近年の登山ブームの闇 ・・・
登山ブームの拡大により
登山人口の底辺が広がると共に ・・・
無謀な登山や山のマナーの質の低下が顕著に。
昨今は、あっち こっちの山で
問題になってきてますなぁ。
「 山のトイレ 」はマナー違反横行
問われる登山者のモラル
産経新聞 2023年4月27日(木)
8時00分
晴れた日には大阪平野が見渡せる金剛山の山頂 © 産経新聞
国土の約7割が山地や丘陵地とされる日本。山の豊かさは海の豊かさにもつながり、さまざまな保全の取り組みが必要だ。その一つとして、登山でのマナー向上も山を守るために不可欠だが課題も多いという。3月下旬、大阪府山岳連盟が大阪・奈良の府県境の金剛山( 1125メートル )で行った「 清掃登山 」に参加し、現状を探った。
金剛山で登山道近くのごみを拾う「清掃登山」の参加者 © 産経新聞
人気の山
文字通り、山を清掃しながら登る清掃登山。約40人が参加した。
「 東の高尾山( 東京都 )、西の金剛山といわれるほど人気の山。関西で広く親しまれています 」
金剛山についてこう教えてくれたのは同連盟の常務理事、田中昭男さん。関西の主要都市から近く、1年を通して楽しめることが人気の理由という。
この日は、代表的な登山ルートの一つ「 念仏坂 」から登る。ごみを拾い、ルートや周辺の環境に変化がないかも確認する。
途中、赤っぽい色の不自然なマークの入った木々が現れた。いつだれが書いたかは不明だが、道の方向を示す意味で書かれたと考えられるという。
丸いマークが付けられた登山道近くの木 © 産経新聞
田中さんは「 道に迷わないようにとの善意なのかもしれないが、初心者などは誘導されて迷ってしまう可能性がある。個人の思いだけで行うのはやめてほしい 」と話す。山林の所有者に対する器物損壊にあたる可能性もあるという。
登山道では別の問題もある。金剛山には念仏坂など3つの代表的なルートがあり、府が管理。破損などがあった場合は修復される。
ただ、登山道は他にもある。登山者たちが独自に開拓した「 勝手道 」といわれる存在だ。近道として、また新たなルートとして愛好家が通り出し、自然と道のようになったという。この日も山肌には、落ち葉が踏み固められる形で一筋の道ができていた。
「勝手道」の入り口に設置された注意喚起の看板 © 産経新聞
新たな道に多くの人が踏み入れることで動植物など環境に影響を与えると指摘される。また、初心者が迷い込むと遭難や事故につながる危険もある。金剛山には100以上の「 勝手道 」があるという。田中さんは「 勝手道がすべて悪いわけではないが、環境面や他の登山者への影響も知ってほしい 」と話す。
トイレ問題
休憩をはさみ約2時間で山頂に到着。大阪平野を一望できる広場には、家族連れや外国人などが訪れており、多くの人に親しまれている山だと実感した。
山頂付近を歩くとトイレがあった。実は利用マナーが問題となっている。
このトイレは、山頂にある葛木( かつらぎ )神社の土地に奈良県が設置。維持管理は同神社と崇敬団体「 金剛練成会 」、売店が担う。タンクにたまった屎尿( しにょう )の運搬など毎年百数十万円の管理費も負担している。
金剛山の山頂にあるトイレ
同神社などによると、水の凍結を防ぐヒーターの設定温度を利用者が勝手に変更し故障につながったり、電気代が余分にかかったりする事例が出ている。同連盟などによると、一部の登山者がぬれた衣服を乾かすために設定温度を変更するなど、本来想定されていない使い方を行っているとみられるという。
葛城裕宮司は「 金剛山は信仰の対象にもなってきた場所。人としてのふるまいを考えてほしい 」と話す。
トイレのマナーは他地域でも問題となっている。兵庫県内のあるハイキングコース近くにある寺は、約15年前に新しいトイレを設置。ハイキング利用者が使えるよう、善意で設置した。寺の関係者によると、檀家( だんか )の女性が「 新しいトイレならきれいに使ってくれる 」と寄付した。
ところが期待は裏切られる。トイレを汚してもそのまま。トイレットペーパーが持ち去られたり、便器の水を流すボタンを壊したりして水が流れ続けたこともあったという。再三、注意喚起してきたが、人手も限られることから昨年秋に閉鎖を決めた。
閉鎖後も登山者とみられる人物から「 なぜ閉鎖したのか 」とクレームを受けることもあった。寺の関係者は「 非常に残念。なぜこういう結果になったのか、考えてほしい 」と話す。
金剛山に限らず、登山ルートのトイレは、地元の人などがボランティアで整備している例が多いという。同連盟は「 他人の家のトイレを借りているのと同じ。そこを意識してほしい 」とし、登山でのトイレマナーの啓発を進めている。ポスターで呼びかけるほか、アンケートなどで登山者側の意見も調査し対策を練る。
同連盟の田中さんは「 普段の生活の感覚を山に持ち込もうとする人が多くなっている。自分の行動が山や自然にどう影響するのかという視点を持つことが大切 」と話す。( 小泉一敏 )
昔は、
山なんぞに登る人は、ホンマ 少なかったんやけど ・・・
最近は、登山道整備の名の下に
行われる自然破壊 ・・・
誰もが簡単に山頂に立てる環境が準備され
山小屋やメディアは、
誰彼無しに、人を山に呼び込む。
そうなれば、それ程 山に興味が無い人も
何の思慮も無く、自己満足のマナーだけで
山に足を踏み入れる ・・・
確かに、
街のモラルやルールを押し付けようとする登山者が
増えてきたように思えますなぁ。