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「表層雪崩は起こるべくして起きた

・・・ 危険な時は登らない勇気を」

大山で2人不明、識者に聞く

 

読売新聞オンライン 2024年3月7日(木)

11時51分 配信

 

雪崩が発生した大山 ( 4日 )

 

鳥取県大山町の大山( 1729メートル )で2日、登山していた福岡市の男性3人のパーティーが雪崩に巻き込まれ、このうち50歳代の2人が行方不明になった。鳥取県警による捜索は続くが発見に至っていない。大山で医療関係者らによるパトロール活動を続ける大山山岳医療部会の本部長で、4日に事故現場付近を独自に調査した兜山 ( とやま ) 真宏さん(43)に話を聞いた。( 聞き手・立山光一郎 )

 

 

とやま・まさひろ 大山山岳医療部会が拠点としている大山町大山寺地区の「とやま旅館」の社長。高校生の頃から登山を始めた。大山遭難救助隊に所属して、登山者の捜索活動にも携わる

 

 

気象情報確認、状況把握を

 

大山山岳医療部会では、医師や看護師ら医療関係者がボランティアで登山道などをパトロールして、体調不良の人の手当てをしたり、登山のアドバイスをしたりしている。活動の参考にするため、今回の事故のデータも集めようと2人で調査に入った。

 

大山の北壁 ( ほくへき ) には、事故が発生する数日前から東風が強く吹きつけていた。その結果、雪崩が発生した北壁の西側の「 8合沢 」や「 7合沢 」辺りはスケートリンクのようにつるつるだった。調査に入った場所も雪が少なく、アイスバーンのような状況だった。

 

そこに雪が積もった。表層雪崩は起こるべくして起きた。今回の事故でも、雪の状況がわかっていれば、そこに入らないという選択もあった。事前に気象情報などを得て、山の状況を把握しておくことが重要だ。

 

日程の都合があるかもしれないが、場合によっては登らないという決断も必要だ。危険でない別のコースを選ぶという選択はあったと思う。

 

ビーコンなど冬山の装備必要

 

冬山に入る時は、シャベルや、位置を知らせるビーコン( 電波送受信機 ) 、雪原 ( せつげん ) に突き刺して雪崩に埋まった人を捜す棒 「 プローブ 」といった装備が必要だ。

 

ビーコンは、機種によってはポケットなどに入れてしまうと探知できる範囲が数十メートルに狭まる。ヘリコプターを使って広範囲で捜索できるサービスを薦めたい。

 

登山で大切なことは、出発したところに元気に帰ってくること。危険な時は登らない勇気も必要。山は逃げない。

 

 

行方不明の2人まだ見つからず

 

県警は6日も2人を捜したが、見つからなかった。警察官5人が朝から昼過ぎまで、元谷避難小屋( 約1000メートル )から6合目の避難小屋( 約1350メートル )にかけて、雪崩が生じたと考えられる範囲を目視で捜索したが、激しい地吹雪で難航した。