叡山電鉄、土砂崩れで一部運休
京都・滋賀で大雨被害、
史跡 「 御土居 」 も一部崩れる
京都新聞 2020年7月8日
23時43分
叡山電鉄、土砂崩れで一部運休 京都・滋賀で大雨被害、史跡「御土居」も一部崩れる
京都府、滋賀県は8日未明から朝にかけて非常に激しい雨に見舞われた。京都市と亀岡市で住宅や店舗など計23棟が床下浸水。左京区鞍馬の叡山電鉄貴船口駅付近では大規模な土砂崩れが起き、鞍馬線の市原−鞍馬間を運休している。滋賀県内では民家1軒が床上浸水し、11軒が床下浸水した。京都、彦根の両地方気象台は、引き続き土砂災害への警戒を呼び掛けている。
叡山電鉄によると、貴船口駅の南約200メートルにある線路の西側で約60メートルにわたって斜面が崩れ、土砂が線路を覆っているのを、同社職員が見つけた。この区間は始発から運行を見合わせており、人的被害はなかった。復旧には相当な期間を要するとしている。
左京区鞍馬本町の鞍馬街道でも土砂崩れで多数の倒木が道路を覆い通行不能。右京区梅ケ畑川西町の国道162号も土砂崩れで通行止めになっている。
京都府と京都市の文化財保護課によると、上京区の北野天満宮内で史跡 「 御土居 」 の西面の一部が崩れたほか、いずれも重要文化財の報土寺本堂 ( 上京区 ) と知恩寺阿弥陀堂 ( 左京区 ) 、万福寺威徳殿 ( 宇治市 ) で雨漏りを確認した。
京都市は8日早朝から北区と左京区、右京区の計9学区、8920世帯約2万2380人に一時、避難指示を出した。同市内で北部の小中学校5校が休校となり、山城教育局や南丹教育局管内の小中学校や幼稚園、特別支援学校184校 ( 園 ) も休校となった。
滋賀県高島市では、河川の増水で民家1軒が床上浸水し、5軒が床下浸水。長浜市で4軒、大津市で2軒が床下浸水した。高島市マキノ町野口から福井県敦賀市疋田までの国道161号約12キロと、大津市伊香立途中町の国道477号約2キロが土砂崩れなどで一時通行止めになった。大津市と長浜市の小中学校など計9校・園が休校となった。
24時間の雨量は、長浜市柳ケ瀬で135ミリ、京都市中京区で93ミリを計測。7日夜から8日午前にかけて、京都府内では京都市と久御山町、南山城村の延べ約2870軒、滋賀県内では長浜市と高島市の延べ約1090軒が停電した。