国民の生活 ・・・
政府は ・・・
庶民の苦労や工夫は、気にしませんわ。
街頭&読者1817人に聞きました!
値上げラッシュで
「 変えたこと 」「 やめたこと 」
マネーポストWEB 2022年10月29日(土)
19時15分 配信
東京「 巣鴨地蔵通り商店街 」で聞いた街の人たちの苦労と生活の工夫とは?
年内に2万品目に上る食品の値上げが予定され( 帝国データバンク調べ )、家計の負担増は「 年間6万8000円以上 」と試算されている。食品だけでなく日用品や光熱費なども値上がりし、生活に大打撃を与えている。みんな、どうしているのか、どうすればいいのか。 東京「 巣鴨地蔵通り商店街 」、大阪「 千林商店街 」での街頭インタビュー+読者アンケートの結果から見えてきた、それぞれの苦労と生活の工夫を紹介しよう。
街頭アンケートを実施した大阪の「 千林商店街 」
“ おばあちゃんの原宿 ” 東京「 巣鴨地蔵通り商店街 」で聞きました
「 20年以上スポーツジムに通っています。水泳やダンスで体を動かすことが健康キープの秘訣なので、これは続けます。その分、衣類のお金を節約しています。同窓会などのイベント以外は、手持ちの服を着回しています 」( O・Sさん・82才・主婦 )
「 去年は98円だった柿が128円と30円も値上がり。おかげで以前は気にもとめなかったチラシを活用し、目を皿のようにして、わずかでも出費を減らそうとチェックしています。お菓子は、“ ステルス値上げ ” で中身が一回りも二回りも小さくなってガッカリ。先日、孫のために買った、昔ながらのおもちゃのサイズまで小さくなっていて、びっくりです 」( M・Yさん・60才・主婦 )
「 ティッシュペーパーは値上げ前に買いだめ、油や調味料はお中元の半額セールで買ったのでしばらくは大丈夫。最近は単品をバラで買って安く済ませていますが、今年のお正月は、2万円のお節が100
0円で投げ売りされていたのを即買いしました!」
( O・Tさん・80才・無職 )
「 牛乳やチーズなど乳製品はそれほど買いだめできないのが難点。そのかわり、あまり使わないのに、値上げ前にパスタをついまとめ買いしてしまいました。ストックするにしても冷静でいないといけませんね。お正月は毎年、たらばがにの足を15本ほど購入していましたが、今年は10本に減らそうか悩み中です 」
( T・Mさん・75才・老人会会長 )
「 食パンやお豆腐は高くても品質や産地にこだわっていましたが、とうとうギブアップ。特売品に切り替えました。映画館通いが趣味でしたが、最近は足が向きませんね。次は銭湯も値上げをしないか、心配です 」( Sさん・70才・無職 )
「 スーパーのチラシと、スマホのチラシアプリで特売商品をチェックし、お得な食材を使ってメニューを組み立てています。遠出したときは外食もアリですが、近所で友人とお茶をする回数は減りました 」( H・Nさん・79才・主婦 )
「 ウオーキングの途中、野菜の安いスーパーを発見。今度自転車で買いに行きます。光熱費も高いので廊下の電球を1個減らして節電中。趣味は60年続けてきたバドミントン。シューズなどはプロの講習会のとき割安で購入します。お節料理は手作りし、市販品を足していましたが、今年は5人分で1万円程度が限界ですね 」
( K・Mさん・80才・無職 )
「 パスタも高いので食卓にのぼる回数が激減。以前はまとめ買いしていた油も小さめサイズを1本ずつ購入しているので、揚げ物も控えています。服は先日、3年ぶりに百貨店の閉店セールで購入。コンサートにもよく出かけていましたが、もっぱらテレビで楽しんでいます 」( S・Kさん・68才・無職 )
「 食材はデパ地下で調達していましたが、最近は近所のスーパーが御用達。質より量にシフトしました。服も買わず、旅行にも行かない。ただブランドバッグがほしいので、海外旅行に行きたいのですが、いまは円安だから逆に高くつきそう。八方塞がりで嫌になります 」( Nさん・60才・パート )
大阪を代表するアーケード街の1つ「 千林商店街 」で聞きました
「 卓球、墨絵、合唱、ボウリングと多趣味で、月に2万円ほどかかっていたのですが、最近、ボウリングだけに絞りました。これで1万円浮きました。ほかには洗濯洗剤のランクを下げました 」
( Mさん・69才・主婦 )
「 毎週買っていた牛乳やヨーグルトはなくても困らないので、2週に1回に減らしました。ほかには嗜好品も買い控えしてしまいますね。昨日は友人と居酒屋へ行きましたが、物価高の影響を痛感。これ以上高くなったら、もう飲みに行けませんね 」
( M・Cさん・65才・公務員 )
「 月2回は家族で遠出や外食をしていましたが、ガソリン代がバカ高いので回数を減らそうかと相談中。あとは最近、午前中だけ「 U
ber Eats 」の配達の仕事を開始。家計の助けになり、自転車移動でダイエットにもなって、一石二鳥です 」
( Sさん・48才・主婦 )
「 食卓に季節のフルーツは欠かせなかったのですが、冷凍果物に切り替えました。趣味は海外旅行。特にイギリスには毎年のように行っていたのですが、円安だから当分厳しいかな。海外ブランドの化粧品も高嶺の花。年末年始はおとなしく自宅で過ごすつもりです 」
( Emiさん・40代・会社員 )
「 最近はミールキットを利用しています。献立も考えなくていいし、食品ロスもありません。わが家は4人家族ですが、3人分で注文。おかずが足りなそうなときは、もやしで一品カサ増し。食費が少し抑えられました 」( Kさん・38才・会社員 )
「 食材はネットやスーパーをくまなく見て、いちばん安いものを購入しています。服やアップルウォッチ、アクセサリーもほしいけど、いまは手が出せません。1才の息子のものは高くたって買わないわけにはいきませんから 」( Kさん・27才・パート )
価格上昇、品質低下で買い控えや自給自足へ
本誌『 女性セブン倶楽部 』で行った物価高に関するアンケートには、3日間で1817人が回答。その関心の高さがうかがえる。まずは値上げラッシュで「 変えたこと 」から紹介しよう。
「 マヨネーズを有名メーカーから少しでも安いPB( プライベートブランド )商品へ変えた 」( 49才・専業主婦 )
「 PBでも大手メーカーが作っている商品をチョイスしている 」
( 57才・専業主婦 )
PB選択の声は多く、切り替えの第一候補に。また、産地や質より、値段で選ぶ人が増えているようだ。
「 野菜は国産と決めていましたが、中国産も選択肢に 」
( 35才・アルバイト )
「 サラダ油がどんどん値上がりするので、いつも使っていたお気に入りをやめ、セール品を買うことに。本音は安心して使えるものの方がいいのですが、しかたありません 」( 60才・専業主婦 )
この物価高を機に、長年のこだわりを捨てる人は多い。ほかにお菓子やカップ麺、チーズ、ヨーグルトなど必須でない食品については購入頻度を減らす傾向が顕著だ。ガソリン価格の高騰により、燃費のいい軽自動車に乗り換えた人も多い。
では「 やめたこと 」についてはどうだろう。
「 容量が減り、価格が上がったお菓子は買わない。同じ種類でも、容量も価格も現状維持のメーカーを探します 」( 52才・会社員 )
「 悲しいほど直径が小さくなったえびせんべいとは、サヨナラしました 」( 88才・自営業 )
「 小さく、少なくなったお菓子は、ガッカリ度合いが大きいので買わないと決心 」( 57才・パート )
価格は据え置きだが内容量が微妙に減っている、いわゆる「 ステルス値上げ 」と呼ばれる商品は、避ける傾向にあるようだ。
次に値上げに対抗するため「始めたこと」は?
「 食パンはホームベーカリーで作るようになった 」
( 41才・会社員 )
「 ねぎなどは自家栽培する 」( 62才・専業主婦 )
「 生鮮食品は直売所で買う機会が増えた。食卓は地元野菜がふんだんに 」( 31才・専業主婦 )
「 スーパーのハシゴが日課 」( 49才・パート )
「 5km圏内の用事は電車や車を使わず、リュックを背負いウオーキングを兼ねてひたすら歩く 」( 75才・無職 )
物価高にもしなやかに対応し、生活を維持するたくましさを併せ持つ人が多かった。
撮影/浅野剛
※ 女性セブン2022年11月3日号