今朝、1か月前に日本の病院で亡くなったHさんの葬儀が行われました。場所はタイ人の奥様の自宅から近いお寺でした。

 

 

 

Hさんは公務員でしたが、ゴルフが三度の飯と同じくらいに大好きで、サラリーマンを辞めてニュージーランドに1年間ゴルフ留学した後、日本のティーチングプロ試験に見事合格し、少年少女を中心にたくさんの若者の指導をされました。教え子の中に、いま女子プロの世界で活躍している選手が何人かいます。

 

 

遺品のゴルフクラブやゴルフシューズ

 

Hさんは10年近く前にチェンマイに移住してからは、こちらに暮らす日本人相手にゴルフを教えていました。私の知り合いが日本から来た時などは、声を掛ければ気軽に一緒にプレーしてくれました。人柄がいいのでゴルフ好きの多くの日本人に好かれていました。

 

移住して間もなく前立腺癌が見つかり、日本の病院で手術を受けたり、放射線治療を受けたりして療養しながら、自分のゴルフもレッスンも、変わらずに続けていました。ただ癌が見つかってからは、外国で一人暮らしをする不安もあって、キャディーをしている初婚のタイ人女性と6年前に再婚しました。悪性の前立腺癌だったので予後はあまりよくないと本人も悟っていましたが、まさか急激に悪化するとは思ってもみませんでした。突然の訃報に奥様の悲しみはいかばかりだったかと思います。

 

Hさんとの一番の思い出は、彼がまだタイに移住する前のことです。下見でチェンマイに来た折に、当時私が会員になっていたメジョー・ゴルフクラブというところで初めて一緒にプレーしました。最初のホールは、プロとして私にいい所を見せようと思ったのかどうかはわかりませんが、彼はダブルボギーになってしまいました。ところがその次のショートホールで打った彼の球はピンに30センチ。あわやホールインワンでした。「流石プロだな」と感心したのと、私の知らない間に彼は下手な私のスイングをスマホで動画撮影していて、あとで見せてアドバイスしてくれました。それ以来、一緒にコースに出ると必ず一言二言アドバイスをくれました。決して多くを語らず、でも改善のヒントを的確に指摘してくれる人でした。

 

Hさんと一緒にプレーしたのは、今年の2月が最後でした。私のブログがキッカケで知り合いになった人はゴルファーを中心に何人かいますが、また一人鬼籍に入ってしまいました。何とも淋しい思いです。70代前半は早すぎます。せめて85歳くらいまでは元気でいて、世界の変りようを見届けないと人生勿体ないと思います。

 

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新しい政権が誕生すると“ご祝儀相場”と言って株価が少し上がることが普通なのだそうですね。ところが予想通り株価は下がっているので、「石破政権の経済財政政策の前途に暗雲」とか、さも日本経済が悪化するかのように書いている記事が散見されます。本当に株価が下がると経済が弱くなっていくのでしょうか?

 

経済音痴の私は何も語ることは出来ません。でもひとつだけ言えることがあります。円高で株価が下がるのは輸出関連企業ですよね。多くは大企業です。円安誘導のアベノミクスで輸出企業が大儲けした分は労働者には分配されず、設備投資や先進的分野の研究にも回らず、ひたすら奥深いところに内部留保されたのだろうと推察されます。庶民に還元されなかったので消費が伸びない。それが日本経済の行き詰まりの最大の要因だと私は考えています。そういう観点からすると、円安で株価が上がるよりも、むしろ円高で物価が安定する方が消費が増えるので、日本経済にとってはいいのでないかと考える方が自然でしょう。

 

ところで、ちょっとした株価の上がり下がりでメディアが大騒ぎするのはどうでしょうか?投資信託は全人口の約10%、投信以外に株を持っている人を加えると、(狭い意味での)投資に縁のあるのは全人口の26%程度となっています。つまり株価の上下で多かれ少なかれ影響を受けるのは全人口の4分の1に過ぎません。あとの4分の3の人は直接的には株価の変動にかかわりがないわけです。

 

経済評論家の森永卓郎さんは「株は博打と同じで中毒になる」と警鐘を鳴らし続けています。株は色々情報を集めて分析して頭を使うゲームだと思いますので、博打とは別物でしょう。でも素人は損をすると熱くなって理性を失う可能性が人によってはありますね。その点では森永さんが言う通り、ある種の中毒になる危険性があるでしょう。

 

為替は上ったり下がったりを繰り返すのは当たり前です。上がりっぱなし、下がりっぱなしになったことは資本主義の歴史上、デノミを除いて一度もないと思います。株価も同じだと思います。刺激的な政策(アベノミクス)によって過剰に円安・株高に振れていたのが今は正常運転に向かって動き出したということでしょう。

 

円安の影響で株価が上がったから日本経済が順調で、逆に円高の影響で株価が下がったから経済が弱くなったとは言えないと思います。基本は企業の業績と将来性によって株価が決まっていくのが健全です。しかも為替は1ドル120円~130円が妥当だと考える経済学者、アナリスト、大物の企業経営者が結構いますから、為替がたった数円上がったからと言って大騒ぎしたり、株価が少々動いたからと言って何か問題が起きているかのように報道するのはどうかと思います。メディアは政治的なアジテーションのために為替や株価の動きを必要以上に強調するのはやめた方がいいと思います。

 

私はいつも言っているように経済の素人なので、今書いたことがどれくらい真実に迫っているのか自信はありません。このブログは、とくに政治や経済のことについては、いつも頭の体操のつもりで書いていることが多いのです。でも全くの出鱈目というわけではありません。少しずつ勉強して世の中の真実を追求していきたいと思っています。

 

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昨日、二人で和食ブッフェを食べに行きました。2週間ほど前にYの従姉と3人で一人399バーツのブッフェを食べたのですが、今回は別の店で、一人699バーツと格が上がりました。Yが政府からの1万バーツをゲットしたからです。

 

Yは1万バーツのうち2000バーツをお寺に寄付しました。あとは昨日を含めて和食ブッフェを2回(約3000バーツ)の予定です。そして私が飲みたいと言っていた赤ワイン(約1000バーツ)を買ってくれることが決まっていて、残りの4000バーツはY自身の化粧品などに消えていくのでしょうか。

 

店の名前は「HASHI(箸)」です。

 

 

チェンマイ市内とメーリムの中間くらいの場所にあります。なかなか日本的な佇まいです。

 

 

 

 

 

 

今まで食べた和食ブッフェの中では一番新鮮な生カキや刺身、そして寿司でした。サケの兜煮や焼き鳥も美味しかったです。最後のアイスクリームは絶品でした(なぜかそれだけ一人1個に限定でした)。タイ人のシェフは30年間も日本で修業した人です。従業員もとても丁寧な対応でした。何度も「料理はいかがですか?新鮮ですか?」とYに聞いていました。おすすめ料理も教えてくれました。また行ってみたい店のひとつです。

 

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少しまた政治の話を書いておこうと思います。ハッキリ言ってネットでバズる人物は選挙ではまだ1位になったことがありません。7月の東京都知事選挙では、石丸伸二さん関連のyoutubeが、本人の公式チャンネル、切り取り動画を含めて1億5千万回も再生されました。今回の自民党総裁選では、圧倒的に高市早苗さんを持ち上げる動画が出回って再生されました。小泉さん批判の動画も多かったです。一方石破さん関連は目立たなかったです。

 

都知事選では、ネットだけを見ている人はひょっとして小池都知事に勝てるのではと思ったはずです。自民党総裁選についても、「これで日本は初の女性首相の誕生だな」と感じた人が多かったのではないでしょうか。その証拠に昨日の総裁選の最中に急に円安になり株価が上がりました。これは明らかに円高に反対していた高市さんが勝つと読んだ投資家が多かったからです。そして2回目の投票で石破さんの勝利が確定した途端に3円以上の円高に進み、株価は少し下がりました。リアルタイムで見事な現象を見せられました。

 

石丸さんの時も、今回の高市さんも、ネットだけ見ていると、まるで国民の圧倒的多数が支持に回っているように錯覚させられます。その錯覚によって熱狂する人が増え、さらに熱狂は増幅されて行き、やがてそれが現実的な数字になって表れ始めます。石丸さんの何がいいのか、高市さんのどこがいいのか・・・そんなことを深く考えない人もどんどん支持者になっていきます。言っちゃ悪いですが盲目的に、つまり新興宗教の信者になってしまう人のように、理性ではなく感情で動かされるようになります。ちょっと怖い話ですね。

 

例えば石丸さんに関しては、安芸高田市長に当選したころにまで遡って発言を調べれば、その人となりや基本的な考え方について知ることができます。決して「恥を知れ、恥を!」と言い放つイメージだけに惑わされずに正しく人物評価できるようになります。高市さんについても、彼女の松下政経塾時代のことを知っている人の人物評価は参考になります。私が得た情報は「普通に人情のある女性だった」という一点だけでしたが・・・

 

同じ人物について様々な正反対の情報が溢れるネット。デマを含む玉石混交の情報が氾濫しているネットに関しては、とにかく右でも左でも、好きでも嫌いでも、多様な情報に接して、どれが真実に近いのかを自分の頭で考えて判断するしかありません。決して何かに洗脳されないように、用心深くネット情報に対処する必要があると思います。政治情報に限りません。健康に関する実用情報も注意が必要です、鵜呑みは危険です。今日は自戒を込めて書いています。

 

総裁になった石破さんについては賛否両方の意見がネット上にあふれています。テレビを見ていると、総裁になった途端に歯切れがだいぶ悪くなったなと私は思います。それは仕方ないなと思いつつ、でも今後が心配だなとも思います。高市さんがなっていれば、もっと心配だったかもしれません。

 

さて石破総裁誕生、高市敗北を機に、長く言われ続けてきた自民党分裂の可能性はどうでしょうか?できれば自民党だけでなく(公明党や共産党などは別にして)既成政党がいったん解体されて、もう一度昔の、つまり戦前の「立憲政友会」と「憲政党」のように?保守とリベラルの二つの政党に再編成されないかなと密かに期待しています。いまの自民党はとっくに賞味期限切れですし、立憲民主党は存在感を失っているでしょう。自民党で言えば、同じ政党の中に“ガチガチ保守”と“ほとんどリベラル”が同居しているのは不自然で、国民は選びにくいと思います。

 

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ネットで自民党総裁選の中継を途中から見ました。一回目の投票の約30票差を逆転して石破さんが総裁に当選し、来月1日には日本の総理大臣に就任することになります。

 

1回目では予想に反して党員票は高市さん109票、石破さんは2位の108票でしたね。意外と言えば意外です。自民党員の高市さんへの評価は結構高かったということ。それで2回目は議員票がどちらに多く行くか?だったのですが、私は石破さんが逆転することは何故か読めました。小泉さんを支持した議員がそう簡単に高市さんに行くとは思えなかったからです。もっと言えば、菅さんの影響が大きいでしょう。派閥が見かけ上はなくなったとはいえ、岸田さんも少し絡んでいるでしょう。「高市対石破の決戦なら石破へ」という意向があったはずです。麻生さんが高市支持に変わったと報道されましたから。権力闘争とはそういうものです。

 

まあ自民党としては順当な結果ではないかと思います。高市さんでは不安定要素があまりに多かったですから。これで近く衆議院での石破ー野田の論戦が注目されると思います。野党としてもなかなか攻めにくくなった観はあります。なぜなら石破さんは安倍政治からの転換を考えているからです。経済政策で攻めるのは少しむずかしくなります。石破さんが最低賃金を1時間1500円に2020年代のうちに実現すると明言していることも攻めにくい理由の一つです。石破さんなら日銀も不当なプレッシャーをかけられなくて済むでしょう。

 

問題は石破政権が裏金議員の扱いをどうするか、そして政治資金問題にもう一度メスを入れるつもりが本当にあるかどうか・・・次の選挙で如実に可視化されるのでひとつの山場になります。その対応を誤ると野党からも国民からも攻められることになるでしょう。

 

もうひとつは税の問題ですね。金融所得課税の強化を本気でやろうとするのでしょうか?誰を財務大臣に起用するかも注目です。つまり財務省との距離感がどうなるか興味津々です。余り思い切ったことはできないように思います。茂木さんが言ったような「増税ゼロ」の内閣にはならないでしょう。高市さんが言った「当面は増税なし」なら石破内閣でも可能性はあるでしょう。

 

一番の注目点はアメリカとの関係、そして中国との関係です。これは誰も異論がないでしょう。11月にアメリカ大統領が決まり、来年1月には大統領就任式があります。その時は日本は石破総理大臣の可能性が大きいのでどういうことになるのか、非常に注目します。中国との関係では、これまで以上に問題が積もってきていますので、いつ首脳会談が行われるのかが、まずもって注目点です。

 

三流の政治評論家みたいな記事になってお恥ずかしいですが、もう一つ言えば、この石破政権が短命に終わるか、それとも案外と長持ちするのかどうか・・・私はその一点をアメリカや中国との関係においても最も注目していきたいと考えます。よほどの失策がない限りは、とりあえずは長持ちすることが日本の国益にとって大事だと思います。

 

これで「石丸伸二地方創生大臣」の目はなくなりましたね。もし石破さんに人を見る目があって、ただならぬ政治的勘が働けばまた別でしょうけれど。

 

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我が家の前の浸水は一日で改善されました。道の両端だけはまだ数センチ水に浸かっていますが、今朝の雨でも水嵩はほとんど増えませんでした。排水がうまくいっていると言うことでしょう。でもYのお姉さんの家の庭の水はまだ引いていないようです。


さて、今日は自民党の総裁選。昨夜、いろいろなyoutubeを見ていたら、小泉さんはすでに脱落したとか、やっぱり石破さんと小泉さんの決選投票になるとか、人それぞれ「ここだけの特ダネ」とか言って勝手なことを流布していました。私としては、この3人とも“帯に短し襷に長し”なので、とくに肩入れしたい人はいません。

 

でも強いて言えば、自民党としては、ここは石破さんで行く方が無難ではないかと思います。高市さんだと、来たるべき予算委員会は相当に紛糾すると思います。衆議院選も苦戦する可能性があります。裏金議員と統一教会系の議員との関係性もありますが、やはりアベノミクスを継承するという経済政策(サナエノミクス?)の問題がどうかということになると思います。今のところ増税路線の否定はいいのですが、やがて社会保障の分野に手を付けてくることは間違いありません。

 

高市さんの場合は中韓との軋轢もすぐに顕著に出てくるでしょう。私が心配するのは、中国が今以上に軍事的に挑発してくるのではないかと言うことです。もちろんすぐに戦争になることはないですが、日本の世論も反中国の方向に大きく振れれば非常に危ういでしょう。高市さんが好戦的な人物なのかどうかは知りませんが、政治家としては柔軟性に乏しく、妙に頑固な性格が見え隠れしているところが気になります。「総裁として靖国神社に参拝する」と公言してみても、右翼を喜ばせる以外の何のメリットも国民にはありません。

 

小泉さんは・・・一言で言えば、やっぱり10年早かったです。石破さんは本人が言っている通り、最後のチャンスですから必死でしょう。古い自民党的な議員の一人ですから期待できるとは思いませんが、日本を変な方向に持っていくことにはならないでしょう。

 

もし高市さんが選ばれるとすれば、当面の衆議院選を自民党が勝ち抜くために、全国的に無党派層に浸透している石丸伸二さん(42)を内閣府・地方創生大臣に思い切って起用すればいいと思います。高市さんは石丸さんとは案外相性がいいかもしれません。内閣府の優秀な役人ともうまくやっていけるでしょう。それに石丸さんの都知事選挙の選挙参謀だった藤川晋之輔さんが高市陣営のアドバイザーになってますから、既にパイプがあります。この提案は全くの蛇足ですが・・・

 

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昨夜、耳にしたことのないような豪雨の音で目が覚めました。そして今朝起きて外を見てみたら、家の前はご覧の通りです。

 

 

 

まだまだ洪水と言うには程遠い水の浸かり方かもしれませんが、10センチに満たない深さでも、この水が引くまでには相当の時間がかかるのではないでしょうか。

 

今朝まずYがしたことは、100メートル離れたお姉さんに電話しました。お姉さんはいつも寝坊で、だいたい9時ごろに起きるので洪水に気づいていない可能性があったのです。そしてその通り、自分の家の庭が15センチほど浸水していることを知りませんでした。

 

その次に、Yは我が家にあった食材で和風焼きそばを作り、パンや缶詰と一緒に歩いてお姉さんの家に届けに行きました。そしてこれからお姉さんのバイクをわが家の駐車スペースに避難させるつもりのようです。それが終わると、今のうちにスーパーに行って食材を買い足そうとしています。一昨日大きなスーパーに行ったのですが、そのときは我が家にまで水が来るとは思ってなくて油断しました。

 

現在チェンマイはかなり広い範囲で水に浸かっているようです。幹線道路は全く問題ありませんが、狭い路地では相当深く浸水しているところがあると思われます。予報によると、明日までは雨天が続くので、浸水が収まるのは来週以降になりそうです。回復するのは来月になるかもしれませんね。水道などのライフラインに影響が出るかどうか、それが心配です。

 

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昨日からチェンマイの中心部が水に浸かってしまいました。私の住んでいる付近の状況は、Yのお姉さんの家の敷地内に一時深さ数センチの水が溜まりましたが被害はありません。そこから100メートル離れた我が家は全く影響を受けていません。

 

チェンマイ市内の今朝の様子(Thai PBS ニュースより)

 

このところ雨が毎日断続的に降っているだけでなく、市内中心部を流れるピン川が北部からの濁流で増水し、昨夜ついに街にあふれ出てしまいました。酷い所では50センチ以上水に浸かっているようです。

 

Thai PBSニュースより

 

タイ人の友人からの情報では、半年ほど前に私が住んでいたハンドン地区の住宅街付近が浸水し、知り合いの家も水に浸かっているようです。

 

半年前まで住んでいた付近の様子(一昨日LINEで届いた写真)

 

私の記憶では、日本から移住する前の2011年、タイはチェンマイを含む北部からバンコクまでの広い範囲で大洪水に見舞われました。チェンマイでは、その後も4~5年おきにこのような中規模の洪水が起きています。今年はこれまでチェンマイより北のチェンライ県の洪水が目立っていたのですが、チェンマイも無縁ではありませんでした。

 

私が感心するのはチェンマイの行政機関の素早い対応ぶりです。雨の降り方を予測して早めに警戒の情報を出すのは当然ですが、河川の氾濫が予想される場合はハザードマップを添付して「あと6時間でピン川は危険水域に達します」というようなお触れを出します。その情報はフェースブックに出るだけでなく、私の住んでいる地域ではただちに全戸にLINEでも周知されるようになっています。地区の選挙で選ばれた“プーヤイバーン”と呼ばれる行政の末端の責任者が知らせてくれるのです。

 

もう一つ感心したことがあります。Yのお姉さんの家の庭が2センチほど浸水した時点でYが地区役場に行きました。念のために土嚢がほしいと言いに行ったのです。するとすぐに役場の職員が車で土嚢を家まで届けてくれました。「足りなければいつでも連絡してください」と言われたそうです。土嚢を求める家は結構多いはずですし、私の家の周りでも、浸水してなくても予防のために土嚢を少し積んでいる家があります。それもきっと行政が運んできてくれたものでしょう。とにかく洪水に対する行政機関の対応は、きめ細かくて素早いなと感じました。それに住民も備え方をよく知っていると言うことでしょう。

 

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今日は立憲民主党の代表選です。4日後には自民党の総裁選があります。昨日初めて立憲候補者のネット上の討論会を見ました。4人が意外と和気あいあいと議論しているので、自民党の討論とはだいぶ趣が違っていました。政権与党の緊張感がないのでノンビリしているのかもしれませんね。

 

自民党の方は“アベノミクス継承”を高々と掲げ、またまた時代に逆行して政策金利の引き下げを主張している高市さんの人気がなぜか高まっているようです。“新自由主義者丸出し”の進次郎さんと“軍事オタク”の石破さんに伍して闘っているようですね。私が評価している林さんと茂木さんは箸にも棒にもかからないようです。

 

要するに、与党も野党も権力闘争に過ぎません。言っているそれぞれの政策も、有権者である国会議員や党員の支持を取り付けるための戦略的発言であって、今は自分が権力を手中に収めることしか頭にないでしょう。選挙ですから、それは当然です。しかし、政治そのものが権力闘争丸出しになったら国は終わります。だから一応は同じ政党内の戦いが終わったら「ノーサイド」を宣言するわけです。そしてまた新たな権力闘争を始める“懲りない面々”が政治屋なのです。

 

さて目を足もとに転じると、わが家ではYと私の権力闘争がずっと続いている観があります。生活スタイルや家計をめぐっての闘争ではありません。「どちらがどちらを従属させるか」という戦いです。ハッキリ言って、私とYとでは考え方や価値観がかなり違います。「夫婦は仲良くすべし」という点では一致できますし、お金の使い方に関しても考えはそれほど違いません。どちらも倹約路線です。

 

生活の基本姿勢についてはあまり乖離がないのですが、たとえば男女関係とか、宗教についての考え方などには相当の隔たりがあります。でも私の方が自分の考えを主張せず、あえて相手に譲歩しています。政治的信条が対立しているわけではないので、権力闘争という言葉が適切ではないかもしれませんが、平たく言えば、“人生観”は相容れない部分があるように感じます。それでも生活の面ではお互いに大きな不満がないので何とか夫婦でいられるのだと思います。

 

この「夫婦の人生観の相違」についての話は、またおいおい書いていこうと思います。とりあえず今のところは、政治の権力闘争の決着に注目しています。もちろん与党の方の闘争です。

 

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今ネット上では自民党の小泉進次郎さんのことを「アホ」と呼ぶyoutuberが相当数見られます。「アホ、アホ、アホ」・・・どんな主張をしてもそう書かれます。「バカ」はきつ過ぎるとして「アホ」を使っているのかもしれません。

 

「アホ」は正しくは「あほう」と言って、漢字で書けば「阿呆」です。元々は私が生まれた関西の言葉だと思います。京都では「お前バカか」とは決して言わず、「あんたアホか」となります。音で聞くと、そんなに相手をバカにしている感じではなく、柔らかいトーンになります。

 

私は進次郎さんは「アホ」「バカ」というよりも、“戯けもの”だと感じています。「たわけ」の意味をネットで調べてみるとこう書いてありました。

 

・・・「たわけ」は、考え違い、心得違い、思慮の不足などから、おかしな言動をしている相手などを侮蔑(ぶべつ)していう語。 「馬鹿」や「あほう」にくらべて知能そのものが低いというより、人格的に足りないための愚かさをいう気持ちが強い・・・(下線は筆者)

 

相手を侮蔑している点では「アホ」「バカ」とほとんど似ているのですが、「頭が悪い」と言う意味ではないようです。その点では、進次郎さんはそれほど頭が悪いとは思わないので「バカ」「アホ」は当たらないのではないかというのが私の結論です。「たわけ」です。「思慮の不足」です。

 

今回の自民党の総裁選の討論会をいくつか見ていますが、私としては細かい政策の話はともかく、誰が自分の頭で考えたことを自分の言葉でしゃべっているかと言う点にもっとも注目して聞いています。さすがに原稿を棒読みする場違いな候補者は見当たりませんが、人からレクチャーされたり、何かの情報源から得た知識であっても(基本的に誰でもそうです)、それを十分に理解しているだけでなく、自分の頭で考えて足し算や引き算をして改良した政策は聞いていればすぐにわかります。それがオリジナルなのか、単なる真似なのかは分かります。

 

その点で言うと、多くの候補者は多くの点でオリジナリティがあるのかどうかは疑問でしょう(私にジャッジする能力はないですが・・・)。それはある意味で仕方ありません。外交、安全保障、経済、社会保障、政治と金etc.・・・たくさんある政治的課題の中で自分が最も大事だと考える政策をどれだけ強く押し出せるかが問題です。総花的な、八方美人的な政治家はいてもいいですが、国のリーダーには向いていないと思います。郵政民営化の時のように、ときどき国民は騙されますが、“ワンイシュー”を強く押し出す人に魅力を感じるものです。

 

残念ながら今回の9人の候補者の中にそういうタイプの政治家は一人もいません。強いて言えば、主張の是非はともかくとして、高市さんよりもアジアにおける自前の安全保障体制の構築を強く押し出している石破さんでしょうか。もしも進次郎さんが「選択的夫婦別姓」の一点突破を目指すと言うのなら、「たわけ」という烙印は押さなかったと思います。「解雇規制の緩和」という、昔父親とタッグを組んでいた新自由主義者の主張そのままだったのでアウトです。日本をぶっ壊し始めた張本人の一人ですから。

 

頭の良し悪しはリーダーにとって非常に大切な要素です。でも思慮が足りないと「アホ」と言われるわけです。今回は期待しないことにしましたが、まだ諦めてはいません。数年以内に政治の大変革が起きることに微かな希望を繋ぐことにします。人気取りに腐心するのではなく、自分の頭をフル回転させて日本のこれからの課題について考え抜き、多くの日本人のこころを魅了するような人物の登場を待ち望みたいと思います。

 

思えば全盛期の田中角栄がそうでした。高度成長という時代が生んだのですが、まさに自分の頭で考えて決断・実行できる人物でした。今の時代はあのタイプではなく、つまりイケイケではなく、経済分野に限らず、これまで以上に“日本の価値”をきちんと世界に発信して日本の没落を食い止められるリーダーが必要です。

 

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