時、15時半、18時、19時半の6回、1時間ずつの祈りの時間が設けられていて、人々は5階の洞窟の祭壇に向かってお祈りします。

 

ロン・プ・ドゥー

 

寺に集った人々は高僧ロン・プ・ドゥー(1904-1990年)の作ったお祈りのメロディーに合わせてバーリー語のお経を唱えます(チャントと言います)。録音されたお経の音声が流れてくるので、それを聞くだけで、声を出さずに1時間瞑想する人がほとんどです。

 

 

この寺は毎日6回のお祈りの時間になると、その様子をYoutubeでナマ配信しています。これは私と友人、Yと彼女のお姉さんの4人が寺に着いて、Yを先頭に洞窟の祭壇に向かうところです。Youtubeの動画を静止画に切り取りました。祭壇では寺に着いたご挨拶として4人で蝋燭を捧げ、手を合わせました。

 

 

祭壇から戻ってくるところもバッチリ写っていました。そのあと私たちは椅子に腰かけて30分ほど瞑想しました。はじめてそのバーリー語の祈りの音声を聞いた友人は「普段耳にする読経とはだいぶ違って、音楽のようで心が休まりますね」と感想をもらしていました。

 

私は去年の10月にYと一緒にこの寺に4日間滞在しました。1日に何度もお祈りの音声を洞窟で聞いたのですが、バーリー語の意味が分からなくても、不思議と心が洗われるような気分になって飽きませんでした。そして今では、バーリー語のお祈りを完全に諳んじて唱えることができます。

 

このあと私たちはワット・タム・ムアンナで食事した後、少しだけチェンマイ方面に戻って、「チェンダオ洞窟」を訪問しました。こちらは観光地としてよく知られており、日曜日ということもあって、たくさんの観光客が来ていました。

 

右が九州から来た友人

 

入り口から洞窟の奥までは360メートルあり、途中たくさんの仏像に出会いました。ただ、ここは先ほどの寺とは違ってお祈りの音声などはなく、シーンとした空間で、温度も外とは違って程よくひんやりとしていました。

 

途中でもうひとつの有名な寺に立ち寄ったあと、夕方チェンマイに戻った私たちは大きなベトナム料理店で食事しました。車のスペースの関係でチェンダオに一緒に行くことができなかったYの従姉も誘いました。

 

 

左が従姉のY、真ん中が私の恋人のY、右がお姉さんのYです。年齢は3人とも40代後半です。従姉のYは10年前に宝くじで2400万バーツ(いまなら約1億円)を当てて僅か5年でなくしたという悲喜劇の経験者です。

 

タイ語がほとんどできない友人は、スマホの音声翻訳機能を駆使して向かいにいる女性たちとの会話を楽しんでいました。とくにYに対しては、彼女の運転技術をべた褒めでした。私の運転が安全重視、慎重派なのに対して、彼女は緩急、メリハリのきいた高度な運転テクニックを持っていると持ち上げました。それを聞いた彼女も嬉しそうでした。私は「お客さんが一緒だから慎重運転に徹しただけだよ」と少々反論を試みました。でも12月に二人でカーチェイスを演じた私としては、彼女の運転技術は認めざるを得ません。

 

4年ぶりに会った友人との4日間はそれこそあっという間に過ぎました。今回はゴルフは1回だけ。お酒を酌み交わすこともなく終わりました。でも初めてチェンマイ市内から少し遠出をして、ゴルフと酒だけでは全くわからないチェンマイの魅力を味わってくれたのではないかと思います。

 

最後の日にYは空港で、「ワット・タム・ムアンナ」を建てた高僧ロン・タマが自ら作ったお守りの首飾りと、その師匠の故ロン・プ・ドゥーの写真を友人にプレゼントしました。ガソリン代や食事代などをすべて負担してくれたお礼の意味もあるのでしょう。今度また会うときは、ゆっくりと洞窟の寺で一緒に瞑想できればいいなと思います。とはいえ、今度こそはゴルフと酒をじっくりと楽しみたい気も当然あります。

 

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